南阿蘇中継局
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観音桜展望台(阿蘇南外輪山)にあるテレビ・FMラジオ放送の中継局。2019年撮影。2016年までテレビ・FMラジオ放送の送信所が置局されていた夜峰山(阿蘇山中央火口丘)。2009年撮影。

南阿蘇中継局(みなみあそちゅうけいきょく)は、日本の熊本県阿蘇郡南阿蘇村の各所にある、放送局の中継局。1980年代半ばまでは南阿蘇地域(南郷谷)の中心地である高森町から、『高森中継局』と呼ばれていた。
概要

テレビ放送とFMラジオ放送の中継局は阿蘇山の一峰である夜峰山(よみねやま[1])の山頂にあったが、平成28年熊本地震による山麓崩壊のため放送継続が困難となり、阿蘇南外輪山の観音桜展望所付近に設置された予備送信所へ移転し[2][3][4][5]、2007年11月27日より観音桜展望所に新設された恒久施設を運用している。また、AMラジオ放送の中継局はカルデラ盆地の南郷谷にある。テレビ放送とFMラジオ放送は、熊本県内の放送局が親局を設置している金峰山からの電波を中継する(夜峰山に置局されていた2016年まで)。南郷谷では阿蘇南外輪山の俵山などがあるため、金峰山からの電波を良好に受信するのが困難である。

夜峰山からの主な放送エリアは南郷谷のほぼ全域(南阿蘇村と高森町の一部)と阿蘇市赤水地区[6]。電波自体は熊本市南関町付近にも届いており、総務省が公表した「アナログ放送中継局に対応するデジタル放送中継局一覧」では立田山中継局(熊本市)や南関中継局(南関町)、鍋田中継局(山鹿市)の受信エリア内で「受信するに相応しいデジタル中継局」として南阿蘇中継局が記載されていた。

予備送信所の放送区域には阿蘇市赤水地区が含まれないが[6]、同地区は阿蘇中継局によりカバーされている[7]

2017年11月27日午前11時に、仮設中継局がある観音桜展望所(南阿蘇村、河陰地区)に本局が運用開始(チャンネルは、変更なし)。旧南阿蘇デジタル中継局は3Wであったが観音桜展望所は夜峰山より低い場所になるために10Wに増力(FMラジオは10Wで変更なし)。夜峰山と観音桜展望所は位置が異なることから、受信地域によっては大幅にアンテナの向きを変える必要がある。
熊本地震への対応熊本地震で被災した夜峰山のテレビ・FM中継局(2018年6月撮影)

夜峰山のデジタルテレビ中継局(FMラジオ中継局)は、2016年(平成28年)4月の熊本地震で倒壊したため、観音桜公園展望所の駐車場(南阿蘇村、河陰地区)に新たに中継局を建設した(夜峰山山頂まで道路の崩壊と土砂崩れの影響で工事車両が通行不可能だった為)。2017年(平成29年)11月27日午前11時より運用開始。地震倒壊前の夜峰山からは3ワットであったが、観音桜公園展望所は標高の低い場所になるために10ワットに増力(FMラジオは、10ワットで変更なし)。FMラジオ共に垂直偏波での送信。夜峰山の旧南阿蘇中継局は、2018年(平成30年)9月末に取り壊された。

熊本地震後、観音桜公園展望所の仮設の中継局から3ワットで送信していたが、標高が低いこともあり高森町の一部地域で受信状態が良好でなかったために同地区のらくだ山公園にも仮設の中継局(3ワット)を設置。2017年(平成29年)3月末に南阿蘇村テレビ共同受信組合が仮設の中継局のやや高いところに送信設備(3ワット)を建設した。垂直偏波での送信。NHK熊本が、南阿蘇村テレビ共同受信組合の送信設備のやや低い場所に南阿蘇高森デジタルテレビ中継局(3ワット)を建設した。2018年(平成30年)3月13日より送信開始。垂直偏波での送信。民放各社は南阿蘇村テレビ共同受信組合が建設した送信設備からの送信となる。
年表

