共通ブリソン語
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ブリソン諸語
ブリトン諸語
話される地域
ウェールズ, コーンウォール, ブルターニュ
言語系統インド・ヨーロッパ語族

ケルト語派

島嶼ケルト語

ブリソン諸語



下位言語

ピクト語?


カンブリア語

ウェールズ語

コーンウォール語

ブルトン語

Glottologbryt1239[1]

ブリソン諸語(ブリソンしょご、: Brythonic languages)、もしくはブリトン諸語(ブリトンしょご、: Brittonic languages、British languages)とは、島嶼ケルト語からの分岐語族の一つ。もう一方の分岐はゲール語[2]

ブリソニック(Brythonic)の表記は、ウェールズのケルト学者ジョン・ライスによって、ウェールズ語のブリソン(Brython)から名付けられ、これは(アングロ・サクソン人ゲール人ではない)土着のブリトン人を意味する。

ブリトニック(Brittonic)の表記は、ギリシャ人の著述家による、ブリテン諸島を指すPrettanicが起源である。およそ紀元600年以降に変更が加わったブリソン諸語を指してブリトン諸語(Brittonic)の用語を使う場合もある。
概要

ブリトン諸語はブリテン諸島で鉄器時代から今日まで話されてきた。元来は多数派言語であったが、現在はウェールズコーンウォールの少数派言語になっている。マン島スコットランド・(おそらく)アイルランドでは、ブリソン諸語はゲール諸語に取って代わられた。人口移動によって、ブルターニュおよびパタゴニアにもブリソン諸語話者のコミュニティがある。
形跡

ブリソン諸語の情報は、様々な資料に見られる。初期の言語情報は、コインや碑文・古代の作家の著述のほかにも、ブリソン諸語で記録された地名・人名などから読み取れる。後世のブリソン諸語に関しては、地名の他にも中世の作家や近代の話者がいる。ローマ時代の地名に関しては、A・リベットとコリン・スミスの著書に詳しい。
特徴

ブリソン諸語は(ガリア語などが含まれる)Pケルト語であるともされている。この理由は、前インド・ヨーロッパ語族の音素*「kw」が「p」に音韻変化しており、「c」に変化するゲール語とは対照的であるためだ。このような用語法は、Pケルト語仮説に沿うものであり、島嶼ケルト語仮説とは別のものである。(分類議論に関しては島嶼ケルト語を参照)

他の主な特徴としては以下のようなものがある。

「-m」,「-n」の扱い。「-am」,「-an」となる

母音が続く「s-」が「h-」に変化する

アイルランド語:「sean」,「sinor」,「samail」(意味はそれぞれ「古い」、「長い」、「似た」)

ブルトン語:「hen」,「hir」,「henvel」


「-t」の前の鼻音を保持する

アイルランド語:「cead」(意味は「100」)

ブルトン語:「kant」


「sp」, 「sr」, 「sv/sw」が「f」, 「fr」, 「chw」に変化する

「*swero」(おもちゃ、ゲーム)ウェールズ語:「chwarae」ブルトン語:「choari」

「*srokna」(鼻孔)ウェールズ語:「ffroen」 ブルトン語:「froen」


その他の、子音が続く語頭の「s-」が欠落する

「smero」(果物)ウェールズ語:「mwyar」, ブルトン語:「mouar」

「slemon」(なめらかな)ウェールズ語:「llyfn」ブルトン語:「levn」


「v」が「gw」に変化する。(ゲール語の場合は「f」)

「vindos」(白い)ウェールズ語:「gwenn」

「vassos」(召使い、若い男)ウェールズ語:「gwas」


二重破裂音が摩擦音になる。母音・流音の前の「pp」, 「cc」, 「tt」 が 「f」, 「ch(c'h)」, 「th(z)」になる。

「cippus」(木の幹)ブルトン語:「kef」 ウェールズ語:「cyff」

「cattos」 ブルトン語:「kaz」 ウェールズ語:「cath」

「bucca」 ブルトン語:「boch」 ウェールズ語:「boch」


無声破裂音と、母音間にある「d」,「b」,「m」と発音する音が柔らかい摩擦音になる

ウェールズ語:「dd」[d], 「th」[θ], 「f」 [v]

ブルトン語:「z」, 「v」


分類

ブリソン諸語の類縁関係は以下のようになる。

共通ブリソン語

ピクト語(おそらく)

ブリトン語

ローマ・ブリトン語

東ブリソン語


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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