北硫黄島
東から。左の高峰が榊ヶ峰、中心を清水峰と呼ぶ。
所在地 日本
所在海域太平洋
所属諸島小笠原諸島・火山列島(硫黄列島)
座標.mw-parser-output .geo-default,.mw-parser-output .geo-dms,.mw-parser-output .geo-dec{display:inline}.mw-parser-output .geo-nondefault,.mw-parser-output .geo-multi-punct{display:none}.mw-parser-output .longitude,.mw-parser-output .latitude{white-space:nowrap}北緯25度26分0秒 東経141度16分55秒 / 北緯25.43333度 東経141.28194度 / 25.43333; 141.28194
北硫黄島(きたいおうとう)とは、小笠原諸島の火山列島の一部をなし、後述する噴火浅根を火山体とした頂上部分が海上に出た火山島である。東京都小笠原村に属するが現在は無人。欧名はサン・アレキサンドロ島。
概要 北硫黄島周辺の空中写真(1978年撮影の6枚より合成作成)。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。
東京の約1,170km南[1]、父島の南南西207kmに位置し、火山列島の最北端の島。東西約 2.1km、南北約 3.3km、標高792mの榊ヶ峰(さかきがみね[2])を有する。島の山峰は南側にある榊ヶ峰と北側にある清水峰(標高665m)に二分されている[1]。明治期から太平洋戦争まで、主に母島からの移住者が集落をつくり生活していたが、戦時中の強制疎開で無人島になった[1]。
島はほとんどが断崖で[1]、有人島時代は傾斜地のわずかな平面に集落が存在したが、例外的に榊ヶ峰の標高700m付近にに三万坪と呼ばれる広大な平坦面があり、有人時代には放牧場とされていた[3]。また、島周辺は常に波が高く、船の接岸は容易でない。島の周辺には「丸根」「丸根南小島」が存在する[注釈 1]。
2009年7月22日皆既日食の観測が島近海の船上から行われ、日本放送協会(NHK)が中継放送した。
絶滅の恐れがあるとされ特殊鳥類に指定されている希少なシマハヤブサの生息地であったが、環境省のレッドリストによると既に絶滅との判断がなされている[4]。小笠原自然文化研究所によると人間が移入させてしまった外来ネズミ(クマネズミ)による海鳥営巣地の壊滅が原因とのこと[5]。
北西から。 北硫黄島は海底から聳える海底火山体の一部を成すが、島の西側に直径8×12km程度の埋没したカルデラらしき地形があり[6]、島はカルデラ形成以前より存在した山体の可能性がある。また、このカルデラの西側に水深100?160mの平坦面が形成されており、これは最終氷期の島棚と考えられている[7][8]。山体は侵食が著しく[8]。山頂付近に火口は残っていない[7]。島での噴火の記録はない[7]。 北硫黄島を載せる海底火山は噴火浅根とよばれ、カルデラ壁や側火山がいくつかの峰を成す。カルデラ中心は北ノ岬の西方約5kmに位置する中央火口丘で最浅部で-14mの標高がある。北硫黄島に現在火山活動は確認されていないが、噴火浅根は有史に記録が残る活火山[注釈 2]に分類されている[9][10][11]。 玄武岩質の成層火山で、山体の体積は3,338km3と富士山のおよそ6倍に及び、裾野の面積はおよそ2倍に拡がる。
地形・地質
噴火浅根