北島マヤ
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この項目では、漫画の登場人物について説明しています。実在の女優については「北島マヤ (女優)」をご覧ください。

北島マヤ(きたじま まや)は美内すずえ漫画ガラスの仮面』に登場する主人公。千の仮面を持つと言われる天才女優。

作者の美内によると、マヤという主人公の名前は早くから決めていたが、主人公にふさわしい名字がなかなか決まらず思案していた時、傍にあったラジオからたまたま北島三郎演歌が流れてきたことがきっかけで、主人公の名字は「北島」に決まったという。
経歴
生い立ち・性格

横浜中華街にあるラーメン屋の住み込み店員である母親のもとで過ごしてきた。父親はいない(故人)。幼少期からテレビドラマが好きである。

背が低く(演出家・黒沼龍三との初対面の時点では156cm)、格別美人でもなく、勉強もできず、不器用な自分に劣等感はあるものの、感受性が強くて優しく、朗らかで素直な性格。表層的には「どこにでもいる平凡な少女」であるが、演劇に対しては常軌を逸した執着とも言える情熱を見せる。

演技の資質は類を見ない天才であり、役になりきるためにはどんな苦労もいとわず、一度舞台に立てば役柄と完全に同一化する「憑依型」女優。型破りな演技は見る者に新鮮な印象を与え、強いインパクトを残す。またテレビや映画などで一度見た演技を完璧に記憶し、台詞を一字一句間違えずに暗誦でき、その動きもある程度ならば再現できる。身体能力を必要とする演技は苦手だが、それは貧しい家庭環境で育ったために基礎訓練や指導を受ける機会に恵まれなかっただけで、決して才能がないわけではなく、プロから本式の訓練を受ければ短時間で完璧なリズム感を身に付けることも可能である。

月影千草から姫川亜弓とともに「紅天女」候補に認定されている。
劇団つきかげへ

往年の大女優である月影千草にその才能を見出され、母親の反対を押し切り、家出して月影のもとで女優への道を歩む。劇団の仲間と友情を育み、師匠の元で演技を磨いていく。決して慢心することなく、演技を磨くためにひたむきに努力する。初めての発表会「若草物語」では、ベス役に抜擢され、高熱(40℃)を押して出演した。

その後、全日本演劇コンクールの東京地区予選で亜弓と「たけくらべ」の美登里役を競演、同率1位を得る。その後の全国大会では、劇団オンディーヌの小野寺理事にそそのかされた仲間二人の裏切りによって追いつめられるが、一人舞台をこなし、審査対象からは外されたものの、一般投票では1位を獲得したが、その強烈な存在感は時に共演者の演技を霞めることもあり、かつて月影と芸を競った名女優・原田菊子をして「舞台あらし」と呼ばしめ、畏怖させた。

経済的な理由から高校への進学は諦めていたが、紫のバラの人による支援で、演劇活動で有名な一ツ星学園高等部へ進学する。
大都芸能へ?芸能界追放

行方不明になった母親を往来で見かけた動揺から演技に集中できなかった失態の責を問われ、月影から劇団からの破門を言い渡される。そして「奇跡の人」のヘレン・ケラー役のオーディションを受けることを決意、見事亜弓とのダブルキャストとなった。そして自分のヘレンを演じ切り、アカデミー賞演劇部門の助演女優賞を獲得。受賞席の場で、亜弓とともに「紅天女」の正式な候補として発表される。

大河ドラマへの出演が決まった後は、正式に大都芸能に入る。様々な嫌がらせを乗り越えながら、里美茂と恋に落ちたり、熊本から上京してきた乙部のりえを付き人に迎えたりする。

この頃、母親は病気のためラーメン屋を解雇され、真澄の思惑により療養所に軟禁されていた。しかし母の訃報が耳に届き、のりえの策略で前述の事実を知らされるとショックで仕事を放棄し、暴走族と夜を明かす。まもなくこのスキャンダルが報道され、大河ドラマに相応しくないとして役を降ろされ、映画出演やCM契約なども破棄され、全ての実績をのりえに奪われる形で事実上芸能界を追放された。
芸能界復帰

演劇に対する情熱を失っていくマヤを立ち直らせるため真澄は無理矢理にでも舞台に立たせようと奔走するが、いずれも舞台の途中で台詞に詰まるなどの失態を犯した。[注釈 1]

大都芸能との契約を解除する条件として、亜弓主演の舞台に端役として出演する。この舞台で、劇中で食べるまんじゅうを泥まんじゅうにすりかえられるという嫌がらせを他の出演者から受けたことをきっかけに、演技への本能と情熱を取り戻し、真澄と亜弓に演劇の世界から逃げないことを誓うのだった。大都芸能を離れれば後ろ盾がなくなると言い出す真澄に対して契約破棄を申し出て受け入れられ、劇団つきかげの仲間の元に送り届けられた。

しかし月影による破門は解除されず劇団つきかげへの復帰が不可能となり、学校の演劇部からも校則を理由に入部を断られたため、演技する場を無くしてしまう。めげることなく学校の学園祭で一人芝居をしようと決意し、学校の仲間の助けを借りて一人芝居「女海賊ビアンカ」は成功を博し、2作目の上演も決定。演劇部からも定期公演への客演を依頼されるなど、徐々に活動の場を広げていく。

同じ頃、亜弓も一人芝居「ジュリエット」を上演していた。演劇への情熱は取り戻したものの、真澄に連れられ「ジュリエット」を観劇し、亜弓との演技力の差を痛感させられる。亜弓は「ジュリエット」でアカデミー芸術大賞を受賞し、「紅天女」の後継者として月影から指名される。しかし、マヤにも「2年以内にアカデミー芸術大賞もしくは同等の賞である全日本演劇協会最優秀演技賞を受賞すれば「紅天女」候補とする」最後のチャンスが与えられるのだった。

その後、月影に劇団つきかげへの復帰を許可され、劇団つきかげ+一角獣が行った屋外公演「真夏の夜の夢」で圧倒的な観客動員を獲得するが、つきかげ+一角獣が大都芸能のバックアップを受けることになり、かつて大都芸能をクビになった経験からその計画から外され再び孤立。しかしこれは、亜弓と月影が共演する舞台「ふたりの王女」に目を向けさせるための真澄の策略だった。「ふたりの王女」の舞台裏では共演者の一人が突然降板したため、急遽開催された代役オーディションを受ける。「千の仮面を持つ少女」の異名に相応しい演技力で他の受験者を圧倒。見事、王女アルディス役に抜擢される。
紅天女候補へ

アルディス役を好演した後、『ハムレット』のオフィーリア役など様々な芝居のオファーが来るが、その中で黒沼龍三から『忘れられた荒野』の主人公(狼少女・ジェーン役)のオファーを受け、それを演じる。黒沼は演劇に熱が入るあまり会社との間でトラブルを起こす気難しい人物で、上演場所も廃屋じみた劇場、おまけに同じ会社の別の芝居『イサドラ!』にスチュワート(ジェーンの家庭教師)役の桜小路優が危うく引き抜かれそうになるなど、彼女にとって逆境の連続だったが、それでも自身による山籠り特訓での成果や、真澄の裏から表からのアシストにより「紅天女」候補復帰への条件である全日本演劇協会最優秀演技賞を受賞し、「紅天女」候補に復帰する。それと同時に真澄=「紫のバラの人」という真実を知る。

「紅天女」の故郷である梅の里で亜弓とともに、月影から与えられる四大元素を基にした厳しい課題をこなしていく。その過程で亜弓がマヤの才能に嫉妬していたことを知り驚くも、キャットファイトに至るまでの激しい本音のぶつけ合いを経て良きライバル同士として改めて認め合い、正々堂々と競い合うことを誓う。そして、あれほど憎んでいたはずの真澄に対して抑えきれないほどの恋愛感情が芽生えていることに気づく。
主な出演作品
舞台

国一番の花嫁……ビビ役国中の女性から3人選び、後に王子となる人と結婚するシンデレラストーリー。愚かな道化女役。第27回青葉中学創立記念祭劇。

若草物語……ベス役

たけくらべ……美登利役

ジーナと5つの青いつぼ……ジーナ役少女・ジーナが父の留守中に青いつぼを預かったために起こる騒動をミステリー風に描く。セットを壊される、他の出演者が全員出演できなくなるという妨害にあいながらも、独り芝居として成功を収める。


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