座標: .mw-parser-output .geo-default,.mw-parser-output .geo-dms,.mw-parser-output .geo-dec{display:inline}.mw-parser-output .geo-nondefault,.mw-parser-output .geo-multi-punct,.mw-parser-output .geo-inline-hidden{display:none}.mw-parser-output .longitude,.mw-parser-output .latitude{white-space:nowrap}北緯9度32分37秒 東経112度53分03秒 / 北緯9.543739度 東経112.884050度 / 9.543739; 112.884050
南沙諸島海域における中華人民共和国の人工島建設(なんさしょとうかいいきにおけるちゅうかじんみんきょうわこくのじんこうとうけんせつ)では、中華人民共和国(中国)が南シナ海の南沙諸島(スプラトリー諸島)海域に存在する暗礁を埋め立てて建設している人工島について扱う。アメリカ海軍では「砂の長城(英語版)」と呼ばれている[1][2]。
南シナ海を巡る領有権問題は従来の領土問題のような領土の支配ではなく、領土の造成による領有権の主張でクローズアップされていた[3][4][5]。
2016年7月12日、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所は、いわゆる九段線に囲まれた南シナ海の地域について中華人民共和国が主張してきた歴史的権利について、「国際法上の法的根拠がなく、国際法に違反する」とする判断を下した。詳細は「南シナ海判決」を参照
仲裁裁定後もスカボロー礁がある中沙諸島や西沙諸島も含めた問題として一括して「南シナ海問題」と呼ばれている[6][7]。 2014年5月15日、フィリピン外務省が、中国がジョンソン南礁(赤瓜礁)を埋め立てているということを示す時系列の写真を公開し[8]、2014年に入ってから大量の土砂を投入しているということが判明[9][10]。同礁は2012年3月の時点では目立つものはなかったが、2013年2月の時点では建造物が確認でき、2014年3月の時点では、すっかり埋め立てられていた[8]。フィリピン外務省は、この中国の行為をフィリピンの領域内で行われているということから国際法に違反していると批判。フィリピン政府は、2014年5月にミャンマーで開かれた東南アジア諸国連合 (ASEAN) 首脳会議の場で非公式にこの行為について問題提起をし、中国に対して抗議[8]。これに対して中国は、自国領で行っていることであり、何を造ろうと中国の主権の範囲内と拒否した[8]。 2014年8月、フィリピンが、中国に対して南沙諸島問題の平和的解決を目指す「南シナ海行動宣言」に違反していると抗議[11]。埋め立てられたジョンソン南礁についてベトナムからは島ではないと指摘されており、高潮時にすべてが海面下に没する岩礁ならば国際法では埋め立てをしても領海や排他的経済水域 (EEZ) の根拠となる島とは認められない。中国は同様の工事を複数の岩礁で進めていた[12]。 2014年11月24日、ファイアリー・クロス礁(永暑礁)に滑走路などを備えた人工島を建設していることを認めたうえで、中国人民解放軍の羅援少将が「正当な行為だ」と述べてアメリカに反論し、この問題にアメリカは口出しすべきでないとした。その前週にイギリスの国際軍事専門誌『IHSジェーンズ・ディフェンス (IHS Jane's Defence)』が同礁での人工島造成の記事を掲載した[13]の受けてアメリカは、中国に埋め立ての中止を求めるとともに、関係各国に同様の行為を行わないように促していた[14]。
2014年以前の経緯