南海高野線
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高野線

30000系による特急「こうや」
基本情報
通称汐見橋線(汐見橋駅 - 岸里玉出駅間)
こうや花鉄道(橋本駅 - 極楽橋駅間)
日本
所在地大阪府和歌山県
起点汐見橋駅[1]
終点極楽橋駅
駅数42駅
路線記号 NK
開業1898年1月30日
全通1929年2月21日
汐見橋線分断1985年6月16日
所有者南海電気鉄道
運営者南海電気鉄道
車両基地小原田検車区、同区千代田検車支区
住ノ江検車区(汐見橋線専用車のみ)
使用車両使用車両の節を参照
路線諸元
路線距離64.5 km
軌間1,067 mm狭軌
線路数複線(汐見橋駅 - 橋本駅間)
単線(橋本駅 - 極楽橋駅間)
電化方式直流1,500 V 架空電車線方式
最大勾配50
高低差443 m(橋本駅と極楽橋駅との差)
閉塞方式自動閉塞式
保安装置ATS-NATS-PN
最高速度100 km/h

路線図


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高野線(こうやせん)は、大阪府大阪市浪速区汐見橋駅[1]から同市西成区岸里玉出駅を経由し、和歌山県伊都郡高野町極楽橋駅までを結ぶ南海電気鉄道鉄道路線である。一般的には、岸里玉出駅から南海本線に直通する難波駅 - 橋本駅 - 極楽橋駅間の運行系統を指し(運行形態を参照)[2]鋼索線(高野山ケーブル)の高野山駅までを含め、高野線と呼ぶことが多い。岸里玉出駅 - 極楽橋駅間と線路が分断されている、汐見橋駅 - 岸里玉出駅間には汐見橋線(しおみばしせん)という通称がある。

路線シンボルマークは、高野杉の林をイメージしたもの()で、ラインカラーは緑。山岳区間の橋本駅 - 極楽橋駅間には鋼索線とともに「こうや花鉄道」という愛称が付けられ、観光列車「天空」を運行するなど様々な取り組みが行われている[3]

また、かつて難波駅 - 橋本駅間には「りんかんサンライン」という愛称がつけられていた(命名経緯は後述)。
概要

日本有数の宗教都市霊場である高野山への参詣輸送路線であり、終点の極楽橋駅からは鋼索線に連絡している。加えて、大阪府南河内地域ならびに和歌山県橋本・伊都地域から大阪市内への通勤・通学路線でもある。かつては南海本線に対して支線的な存在だったが、宅地開発による沿線人口の急増、さらには泉北高速鉄道線との相互直通運転による泉北ニュータウンから大阪市内への通勤客輸送等により、現在は南海本線を上回る輸送人員を有する南海の主力路線へと発展した。

全線でPiTaPaおよびICOCAなどPiTaPaと相互利用可能なIC乗車カードが利用できる。ただし、乗車回数に応じて割引が適用されるサービスはPiTaPaのみが対象となる。

高野線は、主に市街地を走る難波駅 - 橋本駅間と、曲線と勾配の激しい山岳区間を走る橋本駅 - 極楽橋駅間とに運行系統が分かれる[4]。橋本駅 - 極楽橋駅間の山岳区間に乗り入れる列車には、車両全長が短い通称「ズームカー」と呼ばれる平坦区間では高速運転が可能で山岳区間では大きな牽引力を出す専用車両が用いられる[5][6]。特に高野下駅 - 極楽橋駅間は50 勾配を持つ登山鉄道であり(詳細後述)、南海には沿線に高野山という観光地があるという特徴を持つことから、同様に沿線に観光地があり急勾配区間がある日本国内の鉄道会社との間で、2009年全国登山鉄道‰会を結成している[7]また、2017年10月24日には同様の特徴を持つスイスモントルー・オーベルラン・ベルノワ鉄道 (MOB) と姉妹鉄道協定を締結している[8]
「りんかんサンライン」の愛称について南海新今宮駅。1番線案内表示機に「りんかんサンライン」の文字(2015年2月撮影、現在は撤去済み)

1995年から2008年まで難波駅 - 橋本駅間には「りんかんサンライン」の愛称が付けられていた。「りんかん」は、澄んだ空気と豊かな自然とが調和するさわやかな街並みのイメージ、「サンライン」は太陽 (Sun) の明るさと暖かさ、さんさんと降り注ぐ陽光の輝きを意味している[9][10]

1994年12月14日、当時の社長川勝泰司が「田舎臭いイメージを変えたい」と発言したのがきっかけで岸里玉出駅 - 橋本駅間の名称を社内公募で選定し、1995年9月1日のダイヤ改正時から使用したいと発表[11]。社長案として「南海山手線」を提唱した[11][12]。川勝社長は会見で「名称がいま風、都会風になれば、当社の住宅分譲などにも効果がでるだろうし、利用客が増えるかもしれない。それには山手線がいい」とコメントした[11]。しかし、高野山の所在する高野町がそれに反発し、当時の町長と高野山真言宗金剛峯寺宗務総長が路線名存続の要望を出したことから路線名変更を断念して愛称を募集することとし[13]、「りんかんサンライン」に決定した。当初は難波駅 - 橋本駅間を「りんかんサンライン」、橋本駅 - 極楽橋駅間を「高野線」と路線図上では区別していたが、後に「高野線りんかんサンライン」と両名併記して案内されるようになった[14]。車内放送では、南海本線側からの乗換案内などで「高野線りんかんサンラインはお乗り換えです」と案内されていた。

なお「山手線」の名称は、南海電気鉄道の前身である南海鉄道が1940年に統合した阪和電気鉄道の路線、すなわち後に西日本旅客鉄道(JR西日本)阪和線となる路線の呼称として、戦時買収によって同線が国有化される1944年まで用いていたことがあった。

しかし、沿線住民の間では「高野線」の名称で定着しており、「りんかんサンライン」と呼ぶ人はさほど多くなかった。2008年の高野線ダイヤ変更より案内上でもほとんど「りんかんサンライン」の愛称が使われなくなり、2009年3月20日阪神なんば線の開業とともに、車内路線図から「りんかんサンライン」の表示が消去され、車内自動放送の乗換案内においても「りんかんサンライン」とは案内されなくなった。また公式ホームページにおいても現在は「りんかんサンライン」との案内はなくなっている。愛称使用終了前に印刷された駅配布の時刻表などもそのまま配布されていたが、2013年10月に行われたダイヤ改正時に発行された時刻表および駅掲出の時刻表には記載されていない。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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