1964年10月1日 -
熊本放送 (RKK) とNHK熊本放送局総合教育)が夜峰山にテレビ中継局を設置[8]。当時の中継局名は『高森』であった[9]。RKKは当初から10chであったが、NHK総合は8ch、NHK教育は1chを使用していた[10]

1969年9月20日 - テレビ熊本 (TKU) が当地に中継局を設置。

1969年11月30日には、NHK熊本放送局がNHK-FM放送の中継局を開局

1982年3月28日 - 熊本県民テレビ (KKT) が開局と同時に「高森中継局」として設置[11]。この時点でNHK総合は12ch、NHK教育は1chであった[12]

1987年4月14日 - エフエム熊本 (FMK、当時の社名はエフエム中九州)が予備免許を取得(阿蘇中継局と同時)[13]

1987年7月1日 - FMKが試験電波を発射(阿蘇中継局と同時)[13]

1987年7月9日 - FMKが本免許を取得(阿蘇中継局と同時)[13]

1987年7月10日 - FMKが「南阿蘇中継局」として設置(阿蘇中継局と同時)[14]

1988年5月11日 - テレビ各局・NHK-FMの中継局名を現在の局名に変更[15]

1989年9月22日 - 熊本朝日放送 (KAB) が開局と同時に「南阿蘇中継局」として設置[16]

1991年9月28日 - RKKがAMラジオ中継局を設置。

2000年1月17日 - NHK教育テレビ(アナログ)の送信チャンネルが変更される[15]

2002年3月25日 - NHKラジオ第一放送が開局[17]

2008年5月8日 - 地上デジタル放送の中継局に対して予備免許を交付。

2008年5月12日 - 地上デジタル放送の試験放送開始。

2008年5月27日 - 地上デジタル放送の中継局に対して本免許を交付。

2008年6月1日 - 地上デジタル放送の本放送開始。当時は夜峰山から3Wでの送信。

2011年7月24日 - アナログテレビ放送を廃止。

2016年4月19日 - 平成28年熊本地震による被災状況を踏まえ、NHKの地上デジタル放送及びFM放送について、九州総合通信局が設置場所の変更(観音桜展望所付近への予備送信所の追加)を許可[18]

2016年5月2日 - 平成28年熊本地震による被災状況を踏まえ、民放テレビ4社及びエフエム熊本について、九州総合通信局が設置場所の変更(観音桜展望所付近への予備送信所の追加)を許可、併せてNHKの地上デジタル放送及びFM放送についても同じ場所への変更を許可[6]

2016年5月9日 - エフエム熊本が観音桜展望所付近の予備送信所からの送信に変更[5][19]

2016年5月16日 - 午前11時頃に民放テレビ4社が観音桜展望所付近の予備送信所からの送信に変更[2][3][4][19]

2016年5月18日 - NHK(テレビ・FM)が予備送信所からの送信に切り替え[19]

2017年6月9日 - 平成29年総務省告示第195号により基幹放送用周波数使用計画が変更、テレビ各局の南阿蘇中継局が追加される。送信出力の10Wへの増力に備えた変更となる[20]

2017年11月27日 - 観音桜展望所(南阿蘇村河陰)に整備された恒久施設を11時より運用開始。同時にテレビ各局は送信出力を3Wから10Wに増力。

チャンネル
アナログテレビ放送

テレビ熊本(親局はUHF)がVHFで設置していたことや、NHKが総合テレビとしては数少ない12ch(他には福井県南条テレビ中継局などがある)を使用していたことなどの特徴があった。

放送局名チャンネル空中線電力ERP放送対象地域放送区域内世帯数無線局免許状情報
テレビ熊本 (TKU)4映像10W (6W) /音声2.5W映像15.5W (9.3W) /音声3.9W熊本県7,116世帯[15][21]
NHK熊本教育6映像17.5W (10.5W) /音声4.3W全国放送11,619世帯[15][22]


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