『刑事犬養隼人』(けいじいぬかいはやと)は中山七里の推理小説のシリーズ。ここでは著者の作品に多岐にわたって登場する警視庁刑事部捜査一課刑事・犬養隼人を主人公とした作品を扱う。
当初はシリーズ化を見込んでの執筆ではなかったが、好評だったために出版社から続編のオファーがあり、シリーズ化が決定した[1]。そのため、単行本にはシリーズの一作であることは明記されておらず、第1作の『切り裂きジャックの告白』と第2作の『七色の毒』が文庫化された際、副題に「刑事犬養隼人」の文字が加えられ、シリーズであることが初めて明確化された。また、このシリーズでは過去の有名なダークヒーローを使うことが決めごととされており[1]、「命」をテーマに扱っている[2]。
2015年、朝日放送の制作により、テレビ朝日系でテレビドラマ化され、主人公・犬養隼人を沢村一樹が演じた。ドラマシリーズ第2弾が2016年9月に放送。
2020年、『ドクター・デスの遺産』が『ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-』のタイトルで映画化予定[3]。目次
1 シリーズ一覧
2 登場人物
3 テレビドラマ
3.1 キャスト
3.1.1 警視庁
3.1.2 その他
3.1.3 ゲスト
3.2 スタッフ
3.3 放送日程
4 映画
5 脚注
6 外部リンク
シリーズ一覧
切り裂きジャックの告白
単行本:角川書店、2013年4月26日発売[4]、ISBN 978-4-04-110440-8
文庫本『切り裂きジャックの告白 刑事犬養隼人』:角川文庫、2014年12月25日発売[5]、ISBN 978-4-04-102051-7、解説:永江朗
七色の毒(短編集)
単行本:角川書店、2013年7月31日発売[6]、ISBN 978-4-04-110495-8
文庫本『七色の毒 刑事犬養隼人』:角川文庫、2015年1月24日発売[7]、ISBN 978-4-04-102046-3
タイトル初出
赤い水『小説 野性時代』2012年7月号
黒いハト『小説 野性時代』2012年12月号
白い原稿『小説 野性時代』2013年2月号
青い魚『小説 野性時代』2013年3月号
緑園の主『小説 野性時代』2013年4月号
黄色いリボン『小説 野性時代』2013年5月号
紫の献花
(文庫収録時「紫の供花」に改題)書き下ろし
ハーメルンの誘拐魔
単行本:KADOKAWA、2016年1月29日発売[8]、ISBN 978-4-04-103209-1
文庫本『ハーメルンの誘拐魔 刑事犬養隼人』:角川文庫、2017年11月25日発売[9]、ISBN 978-4-04-106357-6、解説:新井見枝香
ドクター・デスの遺産
単行本:KADOKAWA、2017年5月31日発売[10]、ISBN 978-4-04-103997-7
文庫本『ドクター・デスの遺産 刑事犬養隼人』:角川文庫、2019年2月23日発売[11]、ISBN 978-4-04-107794-8、解説:宮下洋一
カインの傲慢
単行本:KADOKAWA、2020年5月29日発売[12]、ISBN 978-4-04-109423-5
登場人物
犬養 隼人(いぬかい はやと)
警視庁捜査一課の巡査部長[13]⇒警部補[14]。麻生班所属[15]。30代半ば。目や唇の動きを見ただけで嘘を見抜く鋭い観察眼を持っており、「野郎の嘘を見抜く名人」と言われ、男の犯人に限るなら検挙率は本庁で1,2位を争う捜査一課のエースだが、なぜか女には滅法弱く、ティーンエイジャーにすら騙されてばかりいる[16][17]。すらりと背が高く、涼しげで目鼻立ちが整った俳優のような顔をしているため、〈無駄に男前の犬養〉と他の部署にも有名[17]。