十進記数法
[Wikipedia|▼Menu]

「10進数」はこの項目へ転送されています。有理数を含む10進数については「p進数」をご覧ください。

十進法(じっしんほう、: decimal system)とは、10(てい)とし、底およびそのを基準にして数を表す方法である。
目次

1 記数法

1.1 名称

1.2 累乗数の換算表

1.3 他のN進数との互換


2 命数法

2.1 数詞

2.2 単位系


3 長短

4 参考文献

5 関連項目

記数法

十進記数法とは、 を底とする位取り記数法である。現在[いつ?]、数の表記に広く使われている文字体系は、0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9 からなる 10 個のアラビア数字を用いる十進記数法である。右端あるいは小数点で 1 の桁を表す。数字の意味する数は、左に 1 桁ずれると 10倍になり、右に 1 桁ずれると 1/10 になる。「14」という表記において、左の「1」は十を表し、右の「4」は四を表し、合わせて十四を表す。十進記数法で表された数を十進数と呼ぶ。別の位取り記数法と区別する場合には、(15)10 というように十進表記は括弧および下付の 10 で区別する。

この他、算木も十進記数法であるが、現在は用いられていない。しかし、算木から変化した蘇州号碼は現在も香港などで僅に使われている。

そろばんは十進法と同じ仕組みだが、文字として表記することはない。十進法のうち、五倍→二倍→五倍→二倍…の循環で繰り上げる方法は、正確には「二・五進法」という。

ローマ数字漢数字ヒエログリフエジプト数字)などは、十を「10」ではなく新しい文字として表現するが、十進法を基本にしている。
名称

十進記数法は単に「十進法」と呼ばれることもあるが、これを「10 進法」と書くのは混乱を招く。同じく、十二進法を「12進法」と書いたり、六十進法を「60進法」と書くのも混乱を招く。これは、10 が十を意味するのは十進記数法だからであり、例えば二進法ならば 10 はを意味する(10は二進法以外でも「イチゼロ」と読む)し、十二進法ならば 12 は十四になってしまい、5の次が10(六進法)ならが 10 で十は 14 になる。同じく、60 が六十を意味するのも十進法だからであり、十二進法だと 60 は七十二になり、二十進法だと 60 は百二十になってしまう。

漢数字にはそのような曖昧さはない。英語でも同様に base-10 より decimal 、base-60 より sexagesimal が好まれる。しかし、base-ten や base-sixty と表記することは、「10進法」や「60進法」と表記することよりは混乱は避けられるだろう。
累乗数の換算表

この節には独自研究が含まれているおそれがあります。問題箇所を検証出典を追加して、記事の改善にご協力ください。議論はノートを参照してください。(2019年2月)

以下の表に、十の累乗数を、他のN進法に換算した数値を掲載する。万や億との対比を判り易くするため、桁は四つごとに区切る。桁の底は、それぞれ倍(六進数)、二の倍(十進数)、の三倍(十二進数)、四の五倍(二十進数)である。

他の累乗数との接近では、以下のパターンがある。桁上がりの遅速は、三乗?四乗では十二進数より一倍半から二倍ほど速く、四乗への繰り上がりは六進数より八倍遅い{10368(10) = 120000(6)}。十万(十の五乗)や一億(十の八乗)は他の複素因数進法とかなり離れており、百万に最も近い十の累乗数は六の八乗となり、三百万前後で冪数が来る十二進数(十二の六乗)や二十進数(二十の五乗)のほぼ1/3である。素因数が同じ二十の累乗数よりは、同じ単偶数である六の累乗数との接近が多く、最も小さい所では十の三乗と六の四乗が近く、最も接近する値が一千万前後で十の七乗と六の九乗となる{10077696(10) = 1000000000(6)}。
四乗(一万)まで


十の二乗・十二の二乗・六の三乗{ 144(10)=100(12), 216(10)=1000(6) }

十の三乗・六の四乗・十二の三乗{ 1296(10)=10000(6), 1728(12)=1000(12) }

六の五乗・二十の三乗・十の四乗・十二の四乗{ 7776(10)=100000(6), 8000(10)=1000(20), 20736(10)=10000(12) }

