この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。
労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律
日本の法令
通称・略称労働者派遣法
法令番号昭和60年法律第88号
種類労働法
効力現行法
成立1985年6月7日
公布1985年7月5日
施行1986年7月1日
主な内容派遣労働者の保護等
関連法令職業安定法
制定時題名労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律
条文リンク労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律
労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(ろうどうしゃはけんじぎょうのてきせいなうんえいのかくほおよびはけんろうどうしゃのほごとうにかんするほうりつ)は、日本の法律。略称は労働者派遣法(ろうどうしゃはけんほう)。法令番号は昭和60年法律第88号、1985年(昭和60年)7月5日に公布された。制定時点の題名は、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(ろうどうしゃはけんじぎょうのてきせいなうんえいのかくほおよびはけんろうどうしゃのしゅうぎょうじょうけんのせいびとうにかんするほうりつ)であり、2012年の改正[1]で、現行の題名に改正された。
目的は、労働力の需給の適正な調整を図るため、労働者派遣事業の適正な運営の確保に関する措置を講ずるとともに、派遣労働者の保護等を図ることで、派遣労働者の雇用の安定、福祉の増進に資することにある(1条参照)。
日本は1999年7月28日に、国際労働条約第181号(1997年の民間職業仲介事業所条約)を批准したため、それに合わせた改定が行われている。 「労働者派遣契約」(26条。個別契約)は、文書で行う(施行規則21条3項)。
構成
第1章 - 総則(1 - 3条)
第2章 - 労働者派遣事業の適正な運営の確保に関する措置(4 - 25条)
第3章 - 派遣労働者の保護等に関する措置(26 - 47条の3)
第4章 - 雑則(47条の4 - 57条)
第5章 - 罰則(58 - 62条)
法的規制
適用除外業務
何人も、次のいずれかに該当する業務について、労働者派遣事業を行ってはならない(派遣法第4条1項、特に警備はそれ自体が派遣同等になる為)。また、労働者派遣事業を行う事業主から労働者派遣の役務の提供を受ける者は、その指揮命令の下に次のいずれかに該当する業務に従事させてはならない(派遣法第4条3項)。派遣労働者が従事する業務の一部に以下の業務のうちいずれかの業務が含まれているときは、全体として違法な労働者派遣となるものである[2]。
港湾運送業務(港湾労働法第2条2号に規定する港湾運送の業務及び同条1号に規定する港湾以外の港湾において行われる当該業務に相当する業務として政令で定める業務をいう。)
港湾運送事業を営んでいる事業主は、厚生労働大臣の許可を受けた場合は、港湾運送業務に労働者派遣を行うことができる(港湾労働法第12条)。
建設業務(土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊若しくは解体の作業又はこれらの準備の作業に係る業務をいう。)
この業務は建設工事の現場において、直接にこれらの作業に従事するものに限られる。したがって、例えば、建設現場の事務職員が行う業務は、これによって法律上当然に適用除外業務に該当するということにはならない。
林業の業務は、造林作業及び素材(丸太)生産作業に分けることができるが、このうち造林作業の地ごしらえの業務については建設現場における整地業務と作業内容が類似していること、植栽の業務については土地の改変が行われることから、いずれも労働者派遣法の解釈としては建設業務に該当するものである。
警備業法第2条1項各号に掲げる業務
その他その業務の実施の適正を確保するためには業として行う労働者派遣により派遣労働者に従事させることが適当でないと認められる業務 - 具体的には医業、歯科医業、薬剤師の行う調剤、保健師・助産師・看護師及び准看護師の業務である保健指導、助産、療養上の世話及び診療の補助、栄養士の行う栄養指導、歯科衛生士・診療放射線技師・歯科技工士の行う業務(紹介予定派遣、産前産後休業・育児休業・介護休業をする労働者の代替要員、僻地又は社会福祉施設への派遣を除く(2006年3月改正、派遣法施行令第2条))。
上記のほか、以下の業務についても労働者派遣事業を行ってはならず、また、労働者派遣事業を行う事業主から労働者派遣の役務の提供を受ける者は、その指揮命令の下に当該労働者派遣に係る派遣労働者をこれらの業務に従事させてはならない。
派遣先において団体交渉又は労使協議の際に使用者側の直接当事者として行う業務
弁護士、外国法事務弁護士、司法書士、土地家屋調査士、公認会計士、税理士、弁理士、社会保険労務士、行政書士の業務 - 資格者個人が、それぞれ業務委託を受けて当該業務を行う(当該業務については、指揮命令を受けることがない)ため。