円_(通貨)
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この項目では、日本の現行通貨について説明しています。東アジアの他の同名の通貨については「」を、その他の用法については「円 (曖昧さ回避)」をご覧ください。

「YEN」はこの項目へ転送されています。かつて存在したレコードレーベル「YEN RECORDS」については「アルファレコード」を、山嵜晋平監督の短編映画については「DIVOC-12」をご覧ください。



紙幣硬貨

ISO 4217
コード
JPY
中央銀行日本銀行
 ウェブサイトwww.boj.or.jp
公式
使用国・地域 日本
非公式使用
国・地域 ミャンマー[1]
インフレ率3.7%
 情報源総務省統計局(2019年平均)
 指数CPI
補助単位
 1/100通貨は廃止)
一円未満の金額の計算単位で使用
 1/1000(通貨は廃止)
一円未満の金額の計算単位で使用
通貨記号\
複数形この通貨の言語に形態学的な複数形区別はない。
硬貨
 広く流通\1, \5, \10, \50, \100, \500
紙幣
 広く流通\1,000, \5,000, \10,000
 流通は稀\2,000(殆ど沖縄県のみの流通)
紙幣製造国立印刷局
 ウェブサイトwww.npb.go.jp
硬貨鋳造造幣局
 ウェブサイトwww.mint.go.jp

円(えん)は、日本国の法定通貨の通貨単位通貨記号は\(円記号)、ISO 4217による通貨コードはJPY。旧字体ではローマ字ではyenと表記され、しばしば日本円(にほんえん、にっぽんえん)ともいう。

通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律(昭和62年法律第42号)により「通貨の額面価格の単位は円とし、その額面価格は一円の整数倍とする。」と定められている(通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律第2条第1項)。
概要

日本の通貨単位である「円」は、明治4年5月10日1871年6月27日)に制定された新貨条例(明治4年太政官布告第267号)で定められたものである。

当時の表記は旧字体の「圓」であった。貨幣法(明治30年法律第16号)施行により貨幣条例(明治8年太政官布告第108号、新貨条例を改正公布)は廃止されたが、通貨単位としての円は受け継がれ、現在の通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律(昭和62年法律第42号)に受け継がれている。

外国為替市場為替レートなど、日本以外の通貨との関りの深い分野では、「日本円」という表記や呼称がよく用いられ、国際通貨特別引出権のひとつである。

2021年後半から2023年後半にかけての下落率は40%以上となっている[2]。日経の予想は的中し、2024年3月には名目実効為替レートで34年ぶり円安水準となった[3]
使用国

日本 - 発行国、法定通貨

過去に流通した地域

ジンバブエ - 他の外貨8通貨と共に法定通貨に加えられていた。流通状況は不明。

長らく日本においてのみ法定通貨とされていたが、2014年1月より2019年6月まではジンバブエの法定通貨の1つに加えられ[4]、この期間、日本円を法定通貨とする国は2カ国となっていた。なお、ジンバブエでは日本円の他に米ドルユーロ英ポンド南アフリカ・ランドボツワナ・プラ中国人民元インド・ルピー豪ドルも法定通貨として導入されていた[5]。2019年6月に暫定通貨RTGSドルが唯一の法定通貨と指定され、これらの外貨を法定通貨とすることが禁じられた[6]
通貨単位

「円(圓)」という単位名は中国に由来する。中国では、銀は鋳造せずに塊で秤量貨幣として扱われたが(銀錠)、18世紀頃からスペインと、それ以上にその植民地であったメキシコから銀の鋳造貨幣が流入した(洋銀)。これらはその形から、「銀圓」と呼ばれた。後にイギリスの香港造幣局が「香港壱圓」と刻印したドル銀貨を発行したのはこの流れからである。「銀圓」は、その名と共に日本にも流入し、日本もこれを真似て通貨単位を「円(圓)」と改めた。1870年、日本は、香港ドル銀貨と同品位・同量の銀貨を本位貨幣とする銀本位制を採用すると決定したが、直後に伊藤博文が当時の国際情勢を鑑みて急遽金本位制に変更することを建議した[7]

現在のローマ字表記が「en」ではなく「yen」と書かれるようになった原因は日銀自身も不明としており、外国人に正確な発音をさせるため、西欧言語で頻発する「en」という単語と混同されないための区別、中国の「圓=YUAN」からの転化の3つの説を挙げている[8]。外国語では綴りに引かれて、「イェン」/j?n/といった具合に「y」を発音する。

歴史的仮名遣いは「ゑん (wen)」であるが、16世紀ごろの日本では、発音上は「え」も「ゑ」も区別なく /je/ と発音されていた。この時代のキリシタン文献には、「え」「ゑ」がどちらも ye と綴られている(詳細は日本語の項の音韻史、または「」の項を参照)。

英国人宣教師W.H.メドハーストは、日本を訪れたことも日本人に会ったこともなかったが、ジャカルタバタヴィア)で、和蘭辞典や日本を訪れたことのある人々の情報を基に『英和・和英語彙』(1830年)を著した。この語彙集には「e」と「ye」が混在しており、たとえば冒頭の仮名一覧を見ると、「え」「ゑ」に「e」「ye」の両方が当てられている。19世紀後半に来日したアメリカ人宣教師 J. C. ヘボンは、先行する辞典・語彙集などを参考にしながら、史上初の本格的な英和和英辞典である『和英語林集成』(初版1867年)を著した。この辞典はメドハーストの表記に倣い、「円」以外にも、「え」「ゑ」で始まる単語は全て「ye」と綴られている。しかし一部地域をのぞいて、この時代には /je/ 音は /e/ 音へと移行しており、ヘボンは綴りを実際の音に近づけるため、第3版(1886年。この版においてヘボン式ローマ字が確立)に至って、「円」と格助詞の「へ」以外、「え」「ゑ」を全て「e」で表記することにした[9]

補助単位としては、

- 円の100分の1(1円=100銭)

- 円の1,000分の1、銭の10分の1(1円=1,000厘、1銭=10厘)

が規定されるが、銭および厘単位(一円未満)の全ての硬貨・紙幣(補助貨幣臨時補助貨幣・小額日本銀行券小額政府紙幣)は1953年末に小額通貨の整理及び支払金の端数計算に関する法律(昭和28年法律第60号)によって小額通貨が整理された際に使用・流通禁止措置が取られた。現在、「銭」や「厘」の単位は通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律によって「一円未満の金額の計算単位」と定められており(通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律第2条第2項)、為替株式の取引、少額物品の単価見積で単位としての銭が便宜的に使用されるにすぎない。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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