医薬品
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伝統的な医薬品である生薬。写真は紅花粉状の医薬品を入れたカプセルアンプルに入った液状の医薬品医薬品の例。錠剤。写真はリタリン20 mg錠。ブリスターパックされた医薬品の錠剤

医薬品(いやくひん、: medication)は、ヒト動物疾病診断治療予防する薬品である。飲用する内服薬、塗布する外用薬注射する注射剤などがあり、剤形に詳述がある。医師らが診察に基づいて処方して薬剤師調剤する処方箋医薬品と、薬局薬店が販売する一般用医薬品がある。医薬品は臨床試験で有効性を実証したのちに先発医薬品(新薬、ピカ新)として承認される。新薬発売から20年経過後、後発医薬品(ジェネリック医薬品、ゾロ薬)も販売される。個々の代表的な医薬品については「医薬品一覧」を参照
医薬品の定義と分類
日本
医薬品医療機器等法による定義

日本の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)第2条は次のように定義する[1]
日本薬局方に収められている物

または動物疾病の診断、治療または予防に使用されることが目的とされている物であって、機械器具、歯科材料、医療用品および衛生用品でないもの(医薬部外品を除く。)

人または動物の身体の構造または機能に影響を及ぼすことが目的とされている物であって機械器具、歯科材料、医療用品および衛生用品でないもの(医薬部外品および化粧品を除く。)

日本薬局方(局方)に収載された医薬品を日本薬局方医薬品と称する。第一部医薬品、第二部医薬品に大別される。局方はおよそ5年に一回大改定するが、その間2年に一回程度追補版を発行して収載品目を見直す。最新版は2011年3月24日に第十六改正日本薬局方が公表された。局方は使用方法、効果、作用機序などが明確な品目を収載するが、米国薬局方 (en:United States Pharmacopeia, USP) などに比して収載品目数や記載内容で現状に過不足が生じ、収載品目を増補している。

国内で医薬品として譲渡を含め流通させるためには、厚生労働大臣による製造販売承認が必要である。承認のないもので医薬品、医薬部外品、化粧品もしくは医療機器に該当しないものは「効能」「効果」をうたうことはできない。保健機能食品で許された範囲内で標榜する場合を除き、医薬品としての効能効果をうたう製品は「未承認医薬品」として処罰対象となる。
医薬品の分類

日本の医薬品は次のように分類される。動物用医薬品を除く。

医療用医薬品 -
医師等によって使用されまたはこれらの者の処方箋もしくは指示によって使用されることを目的として処方される医薬品。対面販売が必須[2]。2000年9月に販売名の命名方法が統一され、既存製品の販売名も代替新規申請扱いで変更された[3]。2015年に日本国内の医薬品生産額の約88%を占めていた[4]

処方箋医薬品販売に処方箋を要する医薬品。

処方箋医薬品以外の医療用医薬品処方箋医薬品同様、処方箋に基づく薬剤の交付を原則としているが、2005年の通達で条件を満たせば処方箋がなくても処方箋医薬品以外の医療用医薬品の購入が可能となった[5]。薬局は一般向けの零売を自粛しているため、処方箋なしの販売はいわゆる零売薬局のみの扱いになる。

薬局製造販売医薬品 - 承認許可を得て薬局の調剤室で製造が認められる製剤で、2014年6月12日の改正でインターネット販売が原則として解禁された[2]


OTC医薬品大衆薬や市販薬を指し、購入時に処方箋不要の医薬品である[6]。2015年に日本国内の医薬品生産額の約12%を占めた[4]

要指導医薬品
2014年6月12日の改正で新設された区分で、リスク分類で「副作用等により日常生活に支障をきたす程度の健康被害が生ずるおそれがある医薬品のうち、その使用に関して特に注意が必要で、新しく市販された成分等を含むもの」と定義される医薬品[2]で、薬剤師の対面販売が義務[2]である。

一般用医薬品処方箋不要で購入可能な医薬品。インターネットで2014年以降購入可能となった[7]。一般用医薬品はリスクが高い順で、第一類・第二類・第三類の3種に分類されている[8]

第一類医薬品 リスクが高く、薬剤師による販売と、販売時に利用者へ書面の交付が義務[9]である。

第二類医薬品 リスクがやや高く、登録販売者も販売が可能で、販売時に利用者へ書面の交付は努力義務[9]である。

第三類医薬品 リスクが比較的低く、登録販売者も販売が可能で、販売時に利用者へ書面の交付は不要[9]である。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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