五乗(十万)前後


六進数:1000000(6) = 46656(10)

二十進数:10000(20) = 160000(10)

十二進数:100000(12) = 248832(10)

六乗(百万)前後


六進数:100000000(6) = 1679616(10)

十二進数:1000000(12) = 2985984(10)

二十進数:100000(20) = 3200000(10)

七乗(一千万)前後


六進数:1000000000(6) = 10077696(10)

八乗(一億)前後


二十進数:1000000(20) = 64000000(10)

十二進数:100000000(12) = 429981696(10)

十の累乗数の換算指数六進数十進数十二進数二十進数
11410AA
22441008450
3434410006B42A0
411 41441 000059541500
5205 054410 00004 9A54CA00
63323 3344100 000040 28546 5000
75 5420 01441000 0000342 305432 A000
8135 3120 25441 0000 0000295A 64541B5 0000
92431 2124 534410 0000 00002 3AA9 3854FCA 0000
104 3321 4241 2144100 0000 00001B 30B9 10547G50 0000
11113 5345 2301 45441000 0000 0000174 6996 A4543 I2A0 0000
122043 2210 1030 13441 0000 0000 00001419 81B8 78541J 1500 0000

他のN進数との互換

他のN進数から十進数に変換する場合は、「十進数→他のN進数」の場合と同じく、整数はそのまま十進数に変換し、小数部分は十の累乗数を他のN進数に換算した値を掛けると求められる。
六進数→十進数

(例)六進数 122.3224(十進冪指数で 216 ÷ 64)

整数:122(6) = 50(10)

小数の分母:10000(6) → 114144(6)(十進換算値:1296 → 10000)

3224 × 11.4144 = 42143.0024 → 42143(6)

42143(6) = 5679(10)

以上から、122.3224(6) ≒ 50.5679(10) となる。
二十進数→十進数

(例)二十進数 2B.62(長さ、質量、倍率など)

整数:2B(20) = 51(10)

小数の分母:100(20) → 2A0(20)(十進換算値:400 → 1000)

62 × 2.A0 = F5.00 → F5(20)

F5(20) = 305(10)

以上から、2B.62(20) = 51.305(10) となる。
命数法

十進命数法とは、を底とする命数法である。
数詞

現在、世界の言語の数詞は十進命数法が圧倒的であり、北京官話英語スペイン語ポルトガル語ロシア語日本語ドイツ語など、話者数の多い言語の大半で使われている。古語ではラテン語も同様である。古語大言語で十進命数法でないのは、二十進法を遺すフランス語などに限られる。

十進命数法は、ヒトの十本の手に由来する。数詞が例外なく各桁の数と位から構成される完全な十進命数法は、呉語を除く中国語に見られる。ベトナム語の数詞もほぼ例外がない。朝鮮語、日本語、タイ語の数詞は中国語から輸入したものである。なお、春秋戦国時代までの中国語では、各桁の間に「と」を意味する「又」や「有」を挿入した。論語では十五を「十有五」と書かれている[1]

その他の言語では、十の倍数が一語で表されたり、十一から十九までの数が一語で表されたり、十一から十九までが「十にRを加えた」語で表されたりする例が多い。例えば、英語では、十一は *ten-one ではなく eleven であり、二十は *two-ten ではなく twenty である。また、十の倍数についても、日本語の「みそ」(三十)や漢数詞の「四十」やラテン語の「sexaginta」(六十) というように、「掛ける十」を意味する接尾辞を付けている数詞が多い。

五本指の手が二本あるので、十の他に五も基準にして、「十の累乗数」と「十の累乗数の五倍」で桁を繰り上げる方法がある。これを二五進法と呼ぶ。このような数詞を持つ言語は少なく、ウォロフ語[2]クメール語[3]などがある。一方、十を二個の五に分ける言語は存在しない。

不規則な数詞は子供の数の能力に悪影響があるという報告がある[4]

以下に漢語、日本語(大和言葉)、ウォロフ語、英語、ラテン語の数詞を示す。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:22 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef