分圧回路(ぶんあつかいろ)[1]または分圧器(ぶんあつき)[2]とは電気回路において、印加された電圧を所定の比で分割する回路、または、機器[2]である。
分圧するための素子として抵抗器の他、インダクタやコンデンサを用いる場合もあり[2]、直流回路、交流回路に対して同様に適用できる[3]。
抵抗分割の法則2本の抵抗器による分圧回路
与えられた電圧を複数の抵抗を直列接続した回路に接続すると、各抵抗には与えられた電圧に対して抵抗値に比例した電圧がかかる。これを分圧則[4]、分圧の定理[5]という。
最も簡単な分圧回路は、右図のように2つの抵抗器 R 1 {\displaystyle R_{1}} 、 R 2 {\displaystyle R_{2}} で構成される。
R 1 {\displaystyle R_{1}} と R 2 {\displaystyle R_{2}} の直列回路に印加した直流電圧 V i n {\displaystyle V_{in}} によって電流 I {\displaystyle I} が流れる。このとき各抵抗にかかる電圧 V 1 {\displaystyle V_{1}} 、 V 2 {\displaystyle V_{2}} はオームの法則によりそれぞれ、
V 1 = R 1 I {\displaystyle V_{1}=R_{1}I}
V 2 = R 2 I {\displaystyle V_{2}=R_{2}I}
である。ここで、電流 I {\displaystyle I} は
I = V i n R 1 + R 2 {\displaystyle I={\frac {V_{in}}{R_{1}+R_{2}}}}
であるから、分圧回路の出力電圧 V o u t {\displaystyle V_{out}} は
V o u t = V 2 = R 2 R 1 + R 2 V i n {\displaystyle V_{out}=V_{2}={\frac {R_{2}}{R_{1}+R_{2}}}V_{in}}
となる[6]。
また、当初の結果から、それぞれの抵抗にかかる電圧はその抵抗の抵抗値に比例するので、
V 1 : V 2 = R 1 : R 2 {\displaystyle V_{1}:V_{2}=R_{1}:R_{2}}
であり、これを分圧比という。分圧則(分圧の定理)
V 1 : V 2 : V 3 = R 1 : R 2 : R 3 {\displaystyle V_{1}:V_{2}:V_{3}=R_{1}:R_{2}:R_{3}}
さらにこの結果を用いれば、n個の直列抵抗で分圧したとき、k番目の抵抗にかかる電圧は、
V k = R k ∑ i = 1 n R i V i n {\displaystyle V_{k}={\frac {R_{k}}{\sum _{i=1}^{n}R_{i}}}V_{in}}
であり[7]、分圧比は、
V 1 : V 2 : ⋯ : V n = R 1 : R 2 : ⋯ : R n {\displaystyle V_{1}:V_{2}:\cdots :V_{n}=R_{1}:R_{2}:\cdots :R_{n}}