半熟忍法帳
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半熟忍法帳
漫画:半熟忍法帳
作者
新山たかし
出版社エニックス
掲載誌月刊少年ギャグ王
レーベルギャグ王コミックス
発表号1994年 5月号 - 1999年 4月号
巻数9巻
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『半熟忍法帳』(はんじゅくにんぽうちょう)は、月刊少年ギャグ王エニックス刊)に1994年から1999年まで連載されていた、新山たかしによる忍術ギャグ漫画。単行本は全9巻。ギャグ王の創刊から休刊まで休まず連載し続けた唯一の作品である。2020年5月7日よりマンガ図書館Zにて電子書籍として公開されている。
概要

「火車忍群」という忍者の集団の小隊の一つである「若葉組」に属する半人前の忍者4人を中心に、毎回修行や任務で騒動を繰り広げるコメディ。時代設定は戦国時代だが、時代考証を無視した描写に基づくギャグも散見された。スキークリスマスバレンタイン・プロレス技など、当然戦国時代の日本には存在しないものも描かれている。お色気も特徴的であり、直接的な性描写こそなされていないものの、女性キャラがハプニングや男性キャラのセクハラによって半裸もしくは全裸になる描写も多数あった。各回のタイトルは、「火之巻」「水之巻」というように、漢字1文字に「?之巻」をつけるというスタイルであった(1度だけ漢字2文字の「異形之巻」という話もあった)。
雑誌休刊のため、連載を終了。9巻は3話目が雑誌版の最終回にあたる。残りの4話は連載の続きが描き下ろされており、連載時に描ききれなかったエピソード(月影の正体、各カップル達のその後、鉄面皮党との戦いなど)が補完された。外伝扱いの最終話(エピローグ)「完熟忍法帳」は前話ラストから3年後の設定で、若葉組の面々も(容姿は)大きく成長して描写された。
登場する人物及び組織
火車忍群若葉組

半人前忍者の4人(男女各2名)と小頭1人によって構成される忍者集団。半人前の4人は元々火車の里の者ではなく、10年前の戦乱で親を亡くしたところを拾われて育てられた。火車忍群自体は侍など特定の主を持たないいわゆるフリーランスで、様々な城の依頼に対して、忍者を派遣する人材派遣業をしている。

メンバーは好色なお調子者・雷太、お転婆な怪力少女くの一・深雪、常識人なしっかり者・疾風、真面目な一方で色事にも積極的な天然少女・かすみの4人(各メンバーの詳細は後述)。当初4人の年齢は満16歳という設定であったが、作者が「16歳にしては子供っぽい」と判断し、「数えで16歳(実年齢は14?15歳)」という設定に直された。

基本的には「雷太と深雪」、「疾風とかすみ」の掛け合いが多く、いずれも両想いの関係にある。しかし、「雷太と深雪」は両者がやや意地っ張りで素直になれないため(また雷太が事あるごとに女性キャラに目移りしたりセクハラをしたりして、深雪の制裁が下るため)、ケンカのシーンが圧倒的に多く、明確な恋愛描写は少ない。対照的に「疾風とかすみ」は自分たちの仲の良さを特に隠したり否定する様子も無く、周囲公認の仲と見られる。

小頭のスパルタ教育の賜物か実力はかなり高いが、4人(特に雷太)の大ボケや悪ふざけが顕著でそのイメージが先行されて描写される。バブル崩壊以降の不景気が原因で依頼の量が減っており、若手の若葉組にくる任務は賞金稼ぎや、アルバイトによる小金稼ぎなどが多い。
雷太(らいた)
若葉組その1。数え年で16歳。お調子者な性格。女好き・巨乳好き・下ネタ好きであり、常習的に女性キャラにセクハラを行い、その度に深雪から鉄拳などによる制裁を喰らう。そのせいかほぼ不死身と言える生命力を持っていて、ギャグ場面で致死的な暴行制裁を受けても数ページもしくは数コマ進行すると復活する。4人の中で一番毒に耐性がある。また4人の中では比較的学習能力に長けていて、一度小頭の忍術の手本や技術(亀甲縛り・早着替え術など)を見ただけで、その技術を短期間でマスターし応用までしてみせるなど、非凡な才能を発揮。しばしば深雪を「貧乳」「肥満」としてからかっているが、本心では深雪の事を大切に思っており、河へ落ちた時も助けるために躊躇いもせず飛び込んだり、銃で撃たれそうになると前に出てかばったりする。男装した風が深雪の自宅に泊まりたがったときには本気で怒り、自身が深雪にしばしばやられるような制裁を喰らわせた。得意技は微塵隠れの術と上述した縄縛り。しかし、前者に関してはしばしば火薬の量を多くし過ぎたり隠密行動の時に無意味に爆発を起こしたりして事態を悪化させる。また、弥助に指摘されるとおり、本来の「自爆したように見せかけ敵の目を欺く」という用途では一切使われず、主に攻撃として用いられる。一方、最終巻では深雪に投げられ、敵前で爆発した(自身が爆弾になった)後に地面に隠れるテクニックを見せた。また、上述の通り、女性の服を脱がせたり早着替えさせたりするのも得意としている(無論、その後深雪から鉄拳制裁を喰らう)。家の中は決して整理されているとはいえず、おかゆを作っただけで手を包帯だらけにしており、家事はあまり得意ではないらしい(それでも幼少期に料理分担を外されたのは深雪だけだったことを考えると、深雪よりは上手らしい)。それほど興味の無いことに関してはその器用さは発揮されない様子。武器は忍者刀。登場人物の中で唯一、身長・体重に関する記述がなされ、本人曰く「五尺四寸・十三貫」で、これは大体「163.6cm 49kg」となる。単行本最終巻のエピローグでは、深雪の身長を大きく上回り、彫りの深い面立ちになった。
深雪(みゆき)
若葉組その2。勝ち気でややわがままな一面があるが、ストレートで裏表が無い性分であり、忍という生業の特性を無視し「真正面から攻めて堂々と奪う」のがポリシー。その反面、純情で一途、年頃の少女らしい繊細さも持ち合わせており、七夕お雛様といったロマンチックな行事や美しい人形も好む。また、かすみほど明確な描写はないが意外と勘が鋭く、桔梗を沙霧と同一人物だと見抜いたのも彼女である。しなやかな身体を持つ一方、貧乳であることを気にしており、そのことについてしばしば雷太にからかわれている。また、雷太には肥満呼ばわりされることもしばしばだが、描写の上ではかすみよりスレンダーである。一方で、雷太には好意を寄せ、雷太が落ち込んでいる時にはしっかり支える場面もある。炊事洗濯などは壊滅的に下手で、作り方のわからないチョコレートを作ろうとして大爆発を起こしてしまったこともある。生来から4人のなかで一番の力持ちであり、中身入りの酒樽20個抱えても、「かなり重い」程度で済んでしまう。大岩や崖なども、軽く殴るだけで砕いてしまう。戦闘でも主に力押しになる場面が多い。それほどの腕力をもっていながら、なぜか小刀を武器としている(もっとも小刀を使うのはだいたいザコとの戦闘時で、強敵と戦うときは素手であることが多い)。また、自身が無傷で過ごす為に雷太を盾に利用する強引かつ狡猾な一面も持つ。作中で彼女の代名詞となっている鉄拳などによる暴行制裁は、雷太のみならず、かすみや紅影団のくの一にも下すことがある(但しその場合、同性ということもあってか、雷太程激しいものではなく、たんこぶ程度に留めるのが大半)。身長は雷太とそれほど差がないことから、160cm前後と考えられる。単行本最終巻のエピローグでは、年齢相応のプロポーションに成長した。
疾風(はやて)
若葉組その3。4人の中で一番の常識人で折り目正しい性格。しかしそれが故に、他の3人をはじめとする個性的なキャラたちに埋没してしまいがちで、目立たないことが多く影が薄い。また、西と言われて北に向かうほどの方向音痴が欠点。かすみとは相思相愛。描写は少ないが、雷太がかすみにセクハラをした(未遂を含む)際は深雪と一緒に(単独で行う場合もあり)制裁を下す。女性(特にかすみ)の裸体やお色気話に弱く、ハプニングによって全裸になったかすみを目の当たりにしたり、卑猥な想像をしたりする度に多量の鼻血を出す(連載初期は雷太も同様の傾向があった)。実力は4人の中では一番バランスが取れており、我慢大会に出場した際は1位が取れた種目こそなかったものの常に2位・3位に順位をつけて総合優勝し、優等生ぶりを見せた。忍者としての実力・常識的な性格・大人びたクールな容姿にも関わらず、影が薄いせいか得な役回りになることはほぼ皆無である(本人も多少気にしている様子)。4人の中では最も長身で、雷太と比較すると170cm前後と考えられる。武器は忍者刀。単行本最終巻のエピローグでかすみと結婚した。
かすみ
若葉組その4。4人の中では比較的おっとりしていて、マイペースで天然。だが、怒らせる(キレる)と一番怖い。色事に関しては、序盤では恥じらいながらも興味をそそられているという程度の描写であったが、次第にその関心が強くなっていき、小頭の春画本をくすねていたり、それを読んで「勉強」していたり、大頭が家宝にしていた禁制の春画絵の写しをこっそりとっていたりと、雷太以上に注力するようになり、連載中期以降には性的に過激な言動が多くなり、その度に深雪や沙霧に鉄拳制裁を受けたり雷太や疾風を困惑させたりする。疾風とは相思相愛だが、疾風以外にも雷太・深雪との絡みが多く、4人の中で最もやりとりが豊富なキャラクターでもある。「はりきってお弁当作っちゃうからね」という台詞があり、バレンタインチョコレートを率先して作ろうとする行動もあり、料理が得意らしい。お互いを呼び捨てで呼び合う若葉組の面々の中で、彼女の深雪に対する呼び掛けのみ「深雪ちゃん」と呼び捨て以外を用いる。忍術に関してはなかなかの実力を持っており、『変わり身の術』や不完全ながら『霧隠れの術』を作中で使って見せた。また勘が鋭く、気配を消していた沙霧の気配に唯一気付いたこともあり、最終話では小頭・沙霧の危機を胸騒ぎで感じている。作中でハプニング的に全裸になることが特に多い。連載中期から胸が豊満になり、作者によれば、5年後には背はあまり成長しないが、胸や尻は沙霧並に成長する設定とのこと。隼丸の飼い主でもある。武器は鞭と手裏剣(千本)。4人の中では最も小柄で、身長150cm前後と考えられる。単行本最終巻のエピローグでは疾風との結婚式を挙げており、ウェディングドレス姿を披露した。
弥助(やすけ)
若葉組小頭。4人の教育係。若干スパルタ。名前で呼ばれることは非常に稀で、4人には「小頭様」と呼ばれている。忍者としての腕はかなりのもので作中ではほとんど負け無し。老け顔だが、数え年で25歳。厳つい容貌ゆえに女性には縁が無い。好みのタイプはおしとやかで家庭的でありながらナイスバディの女性(いわゆる「ケバい女」は嫌っている)で、そのタイプに完全に一致する桔梗に強い好意を寄せているが、「ケバい女」に該当する沙霧にも少し惹かれている。4人に示しをつけるためか極力ストイックにしているが、本質は色事・に目がなく、自宅の整理整頓もしないずぼらな生活を送っている。趣味は春画本集めで、春画本の女性の顔を桔梗の顔にすげ替えている。最終巻において、弥助への想いに気付いた沙霧から(彼が理想の女性としていた)桔梗に変装した姿で求婚された際にようやく、自分のなかの沙霧への想いに気付き、その求婚を断る。その場で正体を明らかにした沙霧から全ての事実を知らされた後に結ばれた。単行本最終巻のエピローグでは2人の子の父親となり、沙霧が第三子を身ごもっている。
その他火車忍群
月影(つきかげ)
若葉組の4人がピンチの時に陰ながら助けてくれる、謎の覆面忍者。顔の下半分は覆面で隠しているが、女性キャラによるとかなりの美男子らしい。4人が危機に陥るのは主に任務中の話だが、連載が進むにつれ任務よりも里での修行・非番(プライベート)時の話が増えていったため、必然的に出番が減少していった。4人は気付いていないが、実は10年前に孤児だった彼らを拾って火車の里に連れて行った本人で、それ以来4人を影から見守っている。火車の里に何箇所も隠れ家を持っている。メインキャラクターで物語の重要人物でありながら出番が少ないことを悩んでおり、連載後期ではその旨を嘆いている様子がしばしば描かれるようになる。その正体は最終巻において、弥助と同一人物であった事が明かされる。10年前に若葉組の4人を拾った際、彼らを厳しく育てるために強面の変装をして別人になりすまし、立場上「小頭」として4人を助けられない時だけ仮の名「月影」として姿を現すようになった(弥助の方が本名)。つまり月影の時の男前の顔の方が素顔なのだが、地の性格は変装している時の色事・
に目がないずぼらなものであり、本来の顔に戻るとついカッコつけてしまい戻るに戻れないとの事。また、長年顔を隠していたため赤面症になってしまった。


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