劇場版 仮面ライダーカブト
GOD SPEED LOVE
監督石田秀範
脚本米村正二
原作石ノ森章太郎
製作
白倉伸一郎
武部直美
梶淳(テレビ朝日)
ナレーター鈴木英一郎
出演者
水嶋ヒロ
佐藤祐基
里中唯
徳山秀典
加藤和樹
永田杏奈
西牟田恵
弓削智久
山口祥行
森下千里
小林且弥
虎牙光揮
武蔵
本田博太郎
音楽`島邦明
主題歌「ONE WORLD」吉川晃司
撮影いのくままさお
編集長田直樹
製作会社劇場版『カブト・ボウケンジャー』製作委員会
配給東映[注釈 1]
公開2006年8月5日
上映時間
66分(劇場公開版)
79分(ディレクターズカット版)
製作国 日本
言語日本語
興行収入9億5,000万円[1]
前作仮面ライダー THE FIRST
次作劇場版 仮面ライダー電王 俺、誕生!
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『劇場版 仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE』(げきじょうばん かめんライダーカブト ゴッド スピード ラブ)は、2006年8月5日より東映系で公開された、日本の映画作品。特撮テレビドラマシリーズ「平成仮面ライダーシリーズ」の『仮面ライダーカブト』の劇場版作品にあたる。同時上映は『轟轟戦隊ボウケンジャー THE MOVIE 最強のプレシャス』。
キャッチコピーは「この地球〈ほし〉に、未来を。人類の存亡を賭けて、宇宙での死闘が始まる。」。 仮面ライダー生誕35周年記念作品。前年までとは異なり夏休み期間へと公開が前倒しされ、以降の夏の劇場版も一部を除いて8月上旬の公開が踏襲されている。 前年までと同様、テレビシリーズの物語とは基本的には関連のないパラレルワールド的作品でもあり[注釈 2]、テレビシリーズとは世界観・設定から大きく異なるものとなっている。脚本はテレビシリーズのメインライターである米村正二が担当。 本作品の見所として、軌道エレベーターが登場する世界初の実写作品である点を含めたライダー初の宇宙戦や、オリンピックのメダルに準えた金・銀・銅の映画オリジナルライダーの登場が挙げられる。配役面では格闘家・武蔵の映画初出演、『仮面ライダー龍騎』にも出演した森下千里のライダー作品再出演が話題となった。また主役仮面ライダーの最強形態(仮面ライダーカブト ハイパーフォーム)の先行登場も、例年に引き続き盛り込まれている。 公開直前には、テレビシリーズの本編終了後に本作品に関連したショートムービーも放送された。内容は昭和ライダーとの比較により、本作品における仮面ライダーシリーズそのものの成長をピックアップしたものとなっている。 『劇場版 超・仮面ライダー電王&ディケイド NEOジェネレーションズ 鬼ヶ島の戦艦』の公開を記念し、2009年3月には深夜枠で地上波初放送された。それまでも平成仮面ライダーシリーズの劇場版の地上波放送は前例があるが、放送時間の都合上エンディングがカットされているそれらの作品とは異なり、全編ノーカットでの放送となった。 1999年、地球に飛来した巨大隕石は落下の熱と衝撃で海水が蒸発して地球全土の海が干上がり、同時に地球に隕石に潜んでいた地球外生命体ワームが侵入し、瞬く間に社会に人間に擬態することで潜伏・侵食を始めた。人類は秘密機関ZECTを設立。マスクドライダーシステムを開発し、戦場に投入した。 それから7年後の2006年。深刻な水不足に陥った地上でワームとライダーの戦いが続く中、ZECTに反旗を翻す反乱分子がネオZECTを結成。ZECTはネオZECTの粛清に乗り出す。ZECTのライダー、大和鉄騎=ケタロス、矢車想=ザビー率いる部隊に追いつめられるネオZECTのリーダーである織田秀成=ヘラクス、風間大介=ドレイク、北斗修羅。そこへ天道総司=カブトが乱入し、戦況は新たなる段階を迎える。 折しもZECTでは、巨大彗星=氷の塊が地球に接近する情報を掴んでいた。この彗星を引き寄せれば、地球に莫大な水資源を確保でき、ZECTは益々権力を強めることができ、ZECTは「天空の梯子」と呼ばれる軌道エレベーターで地上の基地と接続されているZECT宇宙ステーションに設置された巨大クロックアップマシンを用いて移転空間を発生させる、「天空の梯子計画」を実行。天道よりこの情報を得たネオZECTも、ZECTの支配力増加を抑えるべく、計画の乗っ取りを決意する。 計画実行の当日、ネオZECTはZECT本部を襲撃。天道は軌道エレベーター上で大和と対決。宇宙空間で二人が激闘する最中、加賀美新=ガタックがクロックアップシステムで彗星を引き寄せるが、彗星と共にワームの卵を運ぶ巨大隕石も引き寄せてしまっていた[3]。
特徴
あらすじ
登場人物テレビシリーズの登場キャラクターについては「仮面ライダーカブトの登場キャラクター」を参照
黒崎 一誠(くろさき いっせい) / 仮面ライダーコーカサス
30歳。上下白装束に身を包んだ屈強な肉体を持つ寡黙かつ優雅な男で、常に自分が最強の男でいることを追い求め、自らが倒した相手に青い薔薇を手向けるという独自の習わしを持つ[4]。ZECT本部直属の用心棒兼殺し屋的存在で、大和をはじめとする実働部隊には同行せず、上層部の意向で反乱分子の存在を闇に葬ってきた特務隊員。「天空の梯子計画」に関わった人間の死の背後に見え隠れする、謎の「黄金のライダー」の正体でもあり、その強さは「彼と戦う者は、戦う前にすでに敗北している」と噂され、気付けば青い薔薇の花びらと相手の屍のみが戦場に残されているという逸話が残されている。また後述のハイパーカブトが、時間を巻き戻して現れたことに勘付くなど洞察力も高い。計画の真意については知っているものの、「自分が最強の男になれれば、人間もワームも関係ない」という考えからその是非については不干渉を決め込んでいる。宇宙ステーションから発射された反物質兵器搭載ミサイルの内部でカブトとガタックを迎え撃ち、ハイパークロックアップを駆使して圧倒するも、ガタックにライダーキックを受け止められた隙を突かれてカブトにエアロックに叩きつけられて外れたハイパーゼクターを奪われ、エアロックから宇宙空間に放り出される[3]。その後加賀美の乗った脱出ポッドにしがみつき、これを破壊して殺害するも、ハイパークロックアップの時間逆行で殺害直前に戻され、最後はハイパーフォームとなったカブトのハイパーライダーキックを浴び、そのまま反物質兵器搭載ミサイルに激突して爆死した。
劇中で着用しているシルバーは、実際に黒崎役の武蔵が試合の入場時にも付けているもの[5]。
変身ポーズは、黒崎役の武蔵が空手の型の1つ「征遠鎮」をモチーフに考えたもの[6][7]。
織田 秀成(おだ ひでなり) / 仮面ライダーヘラクス
23歳。自由を求めてZECTに反旗を翻したネオZECTのリーダーとして、本当の自由を求めてかつての仲間たちを相手に激しい戦いに身を投じる[4]。年若く、他者から命令されることを嫌う破天荒な性格だが、リーダーとしての器は備えているようで、大和からもZECTに必要な人材であると高く評価されている。