前根
後根および前根と脊髄神経
ラテン語radix anterior nervi spinalis
英語Ventral root
器官末梢神経
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神経解剖学において、前根(ぜんこん、英: ventral root)は、脊髄神経の神経根のうち遠心性運動神経根のこと。脊髄の前外側から出て硬膜を貫き、末梢側(脊椎の椎間孔を出るところ)で同じ高位の髄節から出た後根と合わさって脊髄神経となる。 前根を構成する神経線維の多くは、脊髄前角
前根の運動神経線維
前根には遠心性神経(運動神経)の軸索だけが存在するというのが古典的な考えだったが(ベル・マジャンディーの法則)、今ではヒトやネコを含めた一部の哺乳類で、前根にも多くの求心性神経(感覚神経)の軸索があることがわかっている。この軸索はほとんど無髄線維で、一部のものは直接脊髄に入っていることが確かめられているが、すべてがそうかはわかっていない。またこの感覚線維の働きも今のところ明らかにはされていない[1]。
追加画像
頸椎の横断面。
脊髄横断面
脊髄神経と前根および後根。
皮質脊髄路。
脊髄横断面と髄膜の模式図。
脊髄の一部の右側面。硬膜を切開して神経根を示す。
一般的な脊髄神経の構造の模式図。前根、後根と交通枝の関係を示す。
脚注^ Willis, WD; Coggeshall, RE (1978), Sensory mechanisms of the spinal cord, New York: Plenum Press
参考文献
Parent, Andre, Carpenter's human neuroanatomy, 9th ed. Media: Williams & Wilkins, 1996, pp.262-264. ISBN 0683067524
外部リンク
⇒ニューヨーク州立大学ブルックリン健康科学センター椎孔の内部にある脊髄に沿って切開したところを上(背部)から眺める。
⇒ミシガン大学系統解剖学 - 脊髄自律神経系のつながり
⇒解剖学アトラス、ミクロ解剖プレート06.114 - 脊髄神経根の神経線維。
表
話
背側(後根、神経節、後枝) - 腹側(前根、前枝) - 交感神経幹 - 交通枝(灰白交通枝、白交通枝)
灰白質/レクセドの層
後角(背核、ローランドの膠様質、固有核) - 側角 - 前角 - 中心管/中心膠様質
白質
体性感覚/上行
後索/後索・内側毛帯路: 触覚・固有覚: 薄束 - 楔状束
側索: 固有覚: 脊髄小脳路(背側脊髄小脳路、腹側脊髄小脳路) - 温痛覚: 脊髄視床路(外側脊髄視床路、前脊髄視床路) - 後外側路 - 脊髄視蓋路
運動/下行
側索: 皮質脊髄路(外側) - 錐体外路系(赤核脊髄路、オリーブ脊髄路)
前索: 皮質脊髄路(前皮質脊髄路) - 錐体外路系(前庭脊髄路、網様体脊髄路、視蓋脊髄路)
周囲
硬膜外腔 - 硬膜 - 硬膜下腔 - クモ膜 - クモ膜下腔 - 軟膜
その他
歯状靱帯 - 脊髄円錐 - 馬尾 - 終糸 - 頸膨大 - 腰膨大 - 前正中裂
典拠管理データベース
⇒Terminologia Anatomica