出来ごころ
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この項目では、映画作品について説明しています。落語の演目については「出来心」をご覧ください。

出来ごころ
Passing Fancy
大日方傳(左)と坂本武(右)
監督小津安二郎
脚本池田忠雄
原案小津安二郎
出演者坂本武
大日方伝
伏見信子
突貫小僧
撮影杉本正二郎
編集石川和雄
製作会社松竹蒲田撮影所
配給松竹キネマ
公開 1933年9月7日
上映時間100分
製作国 日本
言語日本語
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『出来ごころ』(できごころ)は、1933年(昭和8年)9月7日公開の日本映画である。松竹キネマ製作・配給。監督は小津安二郎モノクロスタンダードサイレント、100分。

坂本武演じる喜八を主人公とした「喜八もの[1]」の第1作[2]で、物語はキング・ヴィダー監督の『チャンプ(英語版)』からヒントを得ている[3]。第10回キネマ旬報ベスト・テン第1位。
あらすじ伏見信子(左)と坂本武(右)

昭和初期の東京の下町。男やもめの喜八は、小学3年の息子・富夫を育てつつ工場で働く冴えない中年男である。弟分の次郎は元・戦友で、長屋の隣同士に住み職場も同じ長年の相棒だった。ある夜、仕事先をクビになり行き場のない若い娘・春江に一目惚れして宿を世話する喜八。

”かあやん”ことおとめが営む一膳飯屋で働き始める春江。春江に熱を上げた喜八は飯屋に通いつめて酒を呑み、工場も欠勤する有様だった。喜八には感謝しつつも、若く美男な次郎に気がある春江。しかし次郎のほうは冷たく彼女を拒む。春江から相談を受けて、次郎との仲の取り持ちを喜八に依頼する“かあやん”。失恋の痛みを隠した喜八は次郎を説得するが、次郎は頑なに断り続けた。

息子の富夫が急病で入院した。無事に退院したが入院費が払えない喜八。恩返しのために金を作ると言い出した春江が夜の商売に墜ちることを案じた次郎は、春江を想っていると打ち明けて引き止めた。次郎は、喜八の恋心を思い遣って春江を遠ざけていたのだ。

金を工面するために、北海道の漁師の募集に応じる次郎。それを知った喜八は、春江に別れを告げる次郎を殴って気絶させ、代わりに北海道行きの船に乗った。しかし、船が千葉の銚子に差し掛かる前に息子が恋しくなった喜八は、海に飛び降り、泳いで戻り始めた。
スタッフ

監督:
小津安二郎

脚本:池田忠雄

原案:ジェームス槇(小津)

撮影:杉本正二郎

撮影補助:長岡博之、星井秀雄

美術監督:脇田世根一

編集:石川和雄

キャスト

喜八:
坂本武

春江:伏見信子

次郎:大日方伝

おとめ:飯田蝶子

富坊:突貫小僧

床屋の親方:谷麗光

先生:西村青児

級長:加藤清一

医師:山田長政

会社の上役:石山隆嗣

船の客:笠智衆(ノンクレジット)

その他

非常線の女』の完成後、小津は荒田正男との共作でシナリオ『大学よいとこ』を書きあげたが、興行価値に乏しいとして保留になった。そこで代わりに作ったのが本作であった。

次郎の部屋に貼ってあるポスターは、交通ストライキに材をとった久板栄二郎の戯曲『交運の兄妹』である。

脚注^ 『喜八物』 - コトバンク
^ 出来ごころ、allcinema、2015年4月12日閲覧
^ 田中眞澄著『小津安二郎周游』、文藝春秋、2003年、p.123

参考文献

『小津安二郎を読む 古きものの美しい復権』、フィルムアート社〈ブック・シネマテーク〉、1982年

外部リンク

出来ごころ - 日本映画データベース

出来ごころ - KINENOTE










小津安二郎 監督作品
1920年代

懺悔の刃(1927年)

若人の夢(1928年)

女房紛失(1928年)

カボチヤ(1928年)


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