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出典検索?: "刑事コロンボ"
刑事コロンボ
Columbo
「権力の墓穴」からピーター・フォーク(右)とリチャード・カイリー
原案リチャード・レヴィンソン
ウィリアム・リンク
出演者ピーター・フォーク
国・地域 アメリカ合衆国
言語英語
話数69(各話リスト)
各話の長さ73分(30本)
98分(39本)
製作
製作総指揮フィリップ・ザルツマン[1]
撮影体制シングル・カメラ
放送
放送チャンネルNBC(1968年 ? 1978年)
ABC(1989年 ? 2003年)
映像形式フィルム
音声形式モノラル
ステレオ
放送期間1968年2月20日 - 2003年1月30日
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『刑事コロンボ』(けいじコロンボ、原題: Columbo)は、アメリカ合衆国で制作・放映されたサスペンス・テレビ映画シリーズである。全69話。
日本においては、アメリカでの初放映が1968年から1978年までの45本は『刑事コロンボ(けいじコロンボ)』、アメリカでの初放映が1989年から2003年までの24本は『新・刑事コロンボ(しん・けいじコロンボ)』との邦題で放映された[注釈 1]。 制作はユニヴァーサル映画。リチャード・レビンソンとウィリアム・リンク(Levinson & Link
概要
『アルフレッド・ヒッチコック・ミステリー・マガジン(英語版)』1960年3月号に掲載されたリチャード・レヴィンソン(英語版)とウィリアム・リンク(英語版)による「愛しい死体」(「May I come in?」、掲載時のタイトルは「Dear Corpus Delicti」)は皮肉な結末が読者に鮮烈な印象を与えた(邦題は『ミステリマガジン』(早川書房)2011年11月号掲載の邦訳版に拠る)[2]。この作品にコロンボ警部は登場しないが、登場するニューヨーク市警のフィッシャー警部に後のコロンボ警部を予感することはできる[2]。また、この作品で使われたアリバイトリックは『刑事コロンボ』の「殺人処方箋」にも使用されている[2]。
レヴィンソンとリンクは、クライムノベル的だった「愛しい死体」を倒叙ものにすると共に犯人と探偵役との対決物語へとつくりかえ、1960年に『The Chevy Mystery Show(英語版)』内で放送されたエピソード「Enough Rope」とした[2]。「Enough Rope」に探偵役を登場させるにあたり、レヴィンソンとリンクは『罪と罰』でラスコーリニコフを追い詰めるペトローヴィチ判事を参考にコロンボ警部というキャラクターを創造した[2]。「Enough Rope」でコロンボ警部を演じたのはバート・フリード(英語版)で、フリードにとっては数多く演じた刑事役の1作品に過ぎず、自身の印象にも残らない作品であった[2]。舞台『殺人処方箋』(1962年)
演劇ファンであり、劇作家になることを夢見ていたレヴィンソンとリンクは「Enough Rope」をボリュームアップさせ再構築し、『殺人処方箋(Prescription: Murder』を書きあげた[2]。大物プロデューサーであるポール・グレゴリーの手により、コロンボ警部役をトーマス・ミッチェル、犯人の精神科医ロイ・フレミング役をジョゼフ・コットンといった豪華キャストで、サンフランシスコを皮切りに25週にわたってアメリカ-カナダツアーが行われ、大成功に終わった[2]。この公演では主役は犯人役のコットンであったが、それを上回る喝采をミッチェルが受け、観客にとってコロンボ警部が真の主役であることの証左となった[2]。後にコロンボ警部のトレードマークの1つとなるレインコートは未だ着用されておらず、フリード版ではトップコート、ミッチェル版ではオーバーコートを着用している[2]。また、舞台版はニューヨークを舞台とする点でも後のテレビシリーズとは異なる[2]。そういった後のテレビ番組との差異もあるが、「あと1つだけ」「うちのカミさん」「あたしたちはプロ、犯人は所詮素人」といったテレビシリーズでもコロンボ警部の名台詞となるような台詞は既に舞台版の台詞として脚本に記されており、犯人とコロンボ警部の緊迫したやり取りもあるなど、コロンボ警部のキャラクター像は舞台版で明確になったと言える[2]。
しかしながら、ミッチェルは体調不良のため舞台を途中降板し、その後、世を去ることになる[2]。レヴィンソンとリンクはミッチェルに代わる役者を探したが、ミッチェル同様に年老いた俳優を探したために適役が見つからなかった[2]。『ポケット一杯の幸福』でミッチェルと共演したことのある「目つきのよくない“怪優”」ピーター・フォークをコロンボ警部役に、舞台版の脚本をさらにひねったアレンジで1968年に再度テレビ版単発作品をパイロット版が製作される[2]。フォークにとっては、初めての本格的な刑事ドラマとなった。
1968年から1978年まで45本がNBC(1971年から「NBCミステリー・ムービー」という番組枠)で放送され(邦題『刑事コロンボ(けいじコロンボ)』。英語表記を片仮名で表す場合はコロムボとなる場合もある)、1989年から2003年までの24本はABCで放送された(邦題『新・刑事コロンボ(しん・けいじコロンボ)』)[注釈 1]。原題はすべて『Columbo』で、オープニングタイトルでは一貫して「Peter Falk as Columbo」とのテロップが表示された。
独特のテンポで進むストーリーで、知的で社会的地位も高い犯人が完全犯罪を目論むも、一見愚鈍で無害そうなコロンボ警部にアリバイを突き崩され、自ら破滅の道を転落する必罰的展開ながら、コロンボ警部と犯人との駆引き、静かにそして確実に追い詰められて行く犯人の内面の葛藤・焦りといった感情描写や、コロンボ警部のユーモラスな台詞回しなど、そのいずれもが味わいのある1話完結の人間ドラマとなっている。脚本家も監督もメインと呼べるほど多数を担当をした者はおらず、基本設定を厳守した中で各自の個性を発揮する競作となっていることもあって、設定を深追いしていくようなキャラクター・ドラマの方向へは進まなかった。