劇場版TRICK
霊能力者バトルロイヤル
監督堤幸彦
脚本蒔田光治
製作上松道夫
『劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル』(げきじょうばんトリック れいのうりょくしゃバトルロイヤル)は、2010年の日本映画。テレビドラマシリーズ『トリック』の劇場版第3作。
キャッチコピーは、『命賭けのバトルロイヤル 生き残れるのはたった一人!?』 シリーズ10周年記念作品であり、前作から4年ぶりの劇場版第3作目となる。 同年5月8日公開。翌9日と合わせた2日間で、27万705人を動員、興収は3億6,640万8,980円となり映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で、初登場第2位となった[1]。また第2週目の動員数は64万4,000人、興収は8億5,000万円となり[2]、公開から2週間で累計動員数は92万8,677人、興収は12億1,131万6,330円を記録した[3]。最終興行収入は18.6億円[4]。 同年5月15日に放送された新作スペシャル2のラストにて、本作の出来事に付いて予見する上田と山田のやり取りがあり、本作の出来事に間接的に繋がる形となっており、本作でもこのエピソードに僅かだが、触れられるやり取りが存在している。 翌年の2011年6月12日には、日曜洋画劇場で「トリックちょうど11周年フェア!」と称し地上波初公開となった。 ある日、東京科学技術大学教授の上田を山奥の万練村(まんねりむら)に暮らす中森翔平という青年が訪ねてくる。万練村には「カミハエーリ」と呼ばれる霊能力者が村を治める掟があるのだが、その選定には全国から募集した霊能力者同士を競い合わせる、いわば「霊能力者バトルロイヤル」ともいうべき大会が行われ、最後に勝ち残った者がカミハエーリとされるという。そして最近、翔平の祖母である先代カミハエーリが亡くなったため、村では大会が催されようとしていた。参加者の一人でもある翔平から、この因習を止めさせるため、本物の霊能力など無いことを証明して欲しいと頼み込まれた上田は、万練村へ赴くことにする。 一人では心細い上田は、奈緒子を騙して連れて行こうとするも、体よく断られてしまう。実は奈緒子もまた、クビになったステージの興行主から、偶然カミハエーリ選びの大会参加を勧められており、優勝者に与えられる村人からの貢ぎ物や隠された財宝を狙って、大会に参加する事に決めていたのだ。 それぞれ別の目的で万練村を訪れるも、結局は鉢合わせしてしまった奈緒子と上田。お互いが知り合いだと知られては困る2人は、財宝を手に入れるために結託し、大会を勝ち抜こうと画策する。 やがて大会が始まり、参加者達は各々が持つ霊能力を披露、自分こそが本物の霊能力者だと主張する。だが一人の参加者・鈴木玲一郎により、大会は凄惨な命の奪い合いへと進展する。
概要
ストーリー
登場人物
レギュラー詳細は「トリックの登場人物」を参照
山田奈緒子
演 - 仲間由紀恵自称売れっ子美人マジシャンだが、マジシャンとしては鳴かず飛ばずの日々を過ごしている。いつも仕事をクビになるため貧乏で、家賃の支払いにすら困っている。万練村の財宝を狙ってカミハエーリ選びの大会に参加する。
上田次郎
演 - 阿部寛日本科学技術大学教授。自著「どんと来い、超常現象」のヒット・シリーズ化で、すっかり超常現象解明の権威となっている。シリーズ最新刊のタイトルは『IQ200』[5]。
矢部謙三
演 - 生瀬勝久警視庁公安部の刑事。自らを神と偽っている詐欺師逮捕に駆り出され万練村に足を運ぶが、逆に自分が村人にその詐欺師として疑われ、奈緒子と上田にも見放されたことで秋葉と共に牢に入れられてしまう。
山田里見
演 - 野際陽子奈緒子の母親。書道家として活躍し、政界にも影響を与える人気を得ている。今作では「山田里見美字っ館」を開館した。
秋葉原人
演 - 池田鉄洋矢部の部下。劇中で役に立ったことはないが、電子機器を駆使する電脳オタク。
池田ハル
演 - 大島蓉子奈緒子が暮らすアパート「エコメゾン・池田」(旧:池田荘)の大家。
ジャーミー
演 - アベディン・モハメッドバングラデシュ人。かつては「池田荘」の住人だったが、ハルと結婚、6人の子供を儲ける。
ナレーション
演 - 森山周一郎
ゲスト
鈴木玲一郎
演 - 松平健カミハエーリ選びの大会の参加者。急病で死にそうな者を体に触れただけで癒したり、逆に呪いをかけた相手の体をバラバラにして殺してしまうなど、非常に強い霊能力の持ち主。呪いをかける時に唱える呪文は「バンサンケツマ」[6]。白馬を所有している[7]。また、奈緒子の出自や黒門島に関することを知っている。
中森翔平
演 - 佐藤健万練村の若者で、大会の参加者で言葉が訛っている。幼い頃から数々の奇跡的な能力を村人の前で見せてきた。しかし、その能力は霊能力ではなく、先代カミハエーリである祖母に仕込まれたトリックであることを上田や美代子に告白する。
高階美代子
演 - 夏帆翔平の幼馴染。彼に想いを寄せている。翔平の霊能力が本物であると信じて疑わず、彼から過去に披露した能力はトリックであると告白されても信じようとしない。翔平を勝たせるため、クレーンで吊られ崖の下へと落とされる棺桶の中に自身を封じ込めさせ、そこから脱出・瞬間移動してみせる。脱出も瞬間移動も、鈴木に呪いを掛けられてから念じるだけでできたと翔平に話す。
杉尾園子
演 - 片瀬那奈大会の参加者。100年先の未来を見通すことができるという予知能力を持つと主張。常に紫色の御高祖頭巾布をかぶって前かがみの姿勢でいるため、美代子に「カオナシ?」と言われる。東北訛りで話す。
相沢天海
演 - 戸田恵子大会の参加者。宗教団体「天海とペイズリー」の教祖。神と対話する能力を持つと主張。揃いの衣装で「ペイズリー!」と掛け声を合わせる大勢の男性信者たちと共に、踊りなどの珍妙なパフォーマンスを披露する。モデルは引田天功 (2代目)である。
伏見達郎
演 - 藤木直人(友情出演)大会の参加者。重さ10トンの鉄球に潰されても死なない不死身の体を持つと主張。王子様風の衣装に身を包み、アコースティックギターを抱えている。外来語を多用する。
宇田川八兵衛
演 - 平泉成万練村の村長。次期カミハエーリ候補として翔平に大きな期待を寄せている。
松宮佐和子
演 - 三浦理恵子故人。かつては東京大学出身の学者だった鈴木の人生に影響を与えた霊能力者。自身の能力の真贋を鈴木に依頼して以降、相思相愛の関係となっていた。何もないところから物を取り出したり、未来予知の力があったという。
木下権三郎
演 - きたろう万練村の村民で、大会の実行委員長を務める。
高田徳之助
演 - 増本庄一郎万練村の村民で、大会実行委員の一人。
興行主
演 - 河本準一奈緒子の仕事先である花やしきの興行主。奈緒子をクビにした後、奈緒子に万練村の大会を勧める。
子供マジシャン
演 - 山上兄弟花やしきで奈緒子の後に出演した。奈緒子を上回るマジックを披露して観客を沸かせる。
バスの車掌
演 - 山寺宏一万練村へ向かう奈緒子や鈴木が乗っていたバスの車掌。しゃべる度に声色や口調が変化する。
村人A
演 - 島崎俊郎万練村の村人。『オレたちひょうきん族』のキャラクター「アダモステ」に酷似している。
女性議員秘書
演 - 長澤つぐみ山田里見の秘書。