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動物兵器(どうぶつへいき)とは、軍事目的に動物(ヒトを除く)を使用する兵器のこと。または兵器と同様の役割を動物に担わせること(また、一部では、生体兵器(せいたいへいき)ともいわれる)[1]。
古来、人間は戦争において様々な動物を、その特性を活かして使用してきた。馬を騎乗用、あるいは戦車として利用したものが最も代表的な例であり、インドやカルタゴの将軍ハンニバルが戦象を使用したことも有名である。このように人間と一体となって戦う以外にも、輸送、通信手段、索敵、あるいは動物単体で攻撃をしかけるなどの様々な用途で動物は使用されてきた[2]。
これらの動物を単に軍用動物とみるか、兵器としてみるかは個人の主観に委ねられる。
特に、動物単体で攻撃をしかけるものをアニマルウェポンと呼称することがある。これはSFの世界と思われがちだが、実際に使用例がある。 馬は草食性で家畜化が比較的容易であり、多目的に利用されてきた。軍事においては、人間を乗せたり、補給物資を輸送したりするのに用いられた[2]。 人間を乗せる例においては、当初は戦車(チャリオット)を引かせ、直接人間が馬に乗る事は無かった。やがて、兵士を騎乗させて騎兵として用いられるようになった。物資を輸送する場合にも、車を引かせる場合と、直接背中に載せる場合があるが、主に道路などの環境によって使い分けられる[3]。 人間を乗せる場合には、2通りの使い道がある。将兵の疲労を軽減するためと、人間が走るよりも高速である事を利用する場合である。疲労を軽減する目的としては、高級指揮官のみが馬に乗り、一般の兵士は徒歩という例が多い。指揮官は兵士と行動をともにするため、人間の走行よりも高速という馬の特質は生かされない。またそのような指揮官は騎兵とは呼ばれないのが通例である。地域・時代によっては、馬が特に裕福な階層しか所有しえない場合があり、その時は一部の指揮官しか馬を用いる事はできないため、単なる疲労軽減の道具にしかならない。ただ、特に専制政治が行われた国によって顕著であるが、指揮官が兵士を見捨てて自分のみ逃亡する場合においては、馬は高速の移動手段として用いられた。 馬の高速性を利用する場合においては、騎兵だけで構成された部隊(騎兵隊)は、徒歩の兵士(歩兵)とは別行動を行い、その機動性を生かした戦術を展開した。アレクサンドロス3世(大王)やハンニバルなどが、騎兵の機動性を生かした戦術を行った端緒として知られる。
ウマ科紀元前2500年頃のウル王墓から出土したウルのスタンダードに描かれたチャリオット。負傷兵をロバに乗せ運ぶニュージーランド軍の医療部隊(ガリポリの戦い、1915年)物資を騾馬に乗せる第23山岳猟兵旅団第230山岳偵察大隊の隊員(2015年)
馬