『刺青の男』
ローリング・ストーンズ の スタジオ・アルバム
リリース1981年8月24日
録音1972年11月 - 1981年7月
ジャンルロック
時間44分23秒
レーベルRolling Stones
EMI(オリジナル盤)
CBS UK→Virgin→Polydor(リイシュー盤)
Atlantic(オリジナル盤)
Columbia→Virgin→Interscope(リイシュー盤)
東芝EMI(オリジナル盤)
CBS/SONY→Sony Records→EMIJ/Virgin→Universal Int'l(リイシュー盤)
プロデュースグリマー・ツインズ、クリス・キムゼイ
専門評論家によるレビュー
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ローリング・ストーンズ アルバム 年表
サッキング・イン・ザ・70s
(1981年)刺青の男
(1981年)スティル・ライフ
(1982年)
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『刺青の男』(いれずみのおとこ、Tattoo You)は、1981年にリリースされた、ローリング・ストーンズのオリジナルアルバム。全英2位[1]、全米1位[2]を記録。 前作『エモーショナル・レスキュー』に伴うツアーが1年延期され、ツアーに間に合わせるべく新アルバムの制作に迫られたストーンズだが、当時ミック・ジャガーとキース・リチャーズの仲が上手くいかず、曲作りが全く進まなかった。これを受け、クリス・キムゼイはストーンズがこれまで残してきた膨大なアウトテイクを調べ上げ、未完成のベーシックトラックにオーバーダブを施していくという手法を選択した。本作に収録された曲のほとんどは、過去の作品からのアウトテイクを元に制作したものである。素材は最新の『エモーショナル・レスキュー』(1980年)から、最も古いもので『山羊の頭のスープ』(1973年)までに及んだ(『イッツ・オンリー・ロックン・ロール』からのアウトテイクは1曲も採用されていない)[3][4]。本作のためのレコーディングは1980年10月から12月にかけて、パリのパテ・マルコーニ/EMIスタジオにて、そして1981年4月から7月にかけて、ニューヨーク、アトランティック・スタジオで行われた[5]。純粋な新曲は「ネイバース」と「ヘヴン」の2曲のみである。 オーバーダブに参加したゲスト・ミュージシャンには、ザ・フーのピート・タウンゼントや、ジャズ・サックス奏者のソニー・ロリンズがいた。ロリンズの参加は、ジャガーが常連のボビー・キーズではなく、ジャズ界のサックス奏者を起用しようと、ジャズ通のチャーリー・ワッツに相談して決めたものである。ワッツ本人は「絶対来るはずがない」と思いつつロリンズの名前を出したが、数日後スタジオにそのロリンズが来ているのを見た時には思わず感嘆の声を上げ、「改めてミック・ジャガーのすごさに感心した」と振り返っている[4]。しかしこれらの事情は、発売当時の本作のレコードには一切参加ミュージシャンのクレジットが記載されなかったことで、一般の聴衆には知らされなかった。クレジットがなかったため、『山羊の頭のスープ』の頃はストーンズのメンバーだったミック・テイラーが、自身の演奏が無許可で使用されているとして提訴するという出来事もあった。なお、ロリンズは「ストーンズのファンは俺のレコードなんか聴かないだろうから気にしない」とコメントしている[3]。 年代も録音場所もバラバラである楽曲群を統一感のあるサウンドに仕上げたのは、「ミス・ユー」(1978年)の12インチシングル・バージョンでリミックスを担当したボブ・クリアマウンテン。この仕事が大きく評価されたクリアマウンテンは、以降もストーンズの作品に度々起用される事になる[3]。本作はA面にビートのきいたロック・ナンバー、B面にスロー?ミディアムテンポの曲が配置されている。本作がリリースされた1981年はMTVが発足した年でもあり、アルバムからは5曲でプロモーションビデオが製作されている(「スタート・ミー・アップ」、「ハング・ファイアー」、「ネイバース」、「ウォリード・アバウト・ユー」、「友を待つ」)。現在これらの映像はいずれもYouTubeのストーンズ公式ページで視聴できる。 パッケージはシングル・スリーブで、表側にはジャガー、裏側はリチャーズの、それぞれの顔に刺青を合成した写真が使用されている(他の3人の写真は一切なし)。ジャガーによれば、本作のタイトルは、このジャケットデザインによって決められたものだという[5]。リチャーズはこのジャケットデザインを酷評している[5]。内袋には蹄がハイヒールになった馬の足の写真で、必要最低限のクレジットがここに記載されている。裏側は一面波模様となっている。 アメリカでは9週連続で1位を獲得[4]、1981年のうちにプラチナ・レコードに輝き、これまでに400万枚以上を売り上げる大ヒットとなった[6]。他、オーストラリア、カナダ、フランス、ニュージーランドでも1位を獲得している。一方でイギリスでは2位に留まり、売上は前作よりも下回っている[3]。アルバムからの先行シングルである「スタート・ミー・アップ」も全米2位[7]の大ヒットとなり、1980年代のストーンズを象徴する曲とジャガー自ら語るまでになった[3]。批評家筋からの評価もよく、ローリングストーン誌は「ここ数年で初めて、ストーンズはファンの信頼に応えた」と評し、ロバート・クリストガウは「このアルバムでは、ハーモニー、フィル、勢いなど、スタイル的な満足感がある。
解説
評価