冒険ゲームブックシリーズ
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冒険ゲームブックシリーズ(ぼうけんゲームブックシリーズ)は、双葉社から刊行された、主にコンピュータゲームを題材としたゲームブックのシリーズ。1986年から1992年にかけて80冊近くが発行された。

また、この項では双葉文庫ゲームブックシリーズもあわせて取り上げる。
概要

双葉文庫で最初に刊行されたゲームブックは、1985年刊の「ルパン三世 さらば愛しきハリウッド」である。ルパン三世のゲームブックシリーズは冒険ゲームブックでなく「双葉文庫ゲームブックシリーズ」に属し、第6巻「Pファイルを奪え!」 からはルパン三世ゲームブックとしての巻数が記載されるようになった。なお、第6巻から第12巻「九龍クライシス」までは双葉文庫ゲームブックシリーズとしての通し番号も振られているが、それぞれ7 - 13とルパン三世ゲームブックの巻数よりも1巻ずれている。これは双葉文庫ゲームブックシリーズの第4弾がルパン三世とは無関係なホラー映画ガバリン」のゲームブック化作品のためである。

ファミコン冒険ゲームブックは、上記のシリーズよりも低年齢の小学校高学年から中学生を主な対象とするレーベルとして誕生した。日本でゲームブックが流行した1980年代後半は、同時に『スーパーマリオブラザーズ』に始まるファミリーコンピュータ(ファミコン)の爆発的ブームとも重なっていた。高価なゲームソフトはいくつも購入できるものではないため、安価にファミコンの雰囲気を味わえるゲームブックが各社から出版されたが、その中でも多数の読者を獲得したのが双葉社の本シリーズである。成功の要因は、文庫サイズにしたことで価格を300円台に抑えたことと、『スーパーマリオブラザーズ』『ゼルダの伝説』『ドラゴンクエスト』などの人気ゲームを題材にした作品を次々と刊行したところにある[1]

内容はさまざまで、原作のゲーム内容をほぼそのままなぞったもの、原作を生かしつつ大幅にアレンジを加えたもの、タイトルとキャラクターだけを借りた全くの別物、などなどバリエーションに富む。

ほとんどの作品ではサイコロを使わないごく簡易なシステムを採用しているが、『メトロイド ゼーベス侵入指令』や『スペース・ハリアー ホワイト・ドラゴンの勇者』、『ヴィザードリィシリーズ』、『ファンタジーゾーン2 異星への旅立ち』、『覇邪の封印 バァンドゥラの魔獣』のようにサイコロを使うシステムもある。文章は全体的に平易で、一冊の価格も他社製ゲームブックより安く設定してある。500項目以下の小規模から中規模のものが多数を占めるが、『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』のように上下巻に及ぶ大規模なものもある。

初期作品群には文章は横書きの左開き本と縦書きの右開き本でリリースされていたが、中期から後期に関しては縦書きの右開き本のみのリリースとなっている。

カバーをはずした下の表紙に、別のイラストが描かれている作品が多い。また、2ページ目のクレジットが英文表記であるため、全作品に英訳タイトルがある。

刊行数の増加と題材の多様化に伴い、「ファミコン冒険ゲームブック」から派生する形で誕生した「冒険ゲームブック」がシリーズ全体を統括する名称となった。しかし以下に挙げるサブレーベルの区分は名目上のことで、書籍に掲載された紹介文では全レーベルひとまとめに扱われていた。

ファミコン冒険ゲームブック

メガドライブ冒険ゲームブック原作となるゲームがメガドライブ用ソフトの場合はこのレーベルが使われる。

PCエンジン冒険ゲームブック原作となるゲームがPCエンジン用ソフトの場合はこのレーベルが使われる。背表紙の色も、ファミコン冒険ゲームブックが青いのに対してオレンジ色。

ゲームボーイ冒険ゲームブック原作となるゲームがゲームボーイ用ソフトの場合。背表紙の色はファミコン冒険ゲームブックと同じ青。このレーベルに属するタイトルは末期に刊行された。

スーパーファミコン冒険ゲームブック最後に登場したレーベル。唯一1992年まで刊行されている。

ミニ四駆ゲームブック小型の模型自動車「ミニ四駆」を題材にした作品。

冒険ゲームブックゲーム機名を冠しないこのレーベルには、完全オリジナル作品のほか、セガ・マークIII/セガ・マスターシステム用ゲームの一部や電話を利用する「テレホンアドベンチャー」が原作の作品が属する。『邪聖剣ネクロマンサー』はPCエンジン用ゲームが原作だが、こちらに含まれる。

双葉社が刊行したこれらのゲームブックの総数は、日本国内の出版社の中で群を抜いて多いが、次第に粗製濫造気味になってジャンルの衰退を招いたとも言われる[1]

ブーム末期の1990年には日本で刊行されるゲームブックの過半数を占め、このころは秀作も多かったが、ゲームブック界を代表するほどの大傑作には恵まれなかった。コンピュータゲームの扱う情報量が増加してきたため、原作と同じ筋書きをたどることが多かったこのシリーズ作品には、ゲームブックならではの独自要素を盛り込む余裕がなくなってきていたのが一因とされる[2]
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