この項目では、カルトの関連語について説明しています。日本の新左翼党派については「セクト (新左翼)」をご覧ください。
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やノートページでの議論にご協力ください。セクト(Sect)は元来、それぞれの宗教から派生した「分派」のこと。一様には定義できないが、近年、宗教団体による深刻な社会問題がしばしば起こったことで、ヨーロッパの各国でも同様な法整備がなされたことから、セクトには「カルト」と関連する語として、社会的に警戒を要する団体という否定的な意味も加わった。日本では、「セクト」と「カルト」は、かなり異なる概念を表す[1]。 「セクト」(Sect) という言葉は「後を追う・続く・受ける」を意味するラテン語「secta」から派生したものという説がある。また、「結ぶ・繋がる」を意味するラテン語「religare」が「religion」(宗教)となったことに関連して、「切る・断つ」を意味するラテン語「sectare」から派生したものとする語源学者もいる。このように「セクト」とは、既に認知・確立されている宗教の「分派」、もしくは、思想的指導者のもとに集まった人たちの「集まり」、を指す。こうしたことから、仏教、ヒンドゥー教、神道、道教などから派生した団体を指して「セクト」という表現をする。しかしながら、前出の宗教が離脱や分裂に対して、比較的寛容であったのに対し、教えの正統性を重視するキリスト教は、離脱や分裂そのものに反対してきた。キリスト教国で「セクト」の語が否定的な意味合いを持つのは、こうしたことによる。 現在の代表的宗教の幾つかは、それ以前に存在していた宗教のセクト(分派)が起源になっている。例えばキリスト教は、ユダヤ教のセクトとして派生し、ユダヤ教の教義(『旧約聖書』)を継承している。これらの宗教は、時を経るにつれて信者を増やし、別個の宗教として公に認知されるようになったのである。 ラテン語の「secta」に相当するギリシア語は、「haireis」(選択、教義の好み)である。「heresie」(エレジー)とは元々、思想の学派(学校)のことであった。古代の哲学者エピクロスが自らの理想の実践のために作った「エピクロスの園」は、そうした「hairesis」の一つであった。古代においては、「セクト」の語源となった「haireis」に軽蔑的なニュアンスは無かったのである。後世になり、ある特定の宗派が政治権力と結びつくに至ると(例:コンスタンティヌス1世によるキリスト教の公認)、「orthodoxie」(正統派)という観念や、「heterodoxie」(異端・異説)」という観念が発生した。正統とは「王のセクト」に過ぎなかったとする見方をする著作もある。 19世紀にマックス・ヴェーバー (Max Weber) とエルンスト・トレルチ (Ernst Troeltsch) の二人の社会学者が、「セクト」とは「社会に対し、強硬的かつ断絶的な姿勢を持つ過激主義的宗教グループ」であると定義した。これにより、教会は社会による二極分化的な評価に晒され、多くの宗教は穏健な社会的地位を獲得した。 この定義は20世紀末まで受け継がれたのであるが、近代社会において「セクト」の意味合いが変化していることから、今日の現状に即していないと考える人たちがいる。しかし、様々な議論があるため、「セクト」の語義と定義についての意見の一致は難しいのが現状である。 この社会学的定義においては“セクトと社会の断絶性”が根本的な判断基準となる。この断絶こそが常に問題とされるのであり、見方によって、セクトに問題があるとされたり、社会の側にこそ問題があるとされる。ある者は損失だと言い、ある者は利益だと言うように、解釈は分かれる。一方にとっては予防策であり適切な懲罰であるが、他方にとっては迫害なのである。時として事態は、対立や内戦に発展することもある。 プロテスタントが長い間、カトリック教会から「異端」とみなされて、ルネッサンス期には弾圧を受け、ヨーロッパにおける長期の戦争(フランスやドイツにおける内戦、宗教を異にする国による戦争)や虐殺(1572年8月23日のサン・バルテルミの虐殺、マクデブルク占領など)に発展したのはこうしたことによる。
定義
語源
社会学的定義