利用者:つのふえ/交響曲第8番_(マーラー)
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音楽・音声外部リンク
全曲を試聴する
8a Sinfonia de Mahler - ジュゼップ・ポンス(Josep Pons)指揮スペイン国立管弦楽団・合唱団他による演奏。スペイン国営放送(RTVE)公式Webサイトより。
維港音樂節:馬勒第八交響曲 - 香港電台網站(rthk.hk)公式Webサイトより

Part-I・Part-II - 公演指揮者曾智斌(Jimmy Chiang)の公式YouTube
以上演奏2点いずれも、曾智斌(Jimmy Chiang)指揮「香港フィル、香港室内管、ウィーン響ウィーン放送響…他」の各楽団員から成る混成楽団による演奏《なお、以上列挙演奏映像2点は同一映像》。

交響曲第8番(こうきょうきょく だい8ばん、ドイツ語: Symphonie Nr. 8)変ホ長調グスタフ・マーラーが作曲した8番目の交響曲
概要

マーラーの「ウィーン時代」の最後の作品であり、同時にマーラー自身が初演し耳にすることのできた最後の作品となった。 第8番の編成は、交響曲第7番までつづいた純器楽から転換し、大規模な管弦楽に加えて8人の独唱者および複数の合唱団を要する、巨大なオラトリオあるいはカンタータのような作品となっている。構成的には従来の楽章制を廃した2部構成をとり、第1部では中世マインツ大司教ラバヌス・マウルス(776??856)作といわれるラテン語賛歌「来たれ、創造主たる聖霊よ」、第2部では、ゲーテ戯曲ファウスト 第二部』の終末部分に基づいた歌詞が採られている。音楽的には、音階組織としての調性音楽からは逸脱していないが、大がかりな編成、極端な音域・音量、テキストの扱いなどに表現主義の特質が指摘されている。

演奏規模の膨大さから『千人の交響曲』(Symphonie der Tausend )の名で広く知られているが、これはマーラーによる命名ではなく、初演時の興行主であるエミール・グートマンが話題づくりのために付けたものである。マーラー自身はこの呼び名を認めておらず、嫌悪していた[1][2]

この初演については後述するが、マーラーの自作演奏会として生涯最大の成功を収めたと同時に、近代ヨーロッパにおいて音楽創造が文化的事件となった例のひとつとなった。

この曲についてマーラーは、ウィレム・メンゲルベルクに宛てた手紙で以下の通り述べている。“私はちょうど、第8番を完成させたところです。これはこれまでの私の作品の中で最大のものであり、内容も形式も独特なので、言葉で表現することができません。大宇宙が響き始める様子を想像してください[3]。それは、もはや人間の声ではなく、運行する惑星であり、太陽です”“これまでの私の交響曲は、すべてこの曲の序曲に過ぎなかった。これまでの作品には、いずれも主観的な悲劇を扱ってきたが、この交響曲は、偉大な歓喜と栄光を讃えているものです”

第8番はマーラーの作品中最大規模であるだけでなく、音楽的にも集大成的位置づけを持つ作品として、自他ともに認める存在であった。音楽作品としてきわめて肯定的かつ信仰や生に対する壮大な賛歌であり、マーラーはこの作品を妻のアルマに献げている[注釈 1]。グスタフ・マーラーが自身の作品を他者に献呈したのは、これが唯一である[4]
作曲の経過
マーラーの奮闘と周囲との軋轢

ウィーン宮廷歌劇場におけるマーラーの妥協を許さない「完全主義者」ぶりは、歌劇場内外で波紋を呼んでいたが、マーラーが1903年ごろからしばしばウィーンを離れて自作交響曲を指揮して回るようになったことが、反ユダヤ主義の影響のもと、いっそうウィーンの聴衆・批評家たちの反感を買うようになっていた。一方で、マーラー自身も自作の演奏機会の拡大とともに、より作曲に専念できる環境を求めるようになっており、歌劇場での活動との両立が困難になり始めていた。

1905年秋、リヒャルト・シュトラウスの楽劇『サロメ』をウィーン宮廷歌劇場で上演しようと尽力するが、検閲のために果たせなかった。このことは、後にマーラーが歌劇場を辞任する遠因となった。同年11月から始まったアルフレート・ロラーの舞台装置と新演出によるモーツァルトのオペラ・チクルスは、11月24日の『コジ・ファン・トゥッテ』を皮切りに、12月21日『ドン・ジョヴァンニ』、翌1906年1月29日『後宮からの誘拐』、3月30日『フィガロの結婚』、6月1日『魔笛』とつづいた。

1906年5月27日、エッセンで自作の交響曲第6番を初演。このときロシアのピアニスト、オシップ・ガブリロヴィッチと知り合う。ガブリロヴィッチは、後にアメリカでマーラーの音楽の普及に努めた。


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