『南国太平記』(なんごくたいへいき)は、1931年(昭和6年)6月12日から10月17日まで「東京日日」「大阪毎日」に発表された直木三十五の小説(挿絵は石井鶴三)、および本作を原作とした映画作品である。幕末の薩摩藩における内紛(お由羅騒動)を題材としている[1]。小説は大ヒットし、直木の月収は1000円を超えたとされている[2]。
ビブリオグラフィ
『南国太平記』前・中、誠文堂、後、番町書房
本作を原作に生前、没後を含めて10本の映画がつくられた。直木原作の映画全体の20%を占める。最初の映画化は1931年で、松竹下加茂撮影所作品と東亜キネマ京都撮影所作品が1月10日に同日封切りされるという異常な人気を示した。同年内に5本の『南国太平記』シリーズが競作された。没後の5本を含め、全10作がすべて京都の撮影所で製作されている。
松竹下加茂撮影所 - 1931年
南国太平記 前篇 監督井上金太郎、脚本秋篠珊次郎、撮影杉山公平、主演月形龍之介、高田浩吉、堀正夫