包茎手術
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包茎手術(ほうけいしゅじゅつ)とは、包茎(ほうけい)の男性の陰茎包皮を切除または切開し、亀頭を露出させる手術

(成人女性の陰核(クリトリス)の包皮を切開する場合もある(割礼とは異なる)。)
概要「包茎」、「陰茎包皮」、および「割礼」も参照

成人型男性器(男性器の成長のTannerの第5段階)の先端部である亀頭部は、平常時に陰茎包皮より露出しているかどうかは個人差があるものの、亀頭包皮と亀頭の癒着、または包皮輪の狭窄のために勃起時においてもこれが露出しない場合は、包茎と呼ばれる一種の症状として扱われる[1]。衛生上問題がある場合や、痛みにより性行為が不能である場合においては本手術がなされる場合がある。

また、日本においては平常時は包皮に隠れているものの、勃起時には問題なく亀頭が露出する場合を俗に「仮性包茎」と呼ぶが、大方に置いて手術の必要はない。だが、審美的な問題など本人が希望し、美容整形としての手術をする場合がある。本稿においても以下、この場合を「仮性包茎」と称して説明を続けるが、単に「包茎」とした場合にはこの状況は含めないものとする。

なお、21世紀初頭現在においても、地球上の一部の宗教民俗において(先進国ではアメリカが著しい)、乳幼児期に必ずしも医学的、科学的でない何らかの事情により包茎手術が行われる場合があり、これを割礼と呼ぶ。割礼は必ずしも包茎手術に類するものに限らず、女児に対し行われる場合もあるため、詳しくは当該項目を参照。
様々な包茎
後天性包茎

包茎の原因は、半粘膜状の包皮内板と亀頭部の癒着が原因となっている場合と、包茎輪の径が小さく、勃起時にこれが反転し亀頭が露出することが叶わない場合がある。前者は後天性包茎ともされ、軽度なものであれば、洗浄や器具での剥離、軟膏による潤滑、サルファ剤など局所ステロイド剤塗布によって包皮を反転させることが可能となる場合がある。原因としては炎症、性病、恥垢のたまりすぎなどが考えられ、直接的な因果関係は明らかではないが、様々な付随症状の可能性が指摘されている[2]
仮性包茎と手術性器を含んだ画像があります。
表示する場合は右側の「表示」をクリック
(モバイル版の場合はタップして表示)。勃起時も包茎の陰茎。性交や自慰が苦痛なく行える場合は手術の必要は無い

亀頭が露出するだけの包皮輪径のある仮性包茎の場合、多くは手術は不要である。また、日本においては仮性包茎者本人がコンプレックス(コンプレックス産業も参照)や諸問題(性行為や陰毛の巻き込みなど)からの解放を求める場合など手術する場合がある。 その他炎症や恥垢の著しい場合は尿路感染症、陰茎がんなどが懸念されるため、医師の診察のもと手術が行われる場合もある。

背面切開術は切除ではなく文字通り切開術であり、包皮輪を切り拡げるとも言える。尿道口より亀頭背面への有溝消息子(ゾンデ)を挿入、もしくは鉗子による牽引などの後、メスまたは鋏で亀頭背面の包皮をまっすぐ縦に切開し、左右に切り開く形を取る。その後、左右各々の包皮の内板と外板を縫合する、比較的程度の低い包茎に適用される術式である。ただし近年この術式は、包皮の変形を起こしやすいとして敬遠されつつある[3]
小児と包茎「 包茎#包皮翻転指導」も参照

幼児期に陰茎が真性包茎状態であることは非常にありふれており、成長に従って亀頭の露出が可能になる場合が多く、具体的には今村らの報告 (1997, 日本)によれば乳児で88.5%であった包茎が、3歳時には35.0%にまで低下。Chaoの報告 (2009, 中国)では12か月時点で99.7%であった包茎が、11 - 18歳では6.81%に減少している。従って、早急な治療が行われることはない[1]。ただし、排尿困難や炎症などの症状が見られた場合や、嵌頓包茎が戻らなくなってしまった場合などには、手術による根治が必要である。なお、北米では1999年に至っても60%程度の男児が新生児期に包茎手術的行為の対象とされているが、米国小児学会もこれについては推奨していない[1]

また、局所ステロイド剤塗布療法が包皮を薄くし包皮の反転に寄与することが明らかになりつつあり、五十嵐 (2011)で紹介されている各種報告では、低くとも65%、高いものでは95%の有効率が示されている。さらに、手術には合併症はつきものである上に、陰茎に異常のある患者についてあまりに早く余剰の包皮を切除してしまうと、のちに包皮を利用した整復等が行いにくくなってしまうため、特に乳幼児についてはその他の異常についても十分な鑑別の上で手術の是非を判断することが望ましい[1]
術式

手術は局所麻酔下で行われ、大きく背面切開術(dorsal incision, slit)と、環状切除術(circumcision)に分けられる。


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