千島
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「千島」はこの項目へ転送されています。日本海軍の通報艦については「千島 (通報艦)」を、その他の用法については「千島 (曖昧さ回避)」をご覧ください。
千島列島の位置 千島列島(英名) 根室カムチャツカ半島の間の島々(日英名)

千島列島(ちしまれっとう、(: Кури?льские острова?、: Kuril Islands)は、北海道本島の東、根室海峡からカムチャツカ半島の南、千島海峡までの間に連なる列島。日露和親条約樺太・千島交換条約などの条約でいうクリル列島は、得撫島以北占守島までを指し、得撫島、幌筵島占守島などの島々で構成される。こうした経緯から、今日、択捉島国後島色丹島および歯舞群島を千島列島に属さない北海道の属島とし、北方四島北方領土)と呼ぶ[1]国後島択捉島、まで含めた場合の総面積10,355.61 km2

北海道からカムチャツカ半島までの間に連なる島々は、本来、占守島から新知島まではチュプカ諸島と呼ばれた千島アイヌの領域、武魯頓島以南は道東アイヌの領域となっており、得撫島において両アイヌの沈黙交易が行われていた。この地域は大変長大で地域差が大きいことから、特に歴史については、本項でも便宜上、千島アイヌの領域と道東アイヌの領域に区分し述べることとする。

千島アイヌの領域 - 占守郡(占守島から牟知列岩まで)、新知郡(雷公計島から新知島まで)

道東アイヌの領域 - 得撫郡、北方四島に含まれる択捉島、国後島

と区分して記述することとする。目次

1 地理

2 生態系

2.1 海の生物

2.2 陸の生物


3 歴史

3.1 第二次世界大戦まで

3.2 太平洋戦争戦中と終戦後

3.3 現在


4 領土問題

5 住民

6 構成する島の一覧

6.1 千島アイヌの領域

6.1.1 占守郡

6.1.2 新知郡


6.2 道東アイヌの領域

6.2.1 得撫郡


6.3 択捉島以南

6.3.1 歯舞群島を構成する島



7 脚注

7.1 注釈

7.2 出典


8 関連項目

9 外部リンク

地理 千島列島の島々の夏の典型的な風景 温禰古丹島の黒岩山と幽仙湖カルデラ 幌筵島の火山・千島硫黄山(エベコ山)の火口 千島列島には活発な火山が多い

千島列島は環太平洋火山帯の一部をなす火山列島であり、今でも多くの島が活発に火山活動を起こしている。これらの島々は北アメリカプレートの下に太平洋プレートがもぐりこんだ結果生じた成層火山の頂上にあたる。2006年(平成18年)3月分のNEWTONには詳細な図が書かれており、成層火山の頂上が北海道本島にぶつかったものが現在の知床半島とされる。

プレートのもぐりこみにより、列島の200km東方沖に千島海溝ができている。地震も頻繁に起こり、2006年(平成18年)11月15日、シムシル島東方沖でマグニチュード7.9の地震が発生した。また、2007年(平成19年)1月13日にも、シムシル島東方沖でマグニチュード8.2の地震が発生した。

千島列島の気候は厳しく、風が強く非常に寒い冬が長く続く。夏は短く、がしばしば発生し、山には雪が残ることがある。年平均降水量は760mmから1000mmと多めで、ほとんどは雪である。

温帯亜寒帯にまたがる列島内では植生も異なり、北部ではツンドラ様の植生が、南部では深い針葉樹の森が見られる。境目は択捉島と得撫島の間で、宮部金吾が唱えた分布境界線(宮部線)となる。

列島内の最高峰は最北端の島、阿頼度島阿頼度山(親子場山、または阿頼度富士、ロシア名アライト山)で海抜は 2,339m。列島南部の国後島東端にある爺爺岳も 1,822mの高さをもつ。

島々の風景は、砂浜、岩の多い海岸、断崖絶壁、流れの速い渓谷と下流では広くなる川、森林と草原、山頂部の荒野やツンドラ、泥炭地、カルデラ湖などが形成されており、手付かずの自然が残る島が多い。土壌は一般的に肥沃で、火山灰などが周期的に流入することや、海岸部での鳥の糞の堆積などによるものである。しかし険しく不安定な斜面は頻繁に土砂崩れを起こし、新たな火山活動によって裸地が広がっている。
生態系
海の生物

この節には独自研究が含まれているおそれがあります。問題箇所を検証出典を追加して、記事の改善にご協力ください。議論はノートを参照してください。(2010年1月)
千島列島最北の秀峰・阿頼度島の阿頼度富士(親子場山)

太平洋の大陸棚の縁に位置する海底地形、および海流の影響(オホーツク海内部で、アムール川の運ぶ養分を含んだオホーツク環流と、カムチャツカ半島東岸を流れて千島列島北部から入り込んだ養分豊かな親潮が合流し、これがさらに千島列島から流れ出し親潮と再合流する)により、列島周囲の海水は北太平洋でも最も魚の繁殖に適している。このため、動植物などあらゆる種の海洋生物からなる豊かな生態系が千島列島付近に存在できる。

千島列島の島のほとんどの沖合いは巨大な昆布の森に取り囲まれ、イカなど軟体生物やそれを捕食する魚、それを狙う海鳥など多くの生き物の暮らしの舞台になっている。

さらに沖合いにはマスタラカレイ、その他商業的価値の高い魚が多く泳いでいる。明治前後から日本の漁民の活動の場となってきたが、1980年代まではイワシが夏には山のように獲れていた。その後イワシは激減し、1993年を最後に水揚げされておらず、千島列島の漁村に打撃を与えている。またサケ類が千島列島の大きな島々で産卵し、周囲で捕獲される。

魚を求める哺乳類の巨大な生息地もある。アシカトドオットセイがいくつかの小島に集まり、オホーツク海周辺でも最大の生息地となっている。これらの哺乳類はかつてアイヌ人などの捕獲の対象となり、その肉は食料に、皮や骨はさまざまなものの原料(毛皮の服など)になってきた。千島列島への民族集団の広がりも、これらの生物を追っての移住だった可能性もある。19世紀から20世紀はじめにかけ、オットセイは毛皮採取のために乱獲され、例えば雷公計島に19世紀に1万頭いたオットセイは19世紀末には絶滅した。これと対照的に、アシカやトドは商業的狩猟の対象とならず1960年代以来これらの狩猟の報告はない。 かつて千島列島でも見ることのできたニホンアシカは、魚を捕食することから害獣として駆除された結果20世紀はじめにはほとんど見られなくなり絶滅したとみられている。クジラ類も多く、特にイシイルカシャチアカボウクジラツチクジラマッコウクジラミンククジラナガスクジラなどが多く観測されている。


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