勝義諦（しょうぎたい）とは、仏教において、言葉を超え、世俗・世間の判断を超えた究極的な最高の真理のこと[1]。仏教の目ざす悟り、すなわち涅槃を指す[1]。勝義（巴: paramattha）、真諦ともいう[1]。世俗諦の語とともに用いられる仏教用語であり、世俗諦と合わせて二諦とされる以外は、解釈にさまざまな説がある[2]。
勝義諦の語は部派仏教時代の阿含経には現れないが、部派の論蔵（毘曇部
）では世俗諦の語とともにすで見られる[3]。上座部仏教においては、主に「世界」を構成する不変・恒常の「法」（ダルマ）のことを指し[4][出典無効]、それ以外についての世俗的な概念（施設（せせつ）・仮設（けせつ）・仮名（けみょう））群と対比される[5]。
林隆嗣によれば、上座部においては二諦を説くが、説一切有部の『大毘婆沙論』に比べて、二諦説に基づく論説は深化しなかったという[6][要ページ番号]。 Tattha vutt?bhidhammatth? catudh? paramatthato, citta? cetasika? r?pa?, nibb?na? iti sabbath?. 参考概念として、アビダンマッタ・サンガハなどの記述に依り、以下の計170法を、「性質（＝自性）が変わることが無い法」としての「勝義法」（第一義法、巴: paramattha dhamma, パラマッタ・ダンマ）として挙げる[7]。
アビダンマッタ・サンガハの勝義.mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0}
ここに言われるアビダンマの義は、勝義としては、全部で心（Citta）と心所（cetasika?）と色（r?pa）と涅槃の四種である。—アビダンマッタ・サンガハ, 第1章
心（しん、巴: Citta, チッタ）（89）
欲界心（よくかいしん、巴: k?m?vacara citta, カーマーヴァチャラ・チッタ）（54）
欲界浄心（よくかいじょうしん、巴: k?m?vacara sobhana citta, カーマーヴァチャラ・ソーバナ・チッタ）（24） - 無貪、無瞋、無痴などの因を含む心
大善心（だいぜんしん、巴: mah? kusala citta, マハークサラ・チッタ）（8）
大異熟心（だいいじゅくしん、巴: mah? vip?ka citta, マハーヴィパーカ・チッタ）（8）
大唯作心（だいゆいさしん、巴: mah? kiriya citta, マハーキリヤ・チッタ）（8）
欲界不浄心（よくかいふじょうしん、巴: k?m?vacara asobhana citta, カーマーヴァチャラ・アソーバナ・チッタ）（30） - 「欲界浄心」以外の心
不善心（ふぜんしん、巴: akusala citta, アクサラ・チッタ）（12） - 貪、瞋、痴などの因を含む心
貪根心（とんこんしん、巴: lobha m?la citta, ローバ・ムーラチッタ）（8）
瞋根心（しんこんしん、巴: dosa m?la citta, ドーサ・ムーラチッタ）（2）
痴根心（ちこんしん、巴: moha m?la citta, モーハ・ムーラチッタ）（2）
無因心（むいんしん、巴: ahetuka citta, アヘートゥカ・チッタ）（18） - 無貪、無瞋、無痴、貪、瞋、痴などの因を含まない心
不善異熟心（ふぜんいじゅくしん、巴: akusala vip?ka citta, アクサラ・ヴィパーカ・チッタ）（7）
無因善異熟心（むいんぜんいじゅんくしん、巴: ahetuka kusala vip?ka citta, アヘートゥカ・クサラ・ヴィパーカ・チッタ）（8）
無因唯作心（むいんゆいさしん、巴: ahetuka kiriya vip?ka citta, アヘートゥカ・キリヤ・ヴィパーカ・チッタ）（3）
色界心（しきかいしん、巴: r?p?vacara citta, ルーパーヴァチャラ・チッタ）（15）
色界善心（しきかいぜんしん、巴: r?p?vacara kusala citta, ルーパーヴァチャラ・クサラ・チッタ）（5）
色界異熟心（しきかいいじゅくしん、巴: r?p?vacara vip?ka citta, ルーパーヴァチャラ・ヴィパーカ・チッタ）（5）
色界唯作心（しきかいゆいさしん、巴: r?p?vacara kiriya citta, ルーパーヴァチャラ・キリヤ・チッタ）（5）
無色界心（むしきかいしん、巴: ar?p?vacara citta, アルーパーヴァチャラ・チッタ）（12）
無色界善心（むしきかいぜんしん、巴: ar?p?vacara kusala citta, アルーパーヴァチャラ・クサラ・チッタ）（4）
無色界異熟心（むしきかいいじゅくしん、巴: ar?p?vacara vip?ka citta, アルーパーヴァチャラ・ヴィパーカ・チッタ）（4）
無色界唯作心（むしきかいゆいさしん、巴: ar?p?vacara kiriya citta, アルーパーヴァチャラ・キリヤ・チッタ）（4）
出世間心（しゅっせけんしん、巴: lokuttara citta, ロークッタラ・チッタ）（8）
道心（どうしん、巴: magga citta, マッガ・チッタ）（4）
果心（かしん、巴: phala citta, パラ・チッタ）（4）
心所（しんじょ、巴: Cetasika, チェータシカ）(52) --- 心機能
同他心所（どうたしんじょ、巴: annasam?na cetasika, アンニャサマーナ・チェータシカ）（13） --- 協働中立的機能
共一切心心所（くいっさいしんしんじょ、巴: sabba-citta-s?dh?rana cetasika, サッバチッタサーダーラナ・チェータシカ）（7） --- 一般共通機能
触（そく、巴: phassa, パッサ）
受（じゅ、巴: vedan?, ヴェーダナー）
想（そう、巴: sann?, サンニャー）
思（し、巴: cetan?, チェータナー）
一境性（いっきょうしょう、巴: ekaggat?, エーカッガター）
命根（みょうこん、巴: j?vitindriya, ジーヴィティンドリヤ）
作意（さい、巴: manasik?ra, マナシカーラ）
雑心所（ぞうしんじょ、巴: pakinnaka cetasika, パキンナカ・チェータシカ）（6） --- 特殊機能
尋（じん、巴: vitakka, ヴィタッカ）
伺（し、巴: vic?ra, ヴィチャーラ）
勝解（しょうげ、巴: adhimokkha, アディモッカ）
精進（しょうじん、巴: viriya, ヴィリヤ）
喜（き、巴: p?ti, ピーティ）
意欲（いよく、巴: chanda, チャンダ）
浄心所（じょうしんじょ、巴: sobhana cetasika, ソーバナ・チェータシカ）（25） --- 善機能
【共浄心所】（19）
信（しん、巴: saddh?, サッダー）
念（ねん、巴: sati, サティ）
慚（ざん、巴: hiri, ヒリ）
愧（ぎ、巴: ottappa, オッタッパ）
無貪（むとん、巴: alobha, アローバ）
無瞋（むしん、巴: adosa, アドーサ）
中捨（ちゅうしゃ、巴: tatramajjhattat?, タトラマッジャッタター）
身軽安（しんきょうあん、巴: k?yappassaddhi, カーヤッパッサッディ）
心軽安（しんきょうあん、巴: cittappassaddhi, チッタッパッサッディ）
身軽快（しんきょうかい、巴: k?yalahut?, カーヤラフター）
心軽快（しんきょうかい、巴: cittalahut?, チッタラフター）
身柔軟性（しんにゅうなんしょう、巴: k?yamudut?, カーヤムドゥター）
心柔軟性（しんにゅうなんしょう、巴: cittamudut?, チッタムドゥター）
身適合性（しんちゃくごうしょう、巴: k?yakammannat?, カーヤカンマンニャター）
心適合性（しんちゃくごうしょう、巴: cittakammannat?, チッタカンマンニャター）
身練達性（しんれんだつしょう、巴: k?yap?gunnat?, カーヤパーグンニャター）
心練達性（しんれんだつしょう、巴: cittap?gunnat?, チッタパーグンニャター）