凪のお暇
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凪のお暇
ジャンルヒューマンドラマ
漫画
作者
コナリミサト
出版社秋田書店
掲載誌Eleganceイブ
Champion タップ!
レーベルA.L.C.・DX
発表号Eleganceイブ:2016年8月号 - 連載中
Champion タップ!:2017年1月26日 - 2018年4月12日
発表期間2016年6月25日 -
巻数既刊11巻(2024年2月16日現在)
ドラマ
原作コナリミサト
脚本大島里美
演出坪井敏雄、山本剛義、土井裕泰、大内舞子
制作TBSテレビ
放送局TBS系列
放送期間2019年7月19日 - 9月20日
話数全10話
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画テレビドラマ
ポータル漫画テレビドラマ

『凪のお暇』(なぎのおいとま、英語: Nagi's Long Vacation)は、コナリミサトによる日本漫画作品。『Eleganceイブ』(秋田書店)にて、2016年8月号から連載中。同誌2022年8月号に掲載後は休載していたが[1][2]、2023年7月号より連載を再開している[3]。また、同社のWEBコミックサイト『Champion タップ!』にて、2017年1月26日から2018年4月12日まで番外編を連載。2023年4月時点で累計部数は500万部を突破している[4]。2019年にはTBSテレビの「金曜ドラマ」枠でドラマが放送された[5]
あらすじ

節約が趣味の28歳OL大島凪は、常に空気を読んで周囲に合わせて目立たず謙虚に振る舞い、くせ毛を時間をかけてストレートに整えるなど女子力の高い自分を作り上げていた。ある日、凪を蔑む同僚たちの陰口を知り、さらに隠れて交際している我聞慎二が自身について同僚らに話しているのを目撃し、過呼吸で倒れる。以後、会社を辞め、家財を処分し都心から郊外へ転居、全ての人間関係を断ち切った凪は、ゼロから新しい生活を始める。
登場人物
主要人物
大島 凪(おおしま なぎ)〈28〉
主人公。OL時代は
三軒茶屋在住で経理部所属。社内では空気を読んでばかりで肩身の狭い生活を送る。当時はツヤツヤのストレートロングヘアだったが、実際はひどいくせ毛(天然パーマ)で、毎朝1時間かけて整えていた。目立つタイプではないが、巨乳でスタイル抜群なうえ控えめな性格のため異性ウケは良く、同僚のOLからも「女子アナ風」と揶揄され雑用を任されるなどいいように扱われていた。唯一の趣味は節約で、自宅で豆苗を栽培したり節約レシピなど工夫を凝らしている。心の支えは営業部のエースである我聞慎二と周囲に内緒で交際していることで、慎二と結婚し勝ち組になることを夢見る。しかし、凪と会うのは「アッチがいいから」だと同僚に話している彼を目の当たりにしたことで、溜め込んだストレスが爆発[6]し過呼吸を発症して倒れる。この事件を機に退職し、家財も人間関係もすべて断捨離して、三軒茶屋から立川市の六畳一間のアパート「エレガンスパレス」の102号室へ転居。OL時代よりも圧倒的に「空気がおいしい」開放感に満足し、当面のあいだ無職期間を「お暇」と称して満喫することを決める。本来の髪型であるモジャモジャ頭がトレードマークとなり、部屋には拾いものの扇風機(凪が黄色に塗装した)のほかは物を置いていない。空気を読み過ぎてしまう従来の自分から変化を遂げる決意をし、会計間違いをした店員や、ハローワークで落ち込んでいる坂本に声を掛けるなど、積極的に周囲と関わっていく。さらに新居へ接触してきた慎二に対して決別を言い渡したり、再会した足立に意見を申す気丈な一面も見せるようになる。一方で故郷にいる母の夕に対しては相変わらず空気を読み、本音を吐き出せずにいたが、慎二との偽デートのやりとりを機に本音を打ち明ける。隣人のゴンに惹かれて交際するが、彼には他にも沢山の交際相手がおり、心身共にやつれていく。エリィや慎二の忠告を受け、自分が廃人になる危険性を感じ、合鍵を返して別れた。夕が東京に来た際に、当初は現状の生活を取り繕っていたものの、後に真実を明かした。そして夕が東京から帰る途中に足を痛めたことを機に、故郷の北海道の実家でしばらく家族と暮らし始める。
我聞 慎二(がもん しんじ)〈28〉
凪が勤めていた会社の営業部のエース。他部署からも愛される人気者の美男子で、相手が欲しい言葉、態度を瞬時に察することができる。凪の交際相手で、綺麗なストレートヘアの女性が好みであったことから付き合い始めたが親しくなるにつれ、自身とは正反対で、常に空気を読みすぎてキャパオーバーを起こしている不器用さや、早朝に起きて縮毛をストレートに整える健気な姿を目の当たりしたことで心から惹かれるようになる。しかし、同僚やビジネスの相手に対しては如才なく振る舞える一方、好意を持っている相手に対しては支配的かつモラハラのような高圧的な態度でしか接することが出来ず、凪の退職や断捨離生活の原因となる。経理部から凪の新しい住所を聞きだして接触を図るが、再会した彼女に対してそれまでと変わらない態度をとったために決別を言い渡される。しかし、散々悪態をついた帰り道で泣いているかの様子を見せるなど、今でも凪に執着し恋心を引きずっている。決別後も、彼女がボーイとして働くスナック「バブル」に偶然来店したり、夕が上京した際に成り行きで偽彼氏役を請け負うなど、付かず離れずの腐れ縁的な関係である。堅実な公務員の父と、美人で天然の母を持つ理想的な家庭の様子を見せ、凪に憧れを抱かせるが、その実態は兄・慎一の中学受験失敗以来、家庭は崩壊の一途で、父は4人の愛人ならびに非嫡出子がおり、母は整形依存症、さらに慎一は実家を避け音信不通となっており、それでも体裁を保とうとする両親に辟易している。後に大阪支社より異動してきた市川から好意を寄せられるようになる。
安良城 欣[注 1](あらしろ ゴン)
凪の隣人で、「エレガンスパレス」103号室の住民。クラブイベントのオーガナイザーをしている。長髪と顎髭、さらに腕にタトゥー[注 2]を入れており当初は凪に怖がられる。しかし、ゴンのベランダで熟していたゴーヤの実の美味しさを凪が教えて以来、交流を深めていく。目の前の人には優しく来るもの拒まずな性格で、男性からは居心地の良さを感じられ、女性からはその優しさゆえによくモテる。最初は警戒していた凪も心と体を許すようになる。しかし、全ての人間に優しく寛容なのは誰か一人だけを特別扱いしないということでもある。ゴンとの交流は中毒性が高い反面、目の前にいない人間に対しては約束を反故にするなど誠実でなくなる姿から、エリィたちには「モーゼの海割り」「メンヘラ製造機」と称されている。一方でゴン自身も、決して悪気がないのに交流した人物が軒並み廃人になってしまうことに虚無や悲哀を感じてきた。慎二の指摘やみすずの励ましにより廃人になる危険性に気づいた凪に「ゴンさんはどんな味が食べられるか楽しみなちぎりパンのような人」「成人男性目線で見た妖艶で魅力的な女子中学生のような人」だと言われ、合鍵を返された。初めて自身に関わっても廃人にならなかった凪に惹かれて初めて恋心を抱くようになり、凪の帰郷を知って北海道まで会いに行く。家族には両親と姉と妹がいる。名前の由来は安良城家で飼われていた犬の名前から。
凪の友人・周辺人物
吉永 みどり(よしなが みどり)
「エレガンスパレス」202号室の住民。凪の真上の部屋に暮らしている老女。凪がアパートの中で最初に知り合った住人。
自動販売機のおつりを探ったり、パン屋でパンの耳を恵んでもらうなど、貧しげな身なりや言動から近隣住民に「おつり漁りババア」と呼ばれている。しかしその後ベランダから落下したももひきを凪が届けに行ったところ、レンタルした映画ソフトをホームシアター化した自宅で鑑賞するほどの映画好きであることや、パンの耳で作った節約菓子とともに日々を満喫していることが発覚する。この姿を目撃したことで、凪も持ち物の少ない生活を全力で楽しむ決意をする。
白石 うらら(しらいし うらら)
「エレガンスパレス」101号室の住民。小学5年生の女の子。家ではあやとりで遊んだり、母が買っておいてくれているビスケットを食べて過ごしている。凪の「ワンちゃんのような」くせ毛を気に入るが、凪を含め大人たちに対してはクールに振る舞っている。一方で学校の同級生に対しては明るくひょうきんで流行に敏感な自分を演じている。そんな自身の姿を凪に目撃された際には、流行に乗れない悔しさや母親がいつも家にいない寂しさを涙ながらに吐露する。話を聞いた凪は、自身も母子家庭で寂しい少女時代を送っていたことから、あやとりでのアクセサリー作りや牛乳で溶かして食べるビスケットなどを提案したところ、感動し心を開くようになる。以降は学校の同級生にも等身大の自分を見せるようになったほか、凪を慕い、一緒に節約料理や遊びに興じるようになる[注 3]
白石 みすず(しらいし みすず)
うららの母親。夫とは死別し、女手ひとつでうららを育てている。仕事で多忙ゆえに自宅に不在がちになっているが、在宅時にはうららと一緒に遊ぶなど愛情を注いでいる。美人で謙虚な性格から、うららの学校の保護者らから会えばマウンティングされ陰で粗探しされているが、実はショッピングモール建設現場の職長でクレーン車の操縦をしており、部下からの人望もある。凪の良き相談相手で、車の運転を教えるようにもなる。
坂本 龍子(さかもと りょうこ)
凪がハローワークで知り合った女性。28歳。窓口の職員に高圧的な態度を取られており、見かねた凪が声を掛けた。知り合ったばかりの凪に「前向きな気持ちになる石のブレスレット」を買わせようとする。勇気を振り絞って断った凪に絶縁されかけたが、その後涙ながらに謝罪と後悔の思いを述べて以来友人となり、節約料理の紹介や恋話などで盛り上がっている。最高峰の大学[注 4]を卒業しているが、コミュニケーション能力の低さから就職活動は失敗、やっと入社した会社では高学歴をやっかまれて退職。以後は転職を繰り返してきた。沖田が働いていた会社の面接に行った際、凪からの忠告をきっかけに有名企業へと再就職を果たす。同時に沖田と付き合うようになる。凪が北海道に帰郷した際には、ビデオ通話で連絡がとれるようノートパソコンとポケットWi-Fiを凪の実家に送った。
沖田(おきた)
坂本の大学時代の先輩。合同企業説明会で坂本と再会し、自身の働く会社を紹介する。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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