南アフリカ国防軍
South African National Defence Force
南アフリカ国防軍の軍旗
創設1994年
派生組織リスト
南アフリカ陸軍
南アフリカ国防軍(みなみアフリカこくぼうぐん、英語: South African National Defence Force、略称:SANDF)は、南アフリカ共和国の軍隊である。 陸海空3軍と統合医療部隊で構成されている。これら4軍は統合作戦機関によって統括されるが、特殊部隊旅団は統合作戦機関から直接指令を受けて作戦を実行する。
概要
歴史「en:Military history of South Africa」も参照
1966年に南アフリカの国防大臣となったピーター・ウィレム・ボータは同年に始まる南アフリカ国境戦争を担当した際に国内の治安維持に特化していた南アフリカ防衛軍(英語版)(SADF)を国外の脅威に対処できる軍隊に作り変える必要性を認識した[1]。特にアパルトヘイトに対する国際連合の経済制裁が武器禁輸として本格化してからは、同じアフリカの白人国家でありながらも軽歩兵が中心で工業力の弱さから装甲車などが十分とは言えなかったローデシア軍と異なり、他のアフリカ諸国よりも近代的で優れた軍事力を持つことに努めた[2][3][4][5]。
ボータの首相および大統領就任以降はさらに軍備を増強し[6]、大量破壊兵器の開発にも踏み込んだ(後述)。
1975年からは南アフリカ領南西アフリカ(ナミビア)の国境紛争だけでなく、隣国のアンゴラに武力侵攻するサバンナ作戦(英語版)を開始してアンゴラ内戦にも直接介入するようになった。特に1987年から1988年にかけて南アフリカの支援するアンゴラ全面独立民族同盟(UNITA)と対立していたアンゴラ解放人民運動(MPLA)とその後ろ盾のキューバ軍と交戦したクイト・クアナヴァレの戦い(英語版)は第二次世界大戦以来のアフリカ大陸での大規模な戦闘の一つともされた[7]。
1994年のアパルトヘイト政策廃止に伴い、白人中心の南アフリカ防衛軍を再編成する形で設立された。白人黒人混成の対ゲリラ軽歩兵大隊の第32大隊はアパルトヘイト時代の行為を原因として、ネルソン・マンデラ政権によって縮小・解体された。この時にはバントゥースタンのうち「独立国」となっていたトランスカイ、ボプタツワナ、ヴェンダ、シスカイの軍隊[注釈 1]の兵員や、アフリカ民族会議、インカタ自由党、パン・アフリカニスト会議の武装勢力[注釈 2]の構成員が編入されており、現在SANDFの兵員は黒人70.6%、白人15.7%、カラード12.6%、インド系1.1%で構成されている。 南アフリカは白人政権時代、生物兵器・化学兵器・核兵器といった大量破壊兵器を保有した[8][9]。1981年に開始された生物化学兵器開発「プロジェクト・コースト」では炭疽菌、ボツリヌス菌のほか暗殺用毒物を研究し、黒人の人口増加を抑制するための不妊化ワクチンの研究も議論された。アパルトヘイト政策の放棄後、ネルソン・マンデラが大統領に就任した翌年の1995年にプロジェクトは廃止された[10]。
南アフリカの大量破壊兵器開発
南アフリカとイスラエルによる共同核実験の疑いについては「ヴェラ事件」(1979年)を参照。
南アフリカ陸軍詳細は「en:South African Army」を参照.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}アメリカ軍との共同訓練時において、仮想敵を演じる南アフリカ軍兵士 (2013年)オリファントMk.2
センチュリオン戦車の改修モデルであるオリファント戦車やBL 5.5インチ砲などイギリス軍装備の他に、ルーイカット装甲車、ラーテル歩兵戦闘車、キャスパー装甲兵員輸送車、ブッフェル装甲兵員輸送車、G6ライノ155mm自走榴弾砲など国産の機械化装備が揃っていた。近年では国連軍の一員としてコンゴや中央アフリカの紛争に参加している。
歩兵の個人装備としてはFN FALライセンスコピーのR1?R3シリーズの後継として採用されたIMI ガリルのライセンスコピーであるベクターR4?R6シリーズが中心となっているが、リボルビンググレネードランチャーであるダネルMGL、機関砲弾である20mm弾を使用する対物狙撃銃ダネル NTW-20といったユニークな装備も見られる。機関銃は当初FN MAGが使われていたが、1977年以降は国産のSS-77機関銃へと切り替わっていった。
対戦車兵器としては、紛争時の鹵獲品であったRPG-7と国産品のダネル FT5ロケットランチャー、ZT3イグウェ・ミサイルを主に使用している。