労働
労働運動
新組合主義
労働法(ろうどうほう、独:Arbeitsrecht、仏:droit du travail、英:labor law)は、労働関係および労働者の地位の保護・向上を規整する法の総称である[1]。資本主義における労働の諸関係を、《労働者の生存権》という法理念にもとづいて規律する法体系である[2]。
近代以降の資本主義の展開にともなって、労働者と使用者(経営者、雇用主)の力関係(労使関係)に著しい落差・不平等が生じ[2]、過長な労働時間(過労) 等、劣悪な労働条件の下での労働を強いられ、また(労働者は労働を売ることのみが生きるための手段になっていたにもかかわらず)低賃金しか払われず、ひどく搾取されることになった[2]。
古典的な近代市民法は、自由平等を原則としていて、(世の中の現実を無視して)労働者と使用者が対等平等な状態にいるとみなして、個別的な契約の自由ばかりを固守してしまい[2]、こうした労働者の保護が十分にできなかったため、労働法のほうは、社会における労使の現実を直視して成立した[2]。別の言い方をすると、労働者の生存を保障するための市民法原理の修正として、社会権思想に基づいた労働法が生まれたのである。最初の労働者保護立法は、イギリスで1802年に制定された工場法である。その後、第一次世界大戦後のワイマール・ドイツにおいて、労働法は独自の法分野として確立した[3]。 国際労働法(International labour law
国際労働法と国際労働機関
国際労働機関(ILO)は、強制労働や児童労働の廃絶、婦人労働者の待遇の向上にとどまらず、移民や船員、家庭内労働者も含めたすべての労働者の労働条件、雇用機会における差別の根絶と生活水準向上のために、1919年の組織発足以降180を超える国際労働条約を採択している。同時に補完的に採択されている勧告とともに国際労働基準を構成している。
ILOによって用意された条約の数は190ある[5]。@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}そのうちのどの程度の数を批准しているかで、その国の政府が自国の労働者の諸権利をどれほど尊重しているか、その程度がわかるとも言われている[独自研究?]が、ILO自身は、条約や勧告の本当の価値は、批准数だけで判断するべきではないとしている[5]。一加盟国あたりの平均批准条約数は約44、日本が批准しているのは50である[5]。 欧州連合では指令との形で、各国が達成すべき労働法の基準を示している。 スペインの労働法は、労働者保護を重視するものとなっている。労働者の解雇は容易に行うことができず、解雇されても失業保険が整備されている。こうした環境が、外国企業の投資敬遠、外国人労働者の流入といった事態を招いている、という指摘がある[6]。 中国では、長い間企業は国営企業であったため、労使関係は行政府の命令で調整されており、労働法は存在しなかった。その後、1979年の市場開放を機に市場経済が浸透していくに従い、以下のとおり労働法が整備されていった[7]。 労働契約法制定の背景には、20世紀末から外国からの投資が盛んとなり生産能力が増加、「世界の工場」と呼ばれるようになった一方で、試用期間や違約金の濫用により労使間の対立が激しくなったことがある[7]。 インドネシアの労働法は、労働者の解雇にかかるコストが非常に高い。解雇に関して支払う費用は、そのまま雇い続けるよりも高くなると言う。このことは、外国からの資本投入の際にネックとなっている、という指摘がある[8] インドの労働三法は、世界銀行により世界で最も制約が多い労働法と指摘されており、犯罪行為以外の理由で労働者を解雇することは事実上困難となっている。インド都市開発省所属で意図的な長期欠勤を続けた職員の例では、解雇に22年もの年月を要している[9]。
欧州の労働法
労働時間指令(2003/88/EC)
パートタイム労働指令 (97/81/EC)
有期労働指令 (99/70/EC)
派遣労働指令 (2008/104/EC)
スペイン
アジアの労働法
中華人民共和国
1994年7月に労働法公布
2008年6月に労働契約法
インドネシア
インド
日本.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}
Size:61 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
担当:undef