北磁極
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C1が北磁極、C2が南磁極。Aは地軸でA1が北極、A2が南極。Bは地磁気の軸で、B1が地磁気北極、B2が地磁気南極。

北磁極(ほくじきょく、: North Magnetic Pole)とは、天体の北半球の地表面で、磁力線の方向が鉛直になっている地点である。磁北極(じほっきょく)ともいう。以下、特に断らない限り、地球の北磁極について述べる。
概要

2001年に行われたカナダ地質調査部(英語版)の測量によると、北磁極はカナダ北方のエルズミーア島付近、.mw-parser-output .geo-default,.mw-parser-output .geo-dms,.mw-parser-output .geo-dec{display:inline}.mw-parser-output .geo-nondefault,.mw-parser-output .geo-multi-punct,.mw-parser-output .geo-inline-hidden{display:none}.mw-parser-output .longitude,.mw-parser-output .latitude{white-space:nowrap}北緯81度18分 西経110度48分 / 北緯81.3度 西経110.8度 / 81.3; -110.8 (Magnetic North Pole 2001)にある。2005年時点では北緯82度42分 西経114度24分 / 北緯82.7度 西経114.4度 / 82.7; -114.4 (Magnetic North Pole 2005 est)と見積もられている。南半球には北磁極と対となる南磁極がある。地球の磁場は正確に南北対称ではないため、北磁極と南磁極は対蹠地ではない(磁極同士を直線でつないでも、その直線は地球の中心を通らない)。地磁気による磁力線は一般には水平成分を持つが、磁極においては磁力線が鉛直に落ちて(dip)いることから、英語では磁極をMagnetic Dip Polesとも呼ぶ。北磁極は時とともにじわじわと移動する。この項では、地磁気北極についても述べる。
歴史オラウス・マグヌス(Olaus Magnus)によるカルタ・マリナ1539年)の一部。現在のムルマンスク沖に「Insula Magnetu[m]」(ラテン語で「磁石の島」の意味)と信じられてきた磁極の位置が描かれている。ルーン文字の書かれた準尺を手にする男は、スカンディナヴィア人の英雄スタールカーズ。

昔のヨーロッパの船乗りは、コンパスの針はどこか北の遥か彼方にあるmagnetic mountain(磁力の山)またはmagnetic island(磁力の島)を指すと信じていた[1][2]。イギリスのウィリアム・ギルバートは、1600年に出した著書で、地球は巨大な磁石であるという考えを世界で初めて示した。また、彼は北磁極を「磁力線の方向が鉛直になっている地点」と定義した最初の人物である。この定義は、地球の磁場の性質が正しく理解されるよりも数百年前のものだが、現在使われている定義である[1]

1831年6月1日、北磁極を目指す最初の探検はジェイムズ・クラーク・ロス率いる探検隊によるもので、彼らは、ブーシア半島 のアデレード岬を北磁極とした。1903年ロアール・アムンセンは少し違うところを北磁極とした。その後は、カナダ地質調査部が2001年までに6回北磁極の位置を測量している[3]

2007年5月2日[4]BBCテレビ番組Top Gear」の特番「Top Gear Polar Special」(北極スペシャル。7月25日放送)の企画で、番組の司会者であるジェレミー・クラークソンジェームズ・メイが史上初めて市販車(トヨタ・ハイラックス改造車)による北磁極への到達に成功した。
北磁極の移動桃色の丸は1831年から2001年までの北磁極の実際の移動。青色の丸は1600年から2000年までの移動を模している。

カナダ地質調査部によると、北磁極は継続的に北西へ動いている。1996年の調査で、磁気計とセオドライトを用いて測定された位置は北緯78度35.7分 西経104度11.9分 / 北緯78.5950度 西経104.1983度 / 78.5950; -104.1983 (Magnetic North Pole 1996)[5]2005年時点、北磁極はカナダのエルズミーア島の西方、北緯82度42分 西経114度24分 / 北緯82.7度 西経114.4度 / 82.7; -114.4 (Magnetic North Pole 2005 est)にあると予想されている[6]。北磁極は20世紀中に 1100 km移動した。その動きは加速しており、1970年には年間 9 kmだったのに対し、2001年から2003年までの平均速度は年間 41 kmであった(en:Polar driftも参照)。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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