刺青の男_(小説)
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ポータル 文学

『刺青の男』(いれずみのおとこ、: The Illustrated Man)は、1951年に刊行されたレイ・ブラッドベリの短編集。

「刺青の男」の全身に彫られた刺青が動き出して18の物語を演ずる、という設定のもとで全体がひとまとまりになっている。「刺青の男」は予知能力を持っていることが示唆されており、各物語は未来世界を描いたものであろうと思われる。ほとんどが「宇宙時代」をテーマにしたSF小説であるが、全体的にディストピア的な雰囲気をもった作品が多く、火星人の襲来や世界の終わりのように古典的なSF的モチーフを扱った話もある。また、ブラッドベリのほかの作品と同様に、文明批判と受け取れる記述が多い。

日本語版は小笠原豊樹の翻訳で、早川書房ハヤカワ・SF・シリーズ)から1960年に刊行されている。
各編の題名

プロローグ 刺青の男 Prologue:The Illustrated Man

草原 The Veldt

万華鏡 Kaleidoscope

形勢逆転 The Other Foot

街道 The Highway

その男 The Man

長雨 The Long Rain

ロケット・マン The Rocket Man

火の玉 The Fire Balloons

今夜限り世界が The Last Night of the World

亡命者たち The Exiles

日付のない夜と朝 No Particular Night or Morning

狐と森 The Fox and the Forest

訪問者 The Visitor

コンクリート・ミキサー The Concrete Mixer

マリオネット株式会社 Marionettes,Inc.

町 The City

ゼロ・アワー Zero Hour

ロケット The Rocket

エピローグ Epilogue

ストーリー
プロローグ 刺青の男

9月上旬のある日、「わたし」は全身に美しい刺青をした男と出逢った。男は見世物小屋で働いているのだが、夜になると絵が動き出して未来のことを予言するので、すぐ仕事をクビになってしまうのだという。刺青は50年前の1900年に「未来から来た」という老婆に彫ってもらったのだが、老婆は未来へ帰ってしまった。男の右の肩甲骨には絵が描かれていないが、だれかが永く眺めていればその人の一生があらわれるという。すみきった夜。月あかりのなか、刺青の絵はひとつひとつ順番に動き出した。
草原

ジョージとリディアは彼らの子ども、ウェンディとピーターのことで心配していた。子どもたちは、精神に感応して望みどおりの風景を見せてくれる子供部屋に入り浸るようになっていた。2人が部屋に入ると、アフリカサバンナが広がっていた。悲鳴が聞こえ、ライオンが突進してくる。臭音装置(オドロフォニックス)から漂う血の臭い。リディアは部屋の鍵をかけてしまって、2 - 3日旅行に行こうと提案した。子どもたちが帰ってきた。部屋のことを問い詰めても、知らんぷりをした。ウェンディと一緒に部屋にはいると、部屋は美しい森に変わっていた。森の中にはジョージの古い財布が落ちていた。財布には血が付いていた。ジョージは部屋に鍵をかけることに決めた。それでも子どもたちは鍵を破って部屋に入っていた。ライオンはうまそうに獲物を食べていた。ジョージは心理学者のマクリーンに部屋を見せた。マクリーンは、子どもたちが破壊的な思想に向かっているといい、今まで甘やかしてきたのに、いきなり抑圧するようになったのが原因だと教えた。2人は子供部屋のスイッチを切った。子どもたちはヒステリーを起こした。見かねたリディアが、最後に1分間だけ子供部屋を使わせることにした。子どもたちは言った「お父さん、お母さん、早く来て!」。2人が部屋へ行くと、ライオンが突進して来た。悲鳴を上げる2人。マクリーンが来ると、2人はいなくなり、ライオンが獲物を食べていた。
万華鏡

突然ロケットが破裂して、乗員たちは宇宙空間に投げ出されて散りぢりに離れていった。なすすべもなく流星のように飛んでいきながら、隊員たちは電話で会話を続ける。このまま行けば隊長はにぶつかるらしい。ストーンは流星群へ。アプルゲイトは冥王星へ。ホリスは地球へ向かっている。大気圏で燃え尽きてしまうだろう。別れの挨拶が繰り返される。ホリスは自分の人生は死人同然だったと感じた。楽しい思い出がひとつも無かったのだ。ホリスは最後に自分にしかわからない何かいいことがしたいと思った。大気圏に突入したら、おれは流星のように燃えるだろう。ホリスは言った「ひょっとして、だれかにおれの姿が見えないものだろうか」。田舎の道を歩いていた少年が、空を見上げて叫んだ。「あ、お母さん、見てごらん!流れ星!」母親が言った。「願いごとをおっしゃい」
形成逆転

20年ぶりに白い人の乗ったロケットが来ると聞いて、黒い人たちは空を見上げた。20年前、黒人たちはロケットで火星にやってきた。地球では原子戦争が始まり、数年後にはロケットが1つも無くなっていた。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:30 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef