単位記号(たんいきごう、unit symbol[1])とは、計量単位を示す記号である。計量法においては「計量単位の記号」[2]または単に「記号」[3]としている。
単位記号は、日本では計量法第7条に基づき、計量単位規則で定められている。国際単位系(SI)においては、国際単位系国際文書第9版(2019年)で定められている。両者に共通する計量単位についての単位記号は完全に同一である[注 1]。
SI接頭語の記号(k,M,G,c,m,μ など)は、それ単独では単位記号ではないが、単位記号と結合して新しい単位記号を形成するので[4]、ここで言及する。 法定計量単位やSI単位においては、単位記号はほとんどが1文字または数文字のラテン文字によって表記される。SI接頭語記号も同じである。ごく少数であるがラテン文字以外の文字種も用いられており、次のとおりである。 組立単位の場合は、上記に加えて、べき乗を表す数字(例:m3、m s-2)、分数を構成するための斜線「 / 」、積を表す中黒「・」が用いられる。 SI接頭語の記号を単位記号に結合して作られたグループは、元の単位の倍量 単位記号の記法において注意すべき点は以下である。 なお計量法体系の規定では、ラテン文字・数字についての全角・半角の概念そのものがないので、全角表記も半角表記も用いることができる。 SI基本単位(7個)の記号と固有の記号を持つSI組立単位(22個)の記号を組み合わせて、様々な量について単位記号を構成することができる。その場合の記法は次の通りである[6][7]。 単位記号と接頭語記号が同じとなる、m(メートルのm、ミリのm),T(テスラのT、テラのT),h(時のh、ヘクトのh)が使われる場合は誤解が生じないように注意する。 仕事、熱量および電力量の3つの物象の状態の量(物理量)は、いずれも広義ではエネルギーと同じ物理量であって[注 5]、同じ計量単位(ジュール、ワット秒またはワット時)で表される。このうち、ワット秒とワット時については、仕事・熱量を表す単位記号と電力量を表す単位記号は以下のように異なっている(キロワット時#単位記号)。 すなわち、電力量の単位記号は、中黒「・」を挟まない記号と規定されている。電力量計は特定計量器 SI接頭語を組み合わせる単位記号の表記方法は次のとおりである(SI接頭語#使用法も参照)。 誤って表記されやすい単位記号の例としては次のものがある[8]。 以下は、国際単位系国際文書における誤りの例である。 単位の名称の省略語や単位記号の省略語を使ってはならない[9]。 大文字で始まる単位記号は、人名に由来するものが多いが、全てがそうではない。 人名に由来する単位記号は、その最初の文字は大文字である。
文字種
ギリシャ文字 : Ω、μ[注 2]、γ、λ
ダイアクリティカルマークが付されたラテン文字 : Å
特殊記号:%、‰、∼[注 3]、°、′、″、°C、°F
下付き文字:例:mH2O、calt
SI接頭語の記号
SI接頭語の記号と単位記号の間にスペースを空けずに表記する。スペースを挟んで表記するとそのスペースは掛け算を意味する(スペース#単位記号の積)ので、別の意味になってしまう。
記法
単位記号・SI接頭語記号は、直立体で表記する。(注)これに対して、量の記号はイタリック体で表記する。
大文字と小文字の別を厳格に守る(#誤りやすい表記)。
単位記号は複数形にはしない。(注)これに対して、欧文で単位記号ではなく、単位名(例えば metre)を用いる場合は、3.2 metres のように複数形にする。
単位記号の後にはピリオドを付けない。ただし文章(特に欧文)の終わりに単位記号が示されるときはピリオドがあっても良い。
単位記号に、量の性質に関する追加情報を付けてはならない。 例:最大電位差は、Umax = 1000 V と書く。U = 1000 Vmax とはしない[5]。
組立単位の表記
単位の積
2つ以上の単位の積で新しい単位を表現する場合は,次の例のいずれかの記法を用いる。
N・m 積の記号は中黒「・」
N.m 積の記号はピリオド「.」 [注 4]
N m 積の記号はスペース(通常は半角スペース(en:thin space
単位の商
単位同士の商の形で新しい単位を表現する場合は次の例のいずれかの記法を用いる。ただし,斜線による記法では,同一行に2つ以上の斜線を入れてはいけない。複雑な構成の単位の場合は負のべき乗又は括弧を用いる。
m/s2 (m/s/sは不可)
m・s-2
J/(mol・K) (J/mol/Kは不可)
J・mol-1・K-1
注意すべき単位の積
仕事および熱量の単位記号:W・s(ワット秒)、W・h(ワット時)、kW・h(キロワット時)
電力量の単位記号:Ws(ワット秒)、Wh(ワット時)、kWh(キロワット時)、
SI接頭語との組み合わせ
接頭語記号は、その前後の文章の様式にかかわらず[注 6]、単位記号と同様に立体で表記する。
接頭語記号と単位記号の間にはスペースを空けずに表記する。
接頭語は1つだけを用い,μμF(マイクロ マイクロ ファラド)やmmm(ミリ ミリ メートル)のように2つ以上重ねてはならない。pF(ピコ ファラド)やμm(マイクロ メートル)のように表す。なお質量の単位キログラムkgはすでに接頭語が付いているので,10-6 kgを示すのに,μkg ではなく、mg のようにグラムに接頭語を付ける。
誤りやすい表記
10 Kg → 正しくは、10 kg
30 M → 正しくは、30 m
60 HZ → 正しくは、60 Hz
50 sec → 正しくは、50 s
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sec → 正しくは、s または秒(second) (再掲)
sq.mm → 正しくは、mm2 または平方ミリメートル(square millimetre)
cc → 正しくは、cm3または立方センチメートル(cubic centimetre)
mps → 正しくは、m/s メートル毎秒(metre per second)
大文字で始まる記号
人名に由来
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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