博士と彼女のセオリー
The Theory of Everything
監督ジェームズ・マーシュ
脚本アンソニー・マッカーテン
原作ジェーン・ホーキング『無限の宇宙 ホーキング博士とわたしの旅』
製作ティム・ビーヴァン
リサ・ブルース
『博士と彼女のセオリー』(はかせとかのじょのセオリー、The Theory of Everything)は、2014年にイギリスで製作された伝記映画で、理論物理学者のスティーヴン・ホーキング博士と彼の元妻であるジェーン・ホーキング(Jane Wilde Hawking)の関係を描き出している。監督はジェームズ・マーシュ、主演はエディ・レッドメインとフェリシティ・ジョーンズが務める。第87回アカデミー賞では5部門にノミネートされ、エディ・レッドメインが主演男優賞を受賞した。 1960年代のケンブリッジ大学で物理学を学んでいたスティーヴン・ホーキングは、同じ大学で文学を学んでいるジェーン・ワイルドと恋に落ちる。スティーヴンは体が次第に自由に動かなくなり、倒れて医者から筋萎縮性側索硬化症(ALS)で余命2年とされる。スティーヴンの親も反対するが、2人は結婚する。 男児が生まれ、ブラックホールに関する博士論文を教授たちから絶賛されるが、体も不自由になってきて、電動の車椅子を使うようになる。「ビッグ・バン」に関する発表は馬鹿馬鹿しいと退場する学者もいたが、喝采を送る学者もいた。ジェーンは勧められて教会の聖歌隊に入るが、指導をしているジョナサンがピアノ教師として家庭に入り、妻を亡くして子もいないことから家庭を支援し、父親の代理のように子どもからも慕われる。3人目の子どもが生まれるが、誰の子かと噂されるようになり、立ち聞きしたジョナサンが「君が好きだ」というとジェーンも「私も貴方が」といいながら離れる。 スティーヴンが仏ボルドーでのオペラに招待され、子どもたちのキャンプのためにジョナサンが呼ばれる。公演の最中に倒れ、死か気管切開かと医者に迫られ、声が出なくなる後者を選択する。「スペリングボード」を使うために有能な看護師エレインを雇い、その後、埋め込みの音声合成器を使うようになる。『ホーキング、宇宙を語る : ビッグバンからブラックホール』が世界的なベストセラーになる。「アメリカでの授賞式にエレインを連れていく」と突然話したことから、2人は離婚することになり、ジェーンはジョナサンと結婚する。 エリザベス2世女王からスティーヴンとジェーンが一緒にバッキンガム宮殿に招待され、自由社会主義者であるスティーヴンは大英帝国勲章(CBE)を受勲する。『宇宙を語る』は「難しいけど売れている本なのね」と言われる。宮殿の庭でスティーヴンはジェーンに「私たちが作ったものを見て」と言う。その前で大きくなった3人の子どもたちが遊んでいる。 ※括弧内は日本語吹替
あらすじ
キャスト
スティーヴン・ホーキング - エディ・レッドメイン(福田賢二)
ジェーン・ワイルド・ホーキング - フェリシティ・ジョーンズ(佐古真弓)
エレイン・マッソン - マキシン・ピーク
スティーヴンの2番目の妻。
ジョナサン・ジョーンズ - チャーリー・コックス(鈴木幸二)
ジェーンの2番目の夫。
ベリル・ワイルド - エミリー・ワトソン(早野ゆかり)
ジェーンの母親。
ジョージ・ワイルド - ガイ・オリヴァー=ワッツ
ジェーンの父親。
フランク・ホーキング - サイモン・マクバーニー(坂部文昭)
スティーヴンの父親。
イソベル・ホーキング - アビゲイル・クラッテンデン(英語版)(定岡小百合)
スティーヴンの母親。
フィリパ・ホーキング - シャーロット・ホープ(英語版)
スティーヴンの妹。
メアリー・ホーキング - ルーシー・チャペル
スティーヴンの妹。
デニス・シャーマ - デヴィッド・シューリス(伊藤和晃)
スティーヴンの師。
キップ・ソーン - エンゾ・シレンティ(英語版)
アイザック・カラトニコフ(英語版) - ゲオルグ・ニコロフ
ダイアナ・キング - アリス・オル=エウィング(英語版)
バシル・キングの妹でスティーヴンの友人。
ブライアン - ハリー・ロイド(西健亮)
スティーヴンのルームメイト。
なお、映画の中で使用されているホーキング博士の電子音声は本人が提供したものである。 本作の脚本を書いたアンソニー・マッカーテンは1988年に出版されたホーキング博士の『ホーキング、宇宙のすべてを語る』を読んで以来、博士に関心を持ち続けていた。2004年、マッカーテンはジェーン・ホーキングの回顧録『無限の宇宙 ホーキング博士とわたしの旅』を読んだ。そして、映像化される保証がないまま脚本の執筆に取り掛かった。自身の企画について話し合うために、マッカーテンは何度もジェーンのもとを訪ねた。何回か脚本を書き直した後に、ICMのエージェント、クレイグ・バーンスタインを通して、プロデューサーのリサ・ブルース
製作
構想
マッカーテンとブルースは3年かけてジェーン・ホーキングから回顧録の映画化の承諾を得た。ブルースは当時を振り返って「幾度となく話し合いを設け、何杯ものシェリー酒、紅茶を飲んだ。」と述べている[6]。2013年4月18日、ジェームズ・マーシュが監督に内定し、撮影はイギリスを中心にして行われることが決まった。また、主役のホーキング博士を エディ・レッドメインが演じることになった[7]。