千里眼シリーズ
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ポータル 文学

『千里眼シリーズ』(せんりがんシリーズ)は、日本小説家松岡圭祐1999年6月に小学館より刊行し、ベストセラーとなった『千里眼』より始まる、一連の「千里眼」[1]作品群のことである。
概要

今シリーズは臨床心理士で元航空自衛官岬美由紀を主人公としたミステリー・エンターテインメント作品となっており、今までに累計600万部以上を売り上げる人気を誇っている[2]。著作が文庫化したり、版を重ねたものには加筆・修正をし、読者を飽きさせないものになっている。松岡は自身のホームページにて、「なるべく新しい版のものを読んでください」と述べている。

小学館文庫版は12作でいったん完結。これをクラシックシリーズとして角川文庫で再発売する際、初期作には内容に大きく手を加え「完全版」と銘打ち、さらに一部作品は新作と入れ替えて刷新した。角川文庫の新シリーズは、このクラシックシリーズの続編。

「催眠」シリーズの嵯峨敏也や、「蒼い瞳とニュアージュ」シリーズの一ノ瀬恵梨香が登場する作品もあり、他シリーズと登場人物がリンクしている。

2000年には麻生学監督、水野美紀主演で映画化された。10周年記念である2009年春には、著者監督の下撮影された映像版「千里眼キネシクス・アイ」が完成(タイトルについては後述)。元々は映像化検討用に制作されたパイロット版で非公開の予定だったが、期間限定商品として本とDVDがセットで販売された。さらに映像版はCGカットをリニューアルし東映ビデオで2009年10月9日にレンタルリリース。

2009年の「キネシクス・アイ」小説版では更なる続編への伏線が張られ、しばらくシリーズの刊行が中断していたものの、2021年4月『千里眼の復活』で再開。刊行は再び角川文庫。その続編の『千里眼 ノン=クオリアの終焉』告知以降、令和千里眼シリーズとされるようになった。
ストーリー
自衛官 編
防衛大学校を首席卒業し、幹部候補生学校を経て航空自衛隊に入隊した岬美由紀は、女性自衛官として初のF-15Jパイロット、イーグルドライバーとなる。階級は二等空尉。所属先は百里基地第204飛行隊。しかし美由紀は、両親を事故で亡くした事もあって、事実上軍隊であるところの自衛隊に属している事に自己嫌悪を覚える。楚樫呂島災害の際に命令を無視して、救助ヘリUH-60Jで被災地に向かった事から上層部の反発に遭い、さらに小松基地に出向し北朝鮮の不審船を追尾するための戦術航空支援任務でも命令を無視し被害者を救おうとしたため、査問会議にかけられる。幕僚監部は、反抗心はあっても優秀な幹部自衛官である美由紀を辞めさせる事を好まず、代わりに上官の板村三等空佐の精神面の問題を指摘し、精神科医笹島雄介の証言を得て、板村を失職させて決着を図ろうとした。美由紀はこれに憤り、自らも自衛隊を辞めた上で、精神科医の証言に誤りがあると認めさせるために心理学のエキスパートへの道を志す。選んだ資格は臨床心理士だった。その理由は、医師を目指すには時間がかかりすぎる事、そして防衛大を首席卒業している美由紀には、指定大学院制度の例外として特例が認められると聞いたからだった。
心理学生 編
美由紀は楚樫呂島災害で、女医の友里佐知子と知り合いになっていた。友里は東京晴海医科大付属病院院長で脳外科医でもあり、臨床心理士でもあった。相談者の悩みを一瞬で見抜くとされる彼女の慧眼は、千里眼の渾名でマスコミに持て囃されている。美由紀は友里の紹介で、臨床心理士事務局の舎利弗浩輔に師事し、具体的な臨床心理学、カウンセリングの技法、表情観察法を学ぶ事になる。舎利弗のオタクぶりに最初は戸惑った美由紀だったが、そのうちに打ち解け、記憶力と分析力の高さも相俟ってメキメキと頭角を現す。そんな美由紀に異変が訪れる。表情観察法を学ぶうち、意識せずとも人の顔を見た瞬間に、相手の考えていることが判るようになってしまったのだ。同じく臨床心理士を目指す朝比奈宏美からは薄気味悪がられる一方、保険の勧誘をしているマンションの隣人には、訪問販売の手伝いを頼まれる始末。ほとほと嫌気がさしていたある日、テレビでビルの屋上から飛び降り自殺を図ろうとしている男を目撃、その表情から真意を見抜いた美由紀は現場に直行して男を説得、結果として命を救う。またしても周囲の制止をきかず暴走した美由紀は、これで臨床心理士資格も水泡に帰したと諦めるが、舎利佛が持参したのは美由紀が資格を取得したことを証明するIDカードだった。
臨床心理士 編
こうして晴れて臨床心理士になった美由紀は精神科医笹島のもとを訪れ、板村三佐への評価に過ちがあったことを証明し、彼の復職を申し入れるが、却下されてしまう。現在では誤りであることは明白であっても、査問会議の時点での医学的見地は正しかったというのが笹島の主張だった。美由紀は失望しつつも友里のもとに戻り、東京晴海医科大付属病院で臨床心理士として勤務を始める。折りしも社会不安が増大し、相談者の数は増える一方だった。恒星天球教なる謎のカルト教団が日本全国各地で、爆破テロを連続させていることも遠因だった。治安・経済は混乱し、カオスが世を支配し、人々は路頭に迷いつつある。そんなある日、友里および美由紀に日本政府から呼び出しがかかる。横須賀在日米軍基地に停泊する艦船の内部に何者かが侵入、都心に向けてミサイル発射を画策しているというのだ。美由紀は友里と共に横須賀に向かう……。

ストーリー詳細
登場人物
主人公と仲間たち
岬 美由紀(みさき みゆき)
「千里眼」シリーズの主人公。防衛大学校首席卒業の後、航空自衛隊二等空尉パイロットであったが、不祥事を元に臨床心理士カウンセラー)となる。戦闘機乗りだったために動体視力が高く、人の僅かな表情の変化から人心を読み取る。恩師であった友里佐知子の影響から“千里眼”などとマスコミによって呼ばれる(本人は気に入っていない)。また、多数の言語に堪能で武術も得意とする。また、ミドリの猿では、メフィスト・コンサルティング・グループ日本支社(ペンデュラム)を壊滅に追い込む。「美由紀の正体」にて友里の施しが破綻したが、「シンガポール・フライヤー」終盤にて自分を取り戻し、「優しい悪魔」序盤では完全快復している。また、その結果として、今まで読み取ることのできなかった感情までも読み取ることができるようになった。多趣味で博学。心理学ならびに古巣の自衛隊に関する知識(組織体系、兵器類)のほか、スポーツ、車、オートバイ、民族音楽などにも詳しい。
蒲生 誠(がもう まこと)
警視庁捜査一課の警部補。岬美由紀の友人。和也という息子がいる。
伊吹 直哉(いぶき なおや)
百里基地のF-15主力戦闘機部隊の一号機パイロット。階級は一尉。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:40 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef