再帰的定義
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再帰的定義(Recursive Definition)は、再帰的な定義、すなわち、あるものを定義するにあたってそれ自身を定義に含むものを言う。無限後退を避けるため、定義に含まれる「それ自身」はよく定義されていなければならない。同義語として帰納的定義(Inductive Definition)がある。
概要

循環定義との違いは、再帰的定義にはその定義を使わずに定義される基本となるケースが存在することである。その他のケースの定義は、基本のケースにより近い定義によって定義されなければならない。

例として素数の定義を示す:

1は素数ではない。

1でない正整数が素数であるとは、自身より小さいどの素数でも割り切れないことである。

整数 1 がこの場合の基本ケースである。それより大きい整数 X が素数かどうかを判定するには、X と 1 の間の全ての整数について素数かどうかを知っている必要がある。そのような整数たちは X よりも基本ケースの 1 に近いので、この定義は再帰的定義として有効である。

対照的に循環定義には基本ケースがなく、単に自身で自身を定義しているにすぎない。これが悪循環を生む。従って「再帰的定義: "再帰的定義"を参照」という記述は循環定義であって再帰的定義ではない。

再帰的定義は論理学コンピュータプログラミングでよく見受けられる。例えば論理式 (WFF; Well-founded Formula) は次のように定義される:
命題を表す記号 p,q, ... はWFFである - 例えば、p は「フレッドは法律家である」、q は「メリーは音楽好きである」を意味する。

N にWFFが付属したものはWFFである - 例えば N が否定を表すとすると、Np は「フレッドは法律家である、というのは真ではない」を意味する。

4種類の論理演算(C, A, K, E)のいずれかに、2つのWFFが付属したものはWFFである。 - 例えば、記号 K が「両方が真である」ことを意味するとすると、Kpq は「フレッドが法律家であり、かつメリーは音楽好きである」という意味である。

以上により WFF と定義されるもののみが WFF である。

このような再帰的定義を使って、ある記号列が論理式であるか否かを判定することができる。

Kpq は、WFF である p と q が K に付属したものであるため、WFF である。

NKpq は、WFF である Kpq が N に付属したものであるため、WFF である。

KNpNq は、K に Np と Nq が付属しており、Np および Nq は WFF であるため、WFF である。

Npq は WFF ではない。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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