半熟英雄対3D
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『半熟英雄』(はんじゅくヒーロー)は、第1作が1988年スクウェア(現スクウェア・エニックス)から発売された、リアルタイムシミュレーションロールプレイングゲーム(公式ではないが、リアルタイムストラテジーにも該当する)の作品であり、またシリーズの総称である。
概要

1988年、もともとPC向けに作られていた[1] ものをファミリーコンピュータ用ソフトとして第1作が発売。家庭用ゲーム機としては初となる「リアルタイムシミュレーションRPG」とされている。本作発売以前のシミュレーションゲームはコマとなる1キャラクターの能力を示すステータスの表記が多く、それによりシステムが複雑なものとしていたが、本シリーズではそういったものを極力排除し、視覚的にわかりやすく、感覚的に遊べるゲームに仕上げられた。攻略した城の収入を元手に領土を拡大するシステムではあるが、内政に注意を払う必要は少なく、最新作の『4』では完全に廃止。基本的なシステムは最新作でもほとんど変化していないが、より戦闘に特化した内容となっている。

物語はゲームとしては非常に異色なもので、登場人物は舞台の上で芝居を演じるという形をとっている。全編がコメディタッチで描かれ、ギャグやパロディが随所にちりばめられている。

第1作では収入と支出のバランスがシビアな上、戦闘の難易度も高く、コミカルな外見によらず戦略性が要求された。また、特定のラストボスが存在せず、複数の敵勢力が登場し、大陸の統一がクリア条件という、シミュレーションゲーム色の強い内容だった。攻略するマップは選択制で、ストーリーはどれも同じ。

第2作目からは難易度が下がり、ギャグ、パロディを前面に押し出すようになる。ラストボスが設定されたのも第2作からで、ゲームのベースとなるストーリーが設けられた。

第2作発売より10年の時を置いて発売された第3作目の『半熟英雄 対 3D』では、開発陣内で「半熟ならどんなネタを盛り込んでも成立する」という空気が漂っていたため、ギャグ、パロディ、世情風刺が非常に濃厚な作品となっている。話題となったスクウェアエニックス合併劇最中の開発であることを、セルフギャグとして用いた演出も随所に仕込まれている。

第4作目『半熟英雄4 ?7人の半熟英雄?』では、合併後の同社の代表作品『ドラゴンクエストシリーズ』の「ロトの勇者」の格好をするキャラクターまで登場した。

シリーズ作品
半熟英雄

ファミリーコンピュータ 1988年
12月2日発売

Wii バーチャルコンソール 2007年10月30日配信開始

ニンテンドー3DS バーチャルコンソール 2013年10月30日配信開始

Wii U バーチャルコンソール 2014年4月9日配信開始

半熟英雄シリーズ1作目となる作品。VC版はエミュレーションで、内容はFC版と全く同じ。ダウンロード配信。
ストーリー
先代のアルマムーン王ダークフリードは不思議な「卵」の力と騎士団を駆使し、大陸を統一した英雄だった。しかし、統一の翌日に急死すると、アルマムーンに服した国々はたちまち反旗を翻した。征服した領土をあっという間に失い、後継者である若き王子(主人公)に残されたのは本拠のアルマムーン城とわずかな忠臣だけ。英雄として半熟な王子は、不思議な「卵」の使い方もまだ知らない。しかし父譲りの才能と忠臣の力を頼りに、再び大陸制覇に乗り出していった。

全3話だが、マップや登場する敵国数(最大11)が違うだけで、基本的な展開は同じ。ただし、もっとも難しい第3話をクリアするとスタッフロール付きのエンディングになる。
元祖 半熟英雄

iモード 2008年11月10日配信開始[2]

EZweb 2009年2月19日配信開始

Yahoo!ケータイ 2009年4月30日配信開始

第1作のリメイク作品。グラフィックがSFC版に準じたものとなり、インターフェースやゲームバランスが改良されている。
半熟英雄 ああ、世界よ半熟なれ…!!

スーパーファミコン 1992年12月19日発売

ワンダースワンカラー 2002年2月14日発売

半熟英雄シリーズ2作目。WSC版は「スクウェア マスターピース」シリーズの1つとして登場。一般公募で採用された12体のエッグモンスターが追加されているが、オリジナル版に存在したパロディの多くが差し替えられ、一部のきりふだ、エッグモンスターの名前が変更されている[3]

2017年10月19日にAndroid/iOS用にリメイクされ、配信された[4][5]。課金アイテムやエクストラステージ、図鑑モード及びチャレンジモード[6] の実装を行っている他、漫画家ちょぼらうにょぽみ考案エッグモンスター[7] と一般公募で採用された8体のエッグモンスターを追加。更にセガとのコラボキャラとしてドクター・エッグマン[8]カーバンクルレンタヒーローがエッグモンスターとして登場する[9]
ストーリー
前作で大陸の再統一を果たし、イリス姫と結婚した王子。しかし、剣の稽古こそ欠かさなかった王子だが、私生活は全くだらけきっていた。幼児退行して自分の名前さえ書けなくなり、寝る時は大臣に絵本を読んでもらうという有様。イリス姫は愛想を尽かして出奔し、政治の実権を握った大臣は財政赤字に苦慮していた。そんなある日、「完熟なる者」達がアルマムーン王国に戦いを挑んで来た。アルマムーン王国の卵が上か、完熟なる黒き卵が上か。まずは完熟軍の先兵、完熟クイーンに寝返った城を取り戻し、さらに完熟軍のボスを目指して戦うことになる。しかし、物語は意外な展開を見せるのだった。

全12話。面クリア制で、最初の1話をクリアすると2話、3話…と進めて行く。また、最終話に登場する中ボスとの戦いの結果によって、ラスボスの形態が2種類に分岐する[10]

登場するエッグモンスターは公募作品の採用も含め、雑誌掲載とゲーム本編で名称の変更が多くされている。
半熟英雄対3D

PlayStation 2 2003年6月26日発売 限定版あり

半熟英雄シリーズ3作目。前作までと設定が変わり、主人公の王子は11歳の少年になっている。
ストーリー
先代は恋敵のオディオを倒し、大陸に覇を唱えた英雄だった。しかし両親を早くに亡くした王子は頼りなく、これまた政治そっちのけで遊び惚けていた。ある日、女の声に助けを求められ、うたた寝をしていた王子が返事をすると、城ごと彼女の力によって異次元世界に飛ばされてしまった。アルマムーン王国は二次元世界であり、住民も二次元人である。王子達が飛ばされた先は三次元の世界。そこではカトリ王国が3D軍団に滅ぼされ、囚われの身となっていた王国の姫が助けを求め、それをたまたま聞いたのが王子だった。救出したカトリイネはとんでもないブスで、王子に一方的な愛情を注ぎ、アルマムーンの新たな悩みの種となる。だが彼女の力で連れてこられ、自力で帰ることのできない成り行き上、王子たちにカトリイネを拒むすべはなかった。

全13話。前作同様、面クリア制。ただし第1話は先代の話で、本編は第2話から。

なお、タイトルの「3D」は3作目としての「3」という意味も持ち合わせている。

作品の根底にあるテーマ(ネタ)は、ステージやボスに見られるコンピューターグラフィックスの進化と、昨今の3Dグラフィック重視の風潮への自虐と皮肉が、特に挿入曲『絶叫すべき咆哮』に込められている。このため、アルマムーン軍が終始ドット絵のキャラクターであるのに対し、ステージを進めるほど敵軍は最先端のグラフィック技術を使用したものへと変わっていく。

また、BGMの大半は初代のアレンジになっており、その中には8bitゲーム機風の音源が使われているものも多い。
半熟英雄4 ?7人の半熟英雄?

PlayStation 2
2005年5月26日発売 限定版あり

半熟英雄シリーズ4作目。

全8話+メインダンジョン。2-6話は1話で既に攻略したアルマムーンを除き、全部で6つの惑星を選択して進行する形式で、いきなり難易度の高い惑星に進行することも可能。また、途中のイベントに登場する人物もそれに合わせて変化する。

1話1面ではなく、惑星ごとに数面用意されている。全てクリアすると自動的に第7話に進み、以降は一本道。惑星ごとに用意されたダンジョンとメインダンジョンは、一度出現させればいつでも入り直しができる。
ストーリー
3D軍、四次元皇帝との戦いを終えてアルマムーン王国に帰還した王子は、嫌々ながらカトリイネと婚約させられていた。しかし婚礼の儀の当日、空から巨大な火の玉が落下し、その中には卵を使う謎の機械生命体の姿があった。どうにか撃退した王子たちだが、エッグワールドの伝説に「この広い宇宙には7人の英雄が存在するという。英雄の持つ7つのたまご呼び合うとき…すべての世に災厄訪れん…」という記述があることを知る。どうやら何者かが7人の英雄とその卵を狙っているらしい。こうして王子たちはまだ見ぬ英雄に出会うため、アルマムーン王国の存在する惑星アルマムーンから宇宙へ飛び出すことになるのだった。
外伝

本編と違いジャンルはRPGである。
エッグモンスターHERO

ニンテンドーDS 2005年3月24日発売


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