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「分水嶺」はこの項目へ転送されています。1977年に放送されていた日本のテレビドラマについては「分水嶺 (テレビドラマ)」をご覧ください。
世界を分割する分水界
分水界(ぶんすいかい、英: drainage divide)とは、異なる水系の境界線を指す地理用語で、山岳においては稜線と分水界が一致していることが多い。分水嶺(ぶんすいれい)とも呼ばれる。古くは水分(みくまり)とも呼称した。山岳だけでなく平地にも点在している。 水は高いところから低いところへと流れる。したがって稜線のどちら側に降るかで流れ込む川が変わり、注ぐ海が変わってくる。山岳においてはこのような違いが大変明瞭な形で現れてくるが、一見平坦な地形のところでもこのような営みが行われている。 例えば、広島県安芸高田市向原町戸島の「分水界泣き別れ」は平坦な水田の中にある。これより北側は江の川に流れ込んで日本海へ注ぎ、南側は太田川に流れ込んで瀬戸内海に注ぐことになる(なお、安芸高田市には八千代町上根峠にも平坦地での分水界がある。これは日本における河川争奪の代表的な例である)。 もうひとつ平坦な地形での分水界の例を示す。それは武蔵野台地の場合である。武蔵野台地では残堀川や野川、仙川など多摩川水系の河川と、黒目川、柳瀬川、空堀川など荒川水系の河川とが流れている。 当然、双方の水系の接するところ、すなわち分水界が存在するわけだが、玉川上水がほぼそれにあたる。最も高いところに上水を通すことで分水を自然に流下させることができ、灌漑面積を効率的に拡大できるのである。 日本は島国でありかつ山国でもあることからその分水界は小規模であるが、平地にも点在することから、観光地として紹介されている場所もある。 中央分水界(中央分水嶺)とは、日本の太平洋・瀬戸内海側と日本海・東シナ海側とを分かつ分水界である。ただし、例えば津軽海峡や錦江湾(鹿児島湾)などのような、太平洋と日本海・東シナ海の境界にある海域をどちらの海域として扱うかによって結果が異なる。水分れ公園の分水界。真っ直ぐ伸びている加古川と右側に伸びている由良川が分かれている。 末端以外の中央分水界で最も高度が低いところは、本州では兵庫県丹波市氷上町石生(いそう)「石生新町」交差点付近の標高95 m[1]である。この最低点の東800 m付近に「水分れ(みわかれ)公園」があり、公園内で水路が加古川(瀬戸内海/太平洋)側と由良川(日本海)側とに分かれている。日本列島全体では、日本山岳会により中央分水嶺踏査事業[注釈 1]が進められた結果、北海道の新千歳空港付近を標高13.7 mの中央分水界が通っているとされた[2]。一方、最高点は乗鞍岳の3026 mである。 その他、北海道でのオホーツク海側と太平洋側の分水嶺、東海・近畿・四国・九州での太平洋側と瀬戸内海側の分水嶺、北部九州での日本海と東シナ海の分水嶺を準中央分水嶺という。 この場合も、根室海峡が太平洋かオホーツク海か、大阪湾・紀伊水道・豊後水道が太平洋か瀬戸内海か、対馬海峡(玄界灘・壱岐水道含む)が日本海か東シナ海かで結果は異なる。 分水界を見つけるには下流から遡っていくと良い。海や湖に注いでいる河口を持つ流れを本流とし、それに合流している流れを支流として上流に遡って行くのである。このようにして見出された一連の体系を行政では水系といい、その他の水系との境界が分水界というわけである。 原則として河口から最も遠くへ行ける流れが本流であるが、そうなっていないケースもある。アメリカ大陸を流れるミシシッピ川は支流のミズーリ川を遡って行った方が長くなることが知られている。 分水界に合致しない水系も多々存在する(例:利根川水系・阿賀野川水系)。なお、水系の名称は本流(本川)の名称から取られるのが普通である。例えば信濃川水系とか石狩川水系といった具合である。 分水界によって世界を分割することが出来る。 ヨーロッパにおける分水界については、ドナウ川項目中の「源泉と分水嶺」の項を参照。またドイツ語版およびオランダ語版に詳しいので、こちらも参照することを薦める。 太平洋分水界は、日本、韓国、北朝鮮、中国、ロシアの南東部、インドネシアとマレーシアの大部分、フィリピン、その他の太平洋の島々、およびオーストラリアのグレートディバイディング山脈以東の地域、アラスカを含むアメリカおよびカナダのロッキー山脈の西側の地域、メキシコおよび中央アメリカ、そしてアンデス山脈より西の南アメリカ大陸の海岸部からなる。 大西洋分水界は、アメリカ東部海岸、カナダの沿岸地域、ニューファンドランドおよび北アメリカのラブラドル、セント・ローレンス川および五大湖、さらに南アメリカはアンデス山脈より東の地域のほとんど、北ヨーロッパ、サハラ以南のアフリカ西部からなる。 地中海分水界は、南ヨーロッパと東ヨーロッパ、トルコ、レバノン、イスラエル、エジプト、リビアおよびスーダンのナイル川流域を含む、北東アフリカの多くからなる。
解説
日本の分水界(分水嶺)
牧野川-夏井川分水界(福島県田村市)
水分れ公園(兵庫県丹波市)
胡麻分水嶺(京都府南丹市日吉町胡麻)
ひるがの高原(岐阜県郡上市)
堺田駅前広場(山形県最上町)
分水界泣き別れ(広島県安芸高田市)
中央分水界
分水界の見つけ方
世界の分水界
太平洋
大西洋
地中海
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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