北方領土問題(ほっぽうりょうどもんだい、露: Проблема принадлежности южных Курильских островов , 英: Northern Territories dispute, South Chishima Islands dispute)は、日本国とロシア連邦との間の領土問題である。
北海道の根室半島と千島列島の得撫島との間にある択捉島、国後島、色丹島、そして歯舞群島をあわせた4つの島が、いわゆる北方領土(または北方四島)と呼ばれる。また、これらの島々が千島列島(クリル諸島)に含まれると考える立場からは、南千島(または、南クリル諸島)という語が同義語として用いられる。本記事では単に「4島」とも記す。
2022年時点、4島をロシア連邦が実効支配しており[2]、ロシア政府は「4島はロシアの領土である」と主張している[3]。一方、日本国政府は「4島は日本の領土であり、日本に返還されるべき」と主張している[4]。.mw-parser-output .toclimit-2 .toclevel-1 ul,.mw-parser-output .toclimit-3 .toclevel-2 ul,.mw-parser-output .toclimit-4 .toclevel-3 ul,.mw-parser-output .toclimit-5 .toclevel-4 ul,.mw-parser-output .toclimit-6 .toclevel-5 ul,.mw-parser-output .toclimit-7 .toclevel-6 ul{display:none} 4島(択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島)は、日本の北海道本島の根室半島や野付半島から東の沖合いへ位置する。 視点を変えると、4島はロシアのカムチャツカ半島の南西にある千島列島(クリル列島)の得撫(ウルップ)島から西の沖合いに位置する。 北海道本島から4島への距離は、最も近い島で約3.7 km、最も遠い島で144.4 kmである。また得撫島からは最短で約40 km、最長で約370 kmである。 面積は合計で約5000 km2で、愛知県や福岡県の面積とほぼ等しい[5][6]。 住民として、近代以前までは主にアイヌなどの先住民が居住していた。1855年(安政2年)から1945年(昭和20年)までは日本国民が住み、1945年には約1万7300人が居住していた。以降は主にスラヴ系のロシア国民が住み、現在は約1万8000人が居住している[5]。 詳細は下記記事を参照のこと。詳細は「北方地域#地理」を参照「千島列島#地理」も参照「千島列島#生態系」も参照 4島は現在ロシア連邦政府が実効支配しており、日本国政府がその返還を求めているが、両国は異なる見解を示している。 日本政府は、「4島(北方四島)は日本固有の領土であり、ロシアが不法占拠している」と主張している[4]。 ロシア政府は、「4島(南クリル諸島)はロシアの領土であり、日本が不当な領有権の主張を行っている」と主張している[7]。 詳細は後述する。 中世以前、北海道やその北に伸びる樺太(サハリン)、東に連なる千島列島(クリル列島)には、日本人(和人)やロシア人よりも古くからアイヌなどの先住民が居住していた[8][9]。 近世以降、それらの地域と近接する日本とロシアは競って進出を行い、領土を拡張してきた[10](詳細は関係史節を参照)[* 1]。 1855年(安政2年)、日本(江戸幕府)とロシア(ロシア帝国)は日露和親条約を結び、択捉島と得撫島の間を国境線とした。この条約により、択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島が日本領と規定された[11]。 また、1875年(明治8年)には日本(大日本帝国)とロシア帝国とが樺太千島交換条約を結び、日本は「千島列島」の全域を領有した[11]。 1941年(昭和16年)12月以降、大日本帝国は第二次世界大戦において連合国諸国と戦争を行っていた。 連合国にはロシア帝国の領土を継承したソビエト連邦(ソ連)も含まれていたが、日本とソ連とはすでに1941年4月に日ソ中立条約を結んでいた[11][12]ため、交戦状態にはなかった。
概要北海道と南クリルの衛星写真(北方地域)国際宇宙ステーションから見た歯舞群島、色丹島、国後島、択捉島、得撫島国後島。知床半島の中央部の知床峠から、約40キロメートル東に位置する国後島を望む。2009年10月撮影
地理
両国の主張
関係史(概略)両国の実効支配領域の変遷
1875年:樺太・千島交換条約
1905年:ポーツマス条約
1945年:第二次世界大戦の終結千島列島における国境線の変遷(1945年は旧ソ連の実効支配線)
日本の領有以前
日本の敗戦
日ソ中立条約
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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