半金属
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この項目では、元素の分類としての半金属について説明しています。バンド理論における半金属については「半金属 (バンド理論)」をご覧ください。

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2Bホウ素C炭素N窒素O酸素Fフッ素
3AlアルミニウムSiケイ素PリンS硫黄Cl塩素
4GaガリウムGeゲルマニウムAsヒ素SeセレンBr臭素
5InインジウムSnスズSbアンチモンTeテルルIヨウ素
6TlタリウムPb鉛BiビスマスPoポロニウムAtアスタチン
周期表Pブロックで半金属とされる元素。パーセンテージは半金属の分類リスト文献の一覧(英語版)において半金属として扱われている割合の平均値である。.mw-parser-output .legend{page-break-inside:avoid;break-inside:avoid-column}.mw-parser-output .legend-color{display:inline-block;min-width:1.5em;height:1.5em;margin:1px 0;text-align:center;border:1px solid black;background-color:transparent;color:black}.mw-parser-output .legend-text{}  一般的 (93%)  よくある (44%)  あまりない (24%)  まれ (9%)  金属と非金属の境界線(英語版)の典型的な例。

半金属(はんきんぞく、: metalloid)とは、元素の分類において金属非金属の中間の性質を示す物質のことである。その定義は曖昧であり、決定的な定義や分類基準は存在せず、様々な方法によって分類が試みられている。

一般的にはホウ素ケイ素ゲルマニウムヒ素アンチモンテルルの6元素が半金属とされ、セレンポロニウムアスタチンの3元素がしばしば加えられる。炭素リンなどは通常半金属とはされないものの、その同素体にはグラファイトや黒リンのような半金属性を有しているものが存在する。これらの半金属元素は周期表上において、おおよそホウ素からポロニウムまでを繋ぐライン上に現れるが、その境界線の引き方にもまた多くの議論がある。

半金属に特徴的な性質としては脆性、半導体性、金属光沢、酸化物の示す両性などが挙げられ、半金属のイオン化エネルギー電気陰性度の値は一定の範囲に収まる。半金属の単体もしくはその化合物は、ガラス半導体合金の構成元素として広く利用されている。
分類

元素は通常、その一般的な化学的、物理的性質によって金属もしくは非金属に分類される。しかしながら、いくつかの元素はその中間の性質を有していたり[1]、両方の性質を併せ持ったりしているために[2]、その特性による分類が困難となる[3][4]。そのため、これらの元素はしばしば半金属として分類される。半金属を表すmetalloidの語は、ラテン語で金属を意味する metallum および、ギリシア語で形状もしくは外観が類似していることを意味するoeidesの語に由来する[5][6]。日本語では半金属の他に、准金属[7]、亜金属[8]、またはそのままメタロイド[9]とも呼ばれる。半金属は金属と非金属の間で曖昧な緩衝地帯を形成する分類基準であると説明される[注釈 1]

半金属は通常、金属および非金属と並び立つ元素の第三の分類であると考えられている[19]が、その包含する元素は、場合によっては(半金属ではなく)金属に分類されたり[20][21]、(半金属ではなく)非金属に分類されたり[22]、あるいは半金属に分類されながら、半金属という分類自体が金属・非金属いずれかのサブカテゴリであるとみなされたりする[23][24][25][26][27][注釈 2]
性質

半金属という用語には、普遍的に合意された厳格な定義は存在せず[29][30]、個々の元素の分類は「任意である」とされる[31]。しかしながら、以下に示す金属-半金属-非金属の物理的、化学的性質の表のように、金属および非金属の性質と比較することで半金属の性質が浮かび上がる[32][注釈 3]。これらは一般的な共通点を抽出しているので、いくつかの例外が存在している。
物理的性質

物理的性質性質金属半金属非金属
形状固体(室温もしくはそれに近い温度において、
ガリウム水銀セシウムフランシウムのような少数の金属は液体。)[33][34]固体[35]主に気体[36]、周期表において金属と非金属の境界線近くに位置するものは液体もしくは固体[注釈 4]
外観特徴的な光沢金属光沢)金属光沢[35]無色、赤、黄、緑、黒もしくは中間色[37][注釈 5]
同素体多くは金属性の同素体(ビスマススズは半導体性の同素体を有する)いくつかの特徴的な同素体を有し[38]、それらは金属性および非金属性の性質を有する[39]酸素硫黄は非金属性の同素体を有し、周期表において金属と非金属の境界線近くに位置する炭素リンセレンはより金属性の同素体を有する
密度アルカリ金属のようなわずかな例外を除き高い[40]周期表上において隣接した卑金属よりは低いが、非金属よりは高い[27][注釈 6]低い
弾性固体状態において弾性があり、延性および可鍛性を有する弾力がなく脆い[41]固体状態において弾力がなく脆い
電気伝導度高く良好[注釈 7]中程度に良好[44][注釈 8]中程度に悪い[注釈 9]
液体時の電気伝導度[52]固体時と同様に高く良好液状では金属と同様に高く良好[53][54]固体時と同様に中程度に悪い
熱伝導率中程度もしくは高い[55]ケイ素は高いものの、大部分は中程度[41][56]非常に低い[57]、もしくは非常に高い[58]
結晶構造高い配位数を取る密な結晶構造中程度の配位数を取る比較的疎な結晶構造であり[59]、金属の密な結晶構造とは対照的である[60]低い配位数を取る
溶解時の状態一般的に溶解すると体積が増える[61]ほとんどの金属[62]と異なり、体積が減少する[63]一般的に溶解すると体積が増える[61]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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