郵便切手類・紙幣の画像を紙に印刷すると、日本国内においては法令違反となる場合があります。詳しくは解説「Wikipedia:切手類の画像」をお読みください。
世界最初の切手「ペニー・ブラック」(1840年)ペルーで発行された世界最初の記念切手(1871年)日本最初の切手(1871年)フィンランド内戦中、フィンランド軍が占領したカレリア東部のアウヌス(現・オロネツ)で発行されていた切手(1919年)
切手(きって、英語: stamp,ドイツ語: Briefmarke)は、郵便事業で行われる諸々のサービスの、料金前納を証明する証紙である。郵便物に貼って差し出されることが多いため、「郵便切手」とも呼称する。時に宣伝媒体として用いられたり、古銭・紙幣や骨董品と同様に趣味の収集対象(切手収集、郵便趣味)となったりする。 「切手」という名称はもともとは持参人に表示された商品を引き渡す一種の商品券を意味するもので、当初は「切符手形」と称していたが、その後、略されて切手とされるようになった。江戸時代には通称名を「蔵預かり切手」と呼称した。米切手はその代表格である[注釈 1]といわれ、蔵屋敷などの交換所で商品と交換することができた。やがてこれらの手法が民間にも派生し、1777年には大阪の菓子屋、虎屋伊織が饅頭切手を発売した。以後、羊羹やうなぎ、鰹節、酒などの切手も江戸を含む各都市の商家で発売[1]され、庶民に定着した。そのため、明治時代に郵便料金の支払いを証明する意味で「切手」が使われるようになった際には、他の類似証券類が別の名称を区別して扱われるようになった[注釈 2]。現在では、切手といえば、郵便料金を前納したことを証明するために手紙などの郵便物に貼る金券の一種の紙片のことを表すようになった。広く認知されている郵便と切手の関連性から、JPタワー内の日本郵便が手がけた初の商業施設にも「KITTE」の愛称がつけられている[2]。 英語では切手は "stamp"(スタンプ)というが、これには証紙の意味もある。もともとイギリスでは言論統制の手段として新聞に税金をかけていたが、その新聞税納税の証拠として証紙が印刷されていた。この証紙のことを "stamp" と呼称していたため、同様に郵便税(郵便料金)を前納した証拠としてそのまま使われるようになった。そのような出自もあってか、英連邦諸国では、切手は印紙としての機能も持っていた。 現在、多くの国の郵便事業者は、郵便のみにその役割を限定され、切手の役割も郵便物の料金前納に限られている。しかし、たとえばかつての日本では、郵便事業者が電話や電信、貯金なども管轄していたため、これらさまざまな料金の納入にも用いられていた。また、イギリスなど、国によっては収入印紙などとしても用いられていた。また、郵便切手は郵便料金の徴収だけでなく、国家的政策や文化の宣伝など宣伝媒体とする実用目的があるほか、古銭や骨董品と同様に収集品の対象となっており、郵政事業の重要な財源の一つとなっている。 多くは小さな紙[注釈 3]に印刷されたものである。ほとんどは長方形で、サイズは比較的小型である日本の普通切手で一辺が18 - 20ミリメートル程度である[3]。記念切手や特殊切手には縦長や横長のものが多く、最大で一辺50ミリメートル程度まである。
切手の名称
切手の概要