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フランス出身の画家ジュール・アルセーヌ・ガルニエ(Jules Arsene Garnier、1847年 - 1889年)が1872年に発表した絵画「初夜権(Le Droit du Seigneur)」。中央に領主と新婦(妻)、左側に新郎(夫)と説得する神父、周辺に警護する家臣やそれらを見物する民衆が描かれている。ガルニエが初夜権の様子を想像して描いた絵画である。
初夜権(しょやけん)とは、主に中世のヨーロッパにおいて権力者が統治する地域の新婚夫婦の初夜に、新郎(夫)よりも先に新婦(妻)と性交(セックス)することができた権利である。 初夜権 は、領主や酋長などの権力者、または神官や僧侶などの聖職者、あるいは長老や年長者といった世俗的人格者などが、所有する領地や統治する共同体において、婚約したばかりの男女や結婚したばかりの新婚夫婦が存在した場合、その初夜において新郎(夫)よりも先に新婦(妻)と性交することができる権利を指す。または、成人(大人)の年齢や結婚適齢期を迎えた女性と何らかの性行為を行い、その処女性を奪うことができる権利なども指す[1][2][3][4]。 初夜権について記録された文献は古今東西に多く存在していて、伝聞や伝承の記録も残されている。 初夜権の語源は、ラテン語の「ユス・プリマエ・ノクティス(Jus Primae Noctis)」が最初に意訳された言葉として知られる。「Jus」は「権利」、「Primae」は「最初の」、「Noctis」は「夜」である[1][2][5]。 現在はフランス語の「ドゥワ・デュ・セニエル(Droit du Seigneur)」が初夜権を意訳する言葉として世界各国で知られており、直訳は「領主の権利」といった意味である[3][4][6]。 英語では「ゴッズ・ライト(God's right)」で「神の権利」や「ローズ・ライト(Lord's right)」で「領主の権利」などとして初夜権を意味したり、「ローズ・ファーストナイト(Lord's first night)」で「主の初夜」や「ライト・オブ・ザ・ファーストナイト(Right of the first night)」で「初夜の権利」とする場合が多い[7]。 初夜権の日本における類語には、「初婚夜権(しょこんやけん)」や「処女権(しょじょけん)」などがある。また、ごく少数ではあるが「股の権利(またのけんり)」や「股権(またけん)」という隠語が使用されることがある[注 1]。 なお、女性の処女喪失や処女性が失われるような性行為は、古くは「破瓜(はか)」や「破素(はそ、はす)」などと呼ばれた。また、主に四国地方の古い方言とされる「新鉢」は、「あなばち」や「あらばち」と読み、「あなばち割る」や「あなばち破り(わり)」、「はち割り」などが処女喪失の儀式を意味するなど、様々な類語が存在している[1][注 2][8]。 初夜権の時代と地域は、主に中世(5世紀頃から15世紀頃)のヨーロッパで存在したとする説が多い。また、インドのヒンドゥー教や東南アジアの仏教を信仰していた民族、北極圏のエスキモーや南米のインディアンの中に存在した祈祷師(シャーマン)を頼っていた人々などにも散見されたとする説が多い[3][4]。
概要
語源
類語
時代と地域
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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