初期近代英語
English
話される国イングランド、 スコットランド南部、英国植民地
消滅時期現代英語に移る
言語系統インド・ヨーロッパ語族
ゲルマン語派
西ゲルマン語群
初期近代英語
言語コード
ISO 639-3?
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初期近代英語(しょききんだいえいご、英: early modern English)は中英語時代の末の1450年頃から1650年頃の英語をいう。代表的な文献として後期に属するジェームズ王欽定訳聖書およびウィリアム・シェイクスピアの著作が挙げられる(欽定訳聖書は聖典という性格から、当時の口語と異なる古風な語法が用いられている)。現代英語しか知らない人でも大体理解できる程度に現代英語に近い。現在の英語では発音と綴りに若干乖離が見られるが、これは現在の綴りが初期近代英語期のまだ大母音推移が完了していない頃に定められたためである。
正書法初期近代英語における普遍的な基準とされるウィリアム・シェイクスピアの墓
* iesvs → jesus(iとj、uとvが同じ文字の別字形として使われる)
* T(ソーン)が変形してYが使われている
…などの多くの特徴がみられる。
初期近代英語における正書法は現代の英語と大凡似ているが、綴りは不安定だった。
初期近代英語の正書法のうち、現代に残っていない特徴的な綴りを下に挙げる。
文字Sは、現在使われているs(短いs)と?(長いs)の2つの別個の形が存在する。語尾には短いsが、他は長いsが使われた。特にsが2つ連続した場合、??または?sと書かれることがある(ドイツ語の合字en:s
しかし、確立された綴りは存在しなかった。例えば、"Julius Caesar"(ユリウス・カエサル)は
Julius Ca?ar
Ivlivs Ca?ar
Jvlivs Ca?ar
Iulius Ca?ar
などと様々に綴られた。また、 シェイクスピアの作品では、"he"(彼)が一つの文の中で"he"、"hee"と二通りに綴られたりした。 現代英語と初期近代英語では二人称の代名詞が異なる。初期近代英語では二人称単数にthou、複数および単数の人に対する丁寧な語形としてyeもしくはyouが用いられた(thouはすでに初期近代英語期に廃れて来ていたが神や下位の者に呼びかける場合や厳粛な場面で慣習的に残った)。格による語形変化があり、単数主格thou、所有格thy, thine、目的格thee、-self形thyself、また複数主格ye、所有格your、yours、目的格you、-self形yourself、yourselvesを取った。 一人称、二人称の代名詞は現在と大体同じであるが、一人称単数所有格と二人称単数所有格は冠詞のaとanと同様に子音で始まる名詞につくときにはmy、thy、母音で始まる名詞につくときはmine、thineという形をとった。 二人称単数現在の語尾-(e)stがあり(例"thou takest")、現在は-(e)sである三人称単数現在の語尾が-(e)thであった(例"he taketh")。 否定文を作る場合は、現代英語ではdo not go/don't goのようにdo+not+動詞の形を取るが、初期近代英語ではgo notのようにdoを使わず、動詞の後ろにnotをつけることも多かった[5]。
文法
代名詞
動詞
文献史の略年表
1476年 - ウィリアム・カクストンがウェストミンスターではじめて印刷を行う。この時は方言差による単語の揺れがある。
1485年 - チューダー朝成立。比較的に政治・社会上安定した時期に入る。
1491年または1492年 - リチャード・ピンソン
1509年 - ピンソンが王朝から公式の印刷師に任ぜられる。
1525年? - ウィリアム・ティンダル訳聖書が刊行される。
1539年 - 最初の公認の英語版聖書である大聖書が刊行される。
1549年 - トマス・クラマー
1557年 - トテル雑集が刊行される。
1590年?1612年 - ウィリアム・シェイクスピアが劇作品を記す。
1611年 - 欽定訳聖書が刊行される。同書はウィリアム・ティンダル訳聖書に大きな影響を受けている。
1640年?1660年 - 動乱期(清教徒革命およびクロムウェル時代)。
1662年 - 祈祷書の新版が刊行される。同書は1549年以後の版を元にしている。以後1662年版が標準となる。
1667年 - ジョン・ミルトン著「失楽園」が刊行される。
脚注[脚注の使い方]^ Burroughs, Jeremiah; Greenhill, William (1660). The Saints Happinesse. https://books.google.co.jp/books?id=ByU3AAAAMAAJ&redir_esc=y&hl=ja 例えば、happine?sや、ble??edne?s等のように綴られる。
^ Sacks, David (2004). The Alphabet. London: Arrow. p. 316. .mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 0-09-943682-5
^ Sacks, David (2003). Language Visible. Canada: Knopf. pp. 356?57. ISBN 0-676-97487-2
^ ワルター・ウィリアム・スケート(en:Walter William Skeat)は、著書"Principles of English Etymology"の中で、uやnの文字が合計三字続いた場合、よくuがoになった。sunneと書くと、sunueやsuvneのように誤読しかねない、それでsonneと書いたりする、と主張している。 (Skeat, Principles of English Etymology, Second Series. Clarendon Press, 1891. Page 99.)
^ Denison, David (1993/7/5) (English). English Historical Syntax. Routledge. ISBN 978-0582291393 のp.450 15.2.2.3項 "Finite lexical verb + NOT" 参照。Ramon Varela Perez, Jose (1997). ⇒“The use of periphrastic do in Early Modern English negative declaratives: evidence from the Helsinki Corpus”. SEDERI (Sociedad Espanola de Estudios Renascentistas Ingleses) 8: 35-43. ⇒http://sederi.org/docs/yearbooks/08/8_4_varela.pdf 2016年4月24日閲覧。. にはヘルシンキコーパス内でのdoの使用率の変化が表にまとめられている。
関連項目
近代英語
近代英語(16世紀から19世紀まで)
後期近代英語
表
話
編
歴
ゲルマン語派
祖語
ゲルマン祖語†
東ゲルマン語群
ゴート語†
クリミアゴート語†
ヴァンダル語(英語版)†
ブルグント語(英語版)†
北ゲルマン語群
ノルド祖語†
古ノルド語†
デンマーク語
ノルウェー語
ブークモール
ニーノシュク
スウェーデン語
アイスランド語
フェロー語
グリーンランドノルド語†
古ゴットランド語†
ゴットランド語
ノルン語†
西ゲルマン語群
古ザクセン語†
古フランク語†
アングロ・
フリジア語群
ジュート語†
ヨーラ語(英語版)†
フィンガリアン語(英語版)†
英語
古英語†
中英語†
近代英語
初期近代英語†
後期近代英語
現代英語
イギリス英語
アイルランド英語
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古フリジア語†
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