印刷
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ウィキペディアにおける記事を印刷する方法については、「Help:印刷用バージョン」をご覧ください。
左上から順に: 紀元前1800年ごろのバビロニア円筒印章、インドの捺染用木版印刷ブロック、李氏朝鮮活字、(2行目)活版印刷機、リトグラフ印刷機、オフセット印刷機、(3行目)ライノタイプデジタル印刷機、3Dプリンタ

印刷(いんさつ、: printingあるいはpress)とは、インキをつけて、それを(など)に押し付け、版と表裏が逆の模様を何枚も簡単に速くつくること、その作業(仕事)[1]
概要

印刷の基本から説明すると、まずを作り、それにインクをつけて、など(紙以外のモノでもよい)に押し付けると、版と表裏が逆の状態でインクがつく。その仕事(作業)を印刷という[1]。この作業で出来るものを印刷物という[1]

たとえば木版で年賀状や季節の挨拶の葉書をつくるとして、葉書の大きさの絵を描いて板に張り、インキをつけたいところを残して他を彫刻刀で彫り下げる。この版にインキをつけ紙に押しつければ印刷物ができあがる。この場合、最初描いた絵を「原稿」、版をつくる作業を「製版」といい、最後のインキをつけて紙を押し付ける作業を狭義の意味で印刷という[1]

印刷されたものを印刷物といい、印刷を業務として行っている会社を印刷会社といい、その工場を印刷工場という。
語源。プリントとプレス

print(プリント)ともpress(プレス)ともいう。

printの語源は、ラテン語の動詞「premere プレメーレ」でありこれは「押し付ける」という意味である[2]。それが古フランス語で「preindre プランドル」となり、それが中期オランダ語で「prente」となり、それがオランダ語以外のゲルマン諸語にも広まってゆき、英語に1300年代に入り「print」となった[2]

「press プレス」は圧搾機から来ている。西洋では古くから、印刷機が登場する前から、圧搾機のことを「press プレス」と呼んでいた。グーテンベルクの印刷機は、もともと古くから西洋にあった、ワイン造りのためのブドウの圧搾機(wine press)を転用して開発したものである。この経緯で、圧搾機を意味した「プレス」は印刷機や印刷も意味するようになった。

ちなみに印刷の「印」の字は、今ではハンコという意味だが、もともとは、ハンコ(印璽)を爪で押さえて押捺(おうなつ)する人の姿の形をなぞった漢字である[3]。つまり「印刷」というのはもともと、おさえて刷る、という意味の表現である。
現代の印刷の傾向

現代の印刷の主流はオフセット印刷である。「経済産業省 平成30年(2018年)工業統計 品目編」では印刷事業所を印刷方式により、オフセット印刷 / 活版印刷 / グラビア印刷 / 特殊印刷 の4つに分類しているが、2017年の統計データで、印刷事業所の73%ほどがオフセット印刷である[4]。現在では活版印刷は9%[4]。1960年代などまでは活版印刷が主流であったが、その後オフセット印刷への移行が進み、1980年にはオフセットのほうが優勢となり、その割合が増してきた。

現代の一般的なオフセット印刷の製版工程の後半では、刷版(さっぱん。薄いアルミ板でできた版[5])を作る。印画紙を出力してからフィルムに転写し、そのフィルムからアルミ板に焼き付けたり、あるいは組版データをもとにして専用の装置を使い直接にアルミ製の刷版に焼き付ける[6]
統計


2022年の世界の印刷産業の総売上は8210億ドル規模だった。[7]

世界の印刷による収益の76%は産業的な印刷業者によるものである。[7]

世界の広告印刷は2019年から2020年にかけて18%増加した。[7]

中国

中国の印刷の収益の50%はパッケージ印刷である。[7]

中国の印刷マーケットの30%は、伝統的な出版である。[7]

中国の印刷の売上はコロナウィルスのパンデミックの際には80%ダウンとなった。[7]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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