化合物
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.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}純水(H2O)は化合物の一例である。この分子の球棒モデルは、2個の水素(白)と1個の酸素(赤)の空間的な配置を示す。

化合物(かごうぶつ、: chemical compound)とは、さまざまな化学元素原子化学結合によって結合した分子(または分子実体(英語版))が、多数集まって構成された化学物質である。したがって、1種類の元素の原子だけで構成された分子は化合物とは見なされない。化合物は、他の物質との相互作用を伴う化学反応によって、別の物質に変化することがある。この過程で、原子間の結合が切れたり、新たな結合が形成されることがある。

化合物は主に4種類あり、構成する原子がどのように結合しているかによって区別される。分子性化合物共有結合で、イオン性化合物(英語版)はイオン結合で、金属間化合物金属結合で、配位化合物配位共有結合で結合する。ただし非化学量論的化合物は例外的で、議論の余地がある境界事例となっている。

化学式とは、化合物分子に含まれる各元素の原子を標準的な元素記号で、下付きの原子数とともに指定する記述方法である。多くの化合物には Chemical Abstracts Service(CAS)によって固有のCAS登録番号が割り当てられている。世界中で、350,000以上の化合物(化学物質の混合物を含む)が製造や使用のために登録されている[1]
化合物の定義

2種類以上の原子化学元素)が一定の化学量論的な比率で結合した物質を化合物(chemical compound)と呼ぶ。この概念は、純物質(純粋な化学物質)を考えると最も理解しやすい[2]:15[3][4]。化合物には、2種類以上の原子が一定の比率で含まれるため、化学反応によってより原子数の少ない化合物や物質に変換することができる[5]化学式とは、ある化合物を構成する原子の比率に関する情報を表わす方法で、化学元素を表す化学記号と、原子数を表す添字を使用する。たとえば、は2個の水素原子と1個の酸素原子が結合した化合物で、化学式は H2O である。非化学量論的化合物の場合、その割合は調合に関して再現性があり、構成元素の定比率を得ることができるが、その割合は整数比ではない(たとえば、水素化パラジウム(英語版)の化学式は PdHx (0.02 < x < 0.58))[6]

化合物は、固有の定義された化学構造を持ち、化学結合によって定義された空間的配置のもとで一緒に保持されている。化合物の種類には、共有結合で結合した分子化合物、イオン結合で結合した金属結合で結合した金属間化合物、または配位共有結合で結合した一部の化学錯体がある[7]。純粋な化学元素は、しばしば複数の原子からなる分子を構成しているが(例: 二原子分子 H2 や多原子分子 S8 など)、二原子以上の要件を満たさないため一般に化合物とはみなされない[7]。多くの化合物は、Chemical Abstracts Service(CAS)によって固有の数値識別子、すなわちCAS登録番号が割り当てられている。

真に非化学量論的な物質と、一定の比率を要する化合物とを区別する命名法はさまざまで、ときには一貫しないこともある。多くの固体化学物質(たとえば多くのケイ酸塩鉱物)は、化学物質ではありながら、元素の化学結合を一定の比率で反映する単純な式を持たず、このような結晶性物質は、しばしば非化学量論的化合物(あるいは不定比化合物)と呼ばれる。このような非化学量論的物質は、地球の地殻マントルの大部分を形成しているが、その組成の多様性は、既知の「真の化合物」の結晶構造内に外来元素が混入していたり、既知の化合物の構造中に構成元素の過不足が起こって構造が乱れることが多いことから、化合物というよりは化合物に類似しているものという主張もある。また、化学的に同一と考えられる化合物でも、構成元素の重同位体や軽同位体の量が異なり、元素の質量比がわずかに変化することがある。

化合物を、有機化合物無機化合物のいずれかに分類することもあるが、その境界は不明瞭である[8]。基本的には炭素化合物はすべて有機化合物とされるが、炭素の酸化物はその例外として無機化合物とされる[9]
種類
分子詳細は「分子」を参照

分子(molecule)とは、2つ以上の原子が化学結合で結合した、電気的に中性な集合である[10][11][12]。分子は、酸素分子(O2)のように1つの化学元素の原子からなる等核分子と、(H2O、2つの水素原子と1つの酸素原子)のように2つ以上の元素からなる異核分子に分けられる。分子とは、物質のすべての物理的および化学的特性を備えた最小の単位である[13]
イオン性化合物詳細は「イオン性化合物(英語版)」を参照

イオン性化合物(ionic compound)とは、イオン結合と呼ばれる静電気力によって結合したイオンからなる化合物である。この化合物は全体として中性であるが、陽イオンと呼ばれる正に帯電したイオンと陰イオンと呼ばれる負に帯電したイオンで構成されている。これらには、塩化ナトリウム中のナトリウム(Na+)や塩化物(Cl?)のような単原子イオンもあれば、炭酸アンモニウム中のアンモニウム(NH+
4)と炭酸イオン(CO2?
3)のような多原子種もある。イオン性化合物内の個々のイオンは通常、複数の最近接イオンを持つため分子の一部とはみなされず、連続した三次元ネットワーク(通常は結晶構造)の一部とみなされる。

塩基性イオンである水酸化物(OH?)や酸化物(O2?)を含むイオン性化合物は、塩基に分類される。これらのイオンを含まないイオン性化合物は塩(または塩類)とも呼ばれ、酸塩基反応によって生成することができる。また、イオン性化合物は、溶媒蒸発沈殿凍結、固相反応(英語版)、または反応性金属(英語版)とハロゲンガスなどの反応性非金属との電子移動反応により、その構成イオンから生成することもある。イオン性化合物は一般に融点と沸点が高く、硬く脆(もろ)い。これらは固体ではほとんど絶縁体だが、融解または溶解するとイオンが移動するため導電性(英語版)を持つようになる。
金属間化合物詳細は「金属間化合物」を参照

金属間化合物(intermetallic compound)とは、2種類以上の金属元素の間で秩序のある固体の化合物を形成する金属合金の一種である。金属間化合物は一般に硬くて脆く、高温での機械的性質が優れている[14][15][16]


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