『冷静と情熱のあいだ』(れいせいとじょうねつのあいだ、Calmi Cuori Appassionati)は、1999年に出版された辻仁成と江國香織による恋愛小説。またこの小説を原作とし、2001年に公開された日本映画。また、2001年5月25日に発売された、この小説から生まれたアルバム。 小説は、月刊誌にまず江國香織がストーリーを書き、次の刊行時に辻仁成が続きのストーリーを掲載するという、交互連載の形をとりながら書き上げられていった(掲載誌は、1997年から1998年まで『月刊カドカワ』、1998年から1999年まで『feature』)。同じ時系列に起こる出来事を、江國はあおいの目線で、辻は阿形順正(あがたじゅんせい)の目線で描いている。小説は連載が完結すると、江國のパートは赤い装幀で「Rosso(ロッソ)」、辻のパートは青い装幀で「Blu(ブリュ)」というネーミングが冠され、別々の単行本としてセット発売された。この小説は、当時50万部を超えるベストセラーとなった[1]。
目次
1 概要
2 アルバム
3 映画
3.1 ストーリー
3.2 キャスト
3.3 スタッフ
3.4 受賞
3.5 サウンドトラック
4 参考資料・脚注
5 外部リンク
概要
アルバム
冷静と情熱のあいだ Blu?フィレンツェの異邦人?辻仁成プロデュース(Yuma、溝口肇、葉加瀬太郎、Arico
冷静と情熱のあいだ Rosso?ミラノに似た孤独?江國香織プロデュース(フレイ・ファド・デル・レイ
冷静と情熱のあいだ
Calmi Cuori Appassionati
監督中江功
脚本水橋文美江
原作江國香織、辻仁成
『冷静と情熱のあいだ』
製作臼井裕詞
和田倉和利
製作総指揮大多亮
出演者竹野内豊
ケリー・チャン
ユースケ・サンタマリア
篠原涼子
マイケル・ウォン
2001年11月10日に全国東宝系で公開された。映画では、阿形順正を竹野内豊、あおいをケリー・チャンが演じた。
映画の撮影は、日本のほか、イタリアのフィレンツェやミラノでも行われた。
映画用に新たに脚本が起こされているため、時間の流れや各シーンは多少小説と異なる。 大学を卒業後、絵画の修復士を志しイタリアのフィレンツェの工房で学んでいた阿形順正(あがたじゅんせい)は、同じフィレンツェに住む芽実(めみ)という日本人の彼女にも慕われ、周りの人々からは一見順調な人生を歩んでいるように見えた。しかし、彼の心の中には常に空虚感があった。香港からの留学生で、日本での学生時代をともに過ごし、深く愛し合いお互いを分かり合えた女性、あおいをいまだ忘れられなかったのだ。 あるとき順正は、フィレンツェを訪れた友人の崇(たかし)から、あおいが同じイタリアのミラノにいることを知る。崇から得た情報をたよりにミラノを訪れてみると、あおいはアメリカ人ビジネスマンと生活を共にしていた。全く異なる人生をお互いが歩んでいることを知った順正は、日本に逃げ帰る。 順正の頭の中には、学生時代にあおいが言った「わたしの30歳の誕生日に、フィレンツェのドゥオーモのクーポラで会ってね。約束してね。」という言葉が常にあった。しかし、10年も前の約束をあおいが覚えているとは思えなかった。それにあおいがまだ順正のことを好きでいるはずはないと思っていた。 ある時イタリアの恩師が自殺をしたと工房の同窓生から電話が入る。フィレンツェでの葬式に参列した際、旧友の高梨からかけられた言葉をきっかけに、生活の場をまたイタリアにもどすことを決心をする。そして、芽実に別れを告げる。また以前と変わらない、イタリアでの時間が流れていき、その日はついにやってきた。順正はゆっくりとドゥオーモの階段を、クーポラ(聖堂の丸屋根)をめざして上っていく。やはり、あおいはそこにはいない。ドゥオーモの閉館時間も刻一刻と迫っていた。
ストーリー
キャスト
阿形順正(あがたじゅんせい):竹野内豊
あおい:ケリー・チャン
崇(たかし):ユースケ・サンタマリア
芽実(めみ):篠原涼子
マーヴ :マイケル・ウォン
高梨:椎名桔平
清治:松村達雄
清雅:大和田伸也
麻美:広田レオナ
弁護士:塩見三省
中古レコード店店員:安斎肇
チェリスト:柏木広樹
スタッフ
原作:江國香織、辻仁成『冷静と情熱のあいだ』
監督:中江功
脚本:水橋文美江
音楽:エンヤ
主題歌:エンヤ「Wild Child」
企画:石丸章一郎、大川裕、島谷能成
製作:宮内正喜、江川信也、高井英幸
プロデュース:大多亮
プロデューサー:臼井裕詞、和田倉和利
協力プロデューサー:赤井淳司
サウンドプロデュース:吉俣良
撮影:津田豊滋
美術:種田陽平
美術(イタリア・ユニット):リタ・ラベシンド
編集:松尾浩
照明:川井稔
装飾:大町力
録音:橋本泰夫
効果:伊藤進一
スクリプター:荘原はる
スチール:原田大三郎
字幕:駒谷卓
衣裳:千代田圭介
スタイリスト:西ゆり子、平尾俊
スタイリスト(イタリア・ユニット):ガヤ・ムガルディ
ラインプロデューサー(イタリア・ユニット):アレッサンドロ・ベルティ
アシスタントプロデューサー:瀧山麻土香
助監督:兼重淳
助監督(イタリア・ユニット):トマソ・ベラテイ
制作担当:鶴賀谷公彦
製作協力:シネバザール
配給:東宝
製作:フジテレビジョン、角川書店、東宝
受賞
第20回ゴールデングロス賞 優秀銀賞
第25回日本アカデミー賞
優秀主演男優賞(竹野内豊)
優秀撮影賞(津田豊滋)
優秀照明賞(川井稔)