利用者:岡部碩道/下書き
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銅板法華説相図

長谷寺銅板法華説相図(はせでら どうばん ほっけせっそうず)は、奈良県桜井市長谷寺に伝わる銅板であり、その表面には『法華経見宝塔品に説かれる多宝塔出現の光景が図相化されている。銅板図の下段中央には銘文が配置され、造立の由来などが陰刻されている。その文中に、「敬造千仏多宝仏塔」と見えることから、本銅板を千仏多宝仏塔とも呼ぶ。また千仏多宝塔銅板などとも称し、さらに「銅板」を銅版と表記するなどさまざまな呼称がある。現在、奈良国立博物館寄託管理されている。国宝に指定されており、指定名称は銅板法華説相図(千仏多宝仏塔)[1][2][3][4][5]
目次

1 概要

2 銘文

2.1 原文

2.2 大意

2.3 注解

2.4 書体・書風

2.5 銘文の彫刻技法


3 長谷寺の火災と銅板の安置場所

4 銅板の制作年代

5 見宝塔品

6 脚注

7 出典・参考文献

8 関連項目

概要

古くから長谷寺に伝わる縦83.3cm、横75.0cm、厚さ約2cmの比較的大型の銅板である。その表面には鋳出・押出などの金工技法によって、『法華経見宝塔品に説かれる多宝塔の出現十方諸仏の参集などの光景、いわゆる『法華経』迹門のクライマックス場面が浮き彫りにされている。

その銅板図の下には造立の由来などの銘文が、古代日本の刻銘では極めて特殊な浚い彫りという技法を用いて刻されている(#銘文の彫刻技法を参照)。また、その書風は、日本では7世紀後半に限定的に盛行した中国・初唐欧陽詢風で、『金剛場陀羅尼経』(686年)の書風に酷似している(#書体・書風を参照)。

このように、本銅板は美術作品と文字史料とをあわせもつ特徴があり、美術史研究者のみならず、書道史金石学・金属工芸技術を専門とする研究者など、多分野の研究者が関心を集める作品である。

造仏造塔の功徳は莫大であるとする仏法の教義に基づき、本銅板は天皇のために造立したと銘文に見える。そして、その天皇を「飛鳥清御原大宮治天下天皇」と表現しているが、飛鳥浄御原宮の宮号を冠した天皇の呼称は、天武天皇持統天皇の両方に用いられ、また、年紀の「歳次降婁」は単に戌年の意であるため、制作年の特定が難しく、大きな争点となった。ゆえに本銅板の研究の歴史は、主としてその制作年代の解明を目的とするものであった(#銅板の制作年代を参照)。

長谷寺では長い間、本銅板を秘匿しており、江戸時代の学者・狩谷棭斎などもその存在を知らなかったが、1876年(明治9年)の同寺・三重塔の火災に際して世の知るところとなった。その火災のときに、銅板の右下部分が銘文の一部とともに欠損したという伝承がなされているが、これは誤伝である。1828年(文政11年)に現在と同じ文字の欠損がすでに記録されている[6]。なお、その1828年での安置場所は三重塔ではなく、同寺・宝蔵であり、長く宝蔵に秘匿されていた(#長谷寺の火災と銅板の安置場所を参照)[1][2][4][7][8][9][10]
彫刻内容と金工技法

彫刻位置金工技法
多宝塔上段と中段の中央鋳出
三尊像上段の左右
七尊像中段の左右
仁王像下段の左(右は木製)
十方諸仏(千体仏)上段の一面押出
銘文下段の中央浚い彫り
小仏坐像上段の周縁部の上辺鋳出
小仏立像上段・中段の周縁部の左辺と右辺
奏楽天人下段の周縁部線彫り
上・中・下段に分かれる銅板図の上段には、多数の押出仏を貼付して十方諸仏(千体仏)をあらわし、その左右には三尊像が鋳出されている。中段の中央から上段の中心までは三層の多宝塔が鋳出されており、その下層には二仏並座の様子が、中層には多宝如来が、上層には多宝如来の舎利を納めた容器が、最上部には3本の相輪が表現されている。その中段の多宝塔の左右には七尊像が鋳出されている。下段の左側の仁王像は鋳出によるが、右側の仁王像は欠損しており、現在は木材によって補われている。その左右の仁王像の中央に浚い彫りの銘文がある(#銘文の彫刻技法を参照)。銅板の周縁部は4辺とも升目状に区画され、上段と中段の3辺には48の升目がある。その升目の中に一体ずつ小仏が鋳出され、上辺の小仏は坐像(22体)、左辺・右辺の小仏は立像(13体ずつ)が配置されている。下段の3辺の升目の中には一体ずつ奏楽天人が線彫りされている[4][7][11]


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