列福
[Wikipedia|▼Menu]

列福(れっぷく、ラテン語: Beatificatio、英語: Beatification)は、キリスト教カトリック教会において聖性が認められ、聖人: Sanctus、西: Santo)に次ぐ福者: Beatus、西: Beato)の地位に上げられることをいう。
列福まで

現在のカトリック教会では、列福はローマ教皇庁によって行われる。生前、その生き方において、聖性を示していたと思われる人物は死後、申請が行われることによって列福調査が始められることがある。列福されるには、まず当該人物の生活した地域の司教による調査が行われ、そこで徳と聖性が認められることでローマ教皇庁の列聖省に資料が送られ、そこで2度目の調査・審議が行われる。また、列福においては、1831年教会法改正以降、その人物の取次ぎによる最低1つの奇跡(超自然的現象)が必要とされるが、殉教者である場合はその限りではない。

厳しい審査を終えて、教会において福者の位置に加えるのがふさわしいと判断されると、バチカンのサン・ピエトロ大聖堂において列福が宣言される。通常、列福式はバチカンで行われる。例外的に、初めてバチカン以外で行われた列福式は1981年フィリピンマニラで行われたフィリピン人初の福者(のちに聖人)であるロレンソ・ルイスの列福式であった。ルイスは16世紀に日本で殉教した。

すべての福者はその記念日をもっており、通常は命日がそれにあたる。場合によっては、さらに列聖調査が行われ、聖人に列せられることもある。

中世において、一部の列福は司教の権限で行われることもあった。その中には今日の基準からすれば問題のあるものも少なくない。たとえばカール大帝は宮廷付司教によって死後すぐに列福されたが、その後、彼が列聖されることはなかったし、福者としての崇敬もほとんど行われてこなかった。現在、アーヘンオスナブリュックでは、カール大帝を記念するミサを行う許可が与えられてはいるものの、「福者」と呼ばれることはない。

なお正教会において、表現上「福者」と類似する「福(さいわい)なる」「福(ふく)」(Blessed)は聖人の称号の一つであり、混同されるべきではない。
日本における列福式

日本における列福式は2例ある。

2008年11月24日日本初の列福式が長崎県長崎市長崎県営野球場で行われ、ペトロ岐部のほか、江戸時代に日本各地で殉教した計188人が福者となった(ペトロ岐部と187殉教者)。

2017年2月7日大阪府大阪市大阪城ホールで、キリシタン大名高山右近の列福式が行われ、右近が福者に列せられた。

外部リンク

Catholic Encyclopedia: Beatification and Canonization (英語)

典拠管理データベース
国立図書館

スペイン

フランス

BnF data

ドイツ

イスラエル

アメリカ

チェコ

その他

現代ウクライナ百科事典


記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:6183 Bytes
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef