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冬(ふゆ)は、四季の一つであり、一年の中で最も寒い期間・季節を指す。 秋と春に挟まれた季節。二十四節気や旧暦のように、一年中で最も太陽の高度が低く夜が長い期間を指すこともある。 北半球では冬至後の1月-2月頃に気温が低いことが多く、南半球では夏至後の7月‐8月頃にあたる。 日本の気象庁では一日の日最低気温が0℃以下の日を冬日(ふゆび)、また、日最高気温が0℃以下の日を真冬日(まふゆび)と呼んでいる。このような日は1月を中心に前後の毎年12月から翌年3月頃にかけて発生するから(ただし、年や地域によっては、11月・4月でも生じる場合もある)、日本においてはこの時期辺りが冬の範囲に入る。冬が特別・特有とされる日本の事物(特に収穫物)に付いては旬#旬の食材一覧を参照 様々な四季の定義[1]分類春夏秋冬 北半球が冬のときは南半球は太陽高度が高くなるため夏となり、南半球が冬のときは同様に北半球は夏となる。 冬という季節が生まれるのは、太陽高度の差によって気温が変わることが大きな原因である。地球が地軸を傾けて公転しているために、同じ地点でも季節により太陽高度が変わり、太陽高度が低くなると冬になる。赤道に近い低緯度地域
概要
定義地球と太陽の光の模式図。この図では北半球が冬となる。
伝統的季節暦月区切り旧暦正月(新暦2月頃)?旧暦四月(新暦5月頃)?旧暦七月(新暦8月頃)?旧暦十月(新暦11月頃)?
節月区切り立春(2/3頃)?立夏(5/5頃)?立秋(8/7頃)?立冬(11/7頃)?
気象学的季節3月?6月?9月?12月?
天文学的季節春分(3/20頃)?夏至(6/21頃)?秋分(9/22頃)?冬至(12/22頃)?
社会通念・気象学では1月・2月・12月[2]。たとえば「暖冬」「厳冬」などはこの3か月の平均気温で判断する。
寒候年・1年間の間で1月、2月、12月とすると1シーズンとしての冬を評価できない。そのため1月、2月を含む年をそのシーズンで括る。例えば「2009年の冬」といった場合、2008年の12月、2009年の1月、2月である。また、「2008/2009年冬」や学校・企業年度に例えて「2008年度の冬」という書き方をする。初雪・終雪の日など11月以前、3月以降になることのあるようなものもこの定義による。
二十四節気に基づく節切りでは立冬から立春の前日まで。
旧暦による月切りでは十月・十一月・十二月。上に近いが、最大半月ずれる。
年度では1月・2月・3月。英語ではこの3か月をwinter quarterと呼ぶ。
天文学上は冬至から春分まで。ここでの「冬至」「春分」は、「冬至の日」「春分の日」ではなく太陽黄経が270°、0°になった瞬間。
西洋では伝統的に、冬至(の日)から春分(の日)の前日までとすることがある。登山界での冬期登頂記録はこの慣例に基づいて判定されることが多い。
熱帯地方では「冬がない」、極地方では「1年中が冬」とされることがある。
積雪や海の凍結がある地方では、その始まりを冬の始まりとし、融雪や解氷を冬の終わりとすることがある
三冬
初冬→立冬から大雪の前日までの期間をいい、孟冬ともいう。
仲冬→大雪から小寒の前日までの期間をいう。
晩冬→小寒から立春の前日までの期間をいい、季冬ともいう。
気候冬によく見られる筋状の雲、北海道付近(2003年1月撮影, NASAより)
また、その土地の標高や気団、海流、風などが冬の気候に影響を与えるため、同じ緯度にあっても冬の気候に差が出る。例えば、北緯43°付近にあるモナコでは1月の最低気温は8℃前後だが、ほぼ同じ緯度にある旭川では同じ月に-14℃前後まで下がる。
日本では秋から次第に寒くなり、やがて野外で霜や雪など氷に関わる現象が見られるのが冬である。また、冬至までは昼間の時間は短くなり、夜が長くなる。
シベリア高気圧が張り出し、西高東低の気圧配置になると、これを冬型の気圧配置といって、北西の季節風(北風)が強く吹き、日本海側では雪、太平洋側では空気が乾燥して晴れとなる。
寒さが弱い冬を暖冬(だんとう)という。反対に、寒さが厳しい冬・寒さが強い冬を、厳冬(げんとう)や寒冬と言う。 生物にとって、冬は直接に命の危険にさらされる季節である。それにつれて生物は活動を控えたり、様々な方法で冬眠や越冬に入る。落葉樹は葉を落とし、宿根草は地上部を枯らす。人間は防寒を主目的とした冬服に着替え、さらに襟巻きなどの防寒具を着用するが、霜焼け・凍傷を起こす事や凍死する者もいる。暖房器具を使用するのも冬のことであり、こたつやストーブに体を寄せる楽しみもあるが、それに起因する一酸化炭素中毒も冬に度々発生している。 気温は、植物にとっても重要である。特に平たくて薄い葉はその影響を受けやすい。冬季でもそれほど温度が低くならない地域では葉を小さく厚くすることでこれを耐えるが、ある程度以上ではこれを切り落として捨てる(落葉)。 一年草の場合、冬は種子などの耐久性の構造で耐える。この場合、春になって発芽することになるが、春の成長においてイニシアチブを取るべく、秋から冬に発芽するものがあり、これを越年草、あるいは二年草という。この場合、冬には葉をつけて過ごすが、寒さに対する対策として、地表に密着するように葉を広げる姿を取るものが多い。多年草の冬の姿にもこのようなものがあり、これをロゼットという。 なお、春になると様々な植物の活動が始まるが、その開始時期はそれぞれで、中にはほとんど冬のうちに始まる場合もある。特にフクジュソウや梅は冬の終わり(晩冬)に咲くので往々にして花自体が雪や氷をかぶることが多い。稀に、春本番を告げる桜や桃やチューリップ・ヒヤシンスなどの花も強い寒の戻りや花冷えが原因で季節外れの雪や氷をかぶることもある。 冬には、多くの動物が凍結しない場所で活動を停止しじっとしている。これを冬眠(とうみん)と言い、トカゲやカエルは土中に、カメやドジョウは水中の底に潜る。ほ乳類のコウモリやヤマネは体温を下げて冬眠する。シカやサルなどのように、冬眠しない動物もいるが、それらの場合、餌に苦労することになり、他の季節には見向きもしない木の芽や樹皮などを食べてしのぐ例も知られる。これらの動物では、冬季の死亡率が個体数に大きな影響を持つとも言われる。
生物
植物
ドイツの樹氷
北海道美瑛町の冬(哲学の木)
動物
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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