動物農場
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動物農場
Animal Farm

著者ジョージ・オーウェル
訳者平野敬一ほか
発行日 1945年
発行元 Secker and Warburg
ジャンル風刺寓話

言語英語
コードISBN 4-04-233401-6

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『動物農場』(どうぶつのうじょう、原題: Animal Farm)は、1945年8月17日に刊行されたジョージ・オーウェルの小説。『アニマル・ファーム』(永島啓輔訳版[1]石ノ森章太郎画版[2][3])、『動物農園』(吉田健一訳版[4])とも。

とある農場(「マナー農場」)の動物たちが劣悪な農場主を追い出して理想的な共和国を築こうとするが、指導者の豚が独裁者と化し、恐怖政治へ変貌していく過程を描く。人間を豚や馬などの動物に見立てることにより、民主主義全体主義権威主義へと陥る危険性、革命が独裁体制と専制政治によって裏切られ、革命以前よりも悪くなっていく過程を痛烈かつ寓話的に描いた物語であり[5]ロシア革命ソビエト連邦理想の国とみなすような「ソビエト神話」への警鐘であった[5][6][7][8][9][10][11][12]

第二次世界大戦連合国同士であったイギリスの当時の世論において、ソ連がドイツ軍と戦ったことへの好感と敬意が主流で、ヨシフ・スターリンが「ジョーおじさん」と親しみを込めた愛称でよばれていた風潮への挑戦であったとされる[5][13][6]
あらすじ
動物革命

イギリス・ウィリンドン近くにあるマナー農場(マナーは荘園(manor)の意)。農場主のジョーンズ氏はアルコール中毒の怠け者であり、農場の家畜たちの不満が溜まっていた。動物たちから尊敬される老いた雄豚メージャー爺さんは、夜な夜な行われる動物たちの集会において、人間を敵視し、全ての動物の平等と自由を謳った「動物主義」を唱える。農場の動物たちはこれに賛同し、革命歌「イングランドの獣」を歌い、反乱の熱気が高まっていく。間もなくメージャー爺さんが亡くなると2匹の若い雄豚スノーボールとナポレオンが後を引き継ぐ。彼らは動物たちを指揮してジョーンズ氏に反旗を翻し、人間たちを農場から追い出すことに成功する。農場は「動物農場」と改名され、人間を敵視し、「すべての動物は平等」などを定めた7つの掟が宣言される(これは納屋に大きな文字で掲げられる)。農場の食料は豊富であり、革命前に宣伝されていたほどではないにせよ、動物たちはジョーンズ時代よりも恵まれた生活を送れるようになる。

農場の運営方針は動物たちの集会(最高会議)の賛否によって決定されるものの、種族によって知能は様々であり、革命を指揮したスノーボールとナポレオンを代表に、知能が比較的高く数も多い豚たちがリーダーシップを執るようになっていく。スノーボールは他の動物たちに読み書きを教え、羊たちなど知能が低すぎて文字はおろか7つの掟も覚えられない動物たちのためには掟を要約した「4本脚は良い。2本足は悪い。」のスローガンを新たに作り出す。他にもスノーボールは種族ごとの委員会を組織したり、野ネズミや野ウサギなど、野生動物にも動物主義を広めて同志にしようとしたが、これらの大半は失敗する。一方のナポレオンはスノーボールの活動には興味がなく、母犬から取り上げた生まれたばかりの子犬たちに動物主義の原理を教え始める。また、豚たちは自分たちが牧場の運営に必要な存在であることを強調し、他の動物たちよりも良い食料を優先的に食べるようになる。
ナポレオンとスノーボールの対立


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